Column

2017.7.2

MTRL KYOTO コワーキングサービスまとめ(オープンから2017年5月まで)

FabCafe Kyoto編集部

Kyoto

こんにちは。MTRL KYOTOプロデューサーのモリウチです。

MTRL KYOTOでは2017年6月9日より1階でFabCafe Kyoto をスタート。これに合わせて2015年12月より1年半続けていたコワーキングスペースとしてのシステムを変更しました。会員登録・予約不要の「ドロップインシステム」であることは変わりませんが、滞在時間によるメーター課金を廃止してわかりやすくリーズナブルになりました。

これまで これから
基本料金 500円で45分(ワンドリンク込み) ワンオーダー(500円〜)で3時間まで
メーター課金 1分10円 なし
1日利用料金 1800円(ワンドリンク込み) ワンオーダー(500円〜) + 1000円

さて、この記事はクリエイティブ企画制作会社であるわたしたちロフトワークが京都市内でコワーキングスペースサービスを営んだ結果の振り返りです。ファクトとなる数字や傾向をオープンにすることで、様々な立場の方がこれからのワークスタイルのことを考える一助にできればと願っています。

MTRL KYOTO来館者数とコワーキング利用者数

MTRL KYOTOの過去8ヶ月間の来館者集計から来館目的や属性ごとの平均人数を見ることができます。

■ 集計期間:8ヶ月間(2016年10月〜2017年5月)
■ 月間来店者数平均: 687人
■ うち外国人割合平均:15.6%

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「月間最大1000人近くが訪れる」と言ってきたMTRL KYOTOですが平均をとるとこのような傾向になっています。主催・共催・会場提供を合わせると2.5日に1回以上のペースで行われているイベントで初めてMTRL KYOTOを知った方が後日、コワーキング目的にお越しいただくケースも多くなりました。また、コワーキング、イベントともに外国人の方の割合はオープン当初の想定を遥かに超えて多くなりました。

コワーキング利用者の所属

コワーキング利用者は月間平均200人くらい、営業日で割ると1日10人ちょっととなりますが、登録・予約なしのドロップインシステムなので日によっての変動の波は大きく、ロフトワークのスタッフしかいない日もあれば、1Fのテーブルがまんべんなく埋まるくらい盛況な日もあります。また、後述するとおりグループ利用が多い傾向があります。そんなコワーキング利用者の所属の内訳は以下のとおりです。

■ 集計期間:8ヶ月間(2016年10月〜2017年5月)
■ 集計方法:スタッフの肌感覚。登録不要のドロップインシステムのため直接お話した方以外は推測です。

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気軽に使えるドロップインシステムのため、会社に所属している方のスポット利用が多いことが特徴です。日中は、気分転換に外で打合せ・Fabツールを使って業務のプロトタイピング・出張時の空き時間のオアシスとしてなど。18-22時のバータイムでは、社外の仲間と集まってビールを飲みながらブレストや発表、共同制作などのプロジェクト活動が行われています。教員・研究者・伝統産業の方は作業よりも打合せ利用が多く、専門分野に興味津々のMTRL KYOTOスタッフと時間を忘れて話し込むこともしばしば。

コワーキング利用目的と傾向

コワーキング利用者の目的に関してはおおよそ以下のような割合です。

■ 集計期間:8ヶ月間(2016年10月〜2017年5月)
■ 集計方法:スタッフの肌感覚。来場人数ではなく来場組数(機会)ごと集計です。

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【ものづくり】は設備であるレーザーカッターや3Dプリンターを使った作業と、自前の道具と材料での作業(電子工作や縫製など)の両方です。【プチ合宿】とは数人で半日〜1日、ブレストやワークショップやチーム作業を行うような使い方です。【自主イベント】とは数人~20人の参加者がコワーキングの利用料金を支払い空きスペースでイベントを行う使い方です。

利用方法に関しては以下のような傾向がありました。

・イベントの常連さんはいるがコワーキング常連(MTRL KYOTOをメインのワークスペースとする方)はほとんどいない
・気に入っていただけると3日〜1週間連続して使う方がいた
・外国人の方のほうが長い時間利用する
・和室は学生さんや若い方が長時間利用することが多い

売上について

直近6ヶ月の売上額の構成比はおおよそ以下のとおりです。

■ 集計期間:6ヶ月間(2016年12月〜2017年5月)

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【レンタルスペース】の売上には、クリエイティブに関する企画をいただきオープンなイベント会場としてご利用いただく場合と、会議や勉強会やロケなどのクローズドな用途としてご利用いただく場合があります。クローズドな用途については会場と運営に余力がある範囲で受け入れています(サービスとしてWebサイトにも掲示していませんし、お断りする場合も多いです)。【主催イベント/企画】はイベント参加料売上と、MTRL KYOTOがイベントの設計やデザインから運営のお手伝いさせていただいた場合の売上です。MTRL KYOTOは後者の実績を増やしていきたいと考えています。

MTRL KYOTOの運営リソースは専属スタッフ3人でシフトを組んで回していました。(FabCafeスタート後は増員中です)

営業に関して事業単体でみるとMTRL KYOTOの売上はこの人件費に対して赤字の月がほとんどでしたが、運営会社であるロフトワークが店舗運営を介してさまざまなクリエイターや企業と接点を持つことについては、期待以上の相乗効果がありました。また、ロフトワークスタッフが仕事や打ち合わせを行う職場としても工夫しながら有効活用を行っています。

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MTRL KYOTOでは運営会社ロフトワークのさまざまなプロジェクトの舞台として活用されています。

織物職人、クリエイター、サポーター。みんなで考え、話し、作る – YOSANO TEXTILE IDEATHON(アイデアソン)

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MTRL KYOTO はオープンにはたらく人を支援します

以上、18ヶ月間のコワーキングを中心としたMTRL KYOTOの利用動向を公開いたしました。

この6月からMTRL KYOTOはカフェの機能がアドオンされてこれまで以上に街に開かれたスペースになりましたが、私たちがクリエイティブワークやものづくりに関わる・関心がある人たちに向かい合ったサービスを提供し、コミュニティづくりを続けていくことに変化はありません。これまでは「コワーキング」という言葉のイメージで自分ごとに感じられなかった方も気軽にMTRL KYOTOに足を運んでいただけるとうれしいです。

https://www.youtube.com/watch?v=lWbqHcD5Ojg
また、わたしたちはMTRL KYOTOという場所、サービス、コミュニティを通して、クリエイティブやものづくりに関わる人のこれからの働き方やチームワークのスタイルについても提案や実験を行い、新しい価値観を提示できればと考えています。

それはスタートアップチームやフリーランサーのような一部の特別な人を対象とするものではなく、会社勤めの方や学生さん職人さんなど、クリエイティブやものづくりに関わるあらゆる人々がMTRL KYOTO に集ってオープンに仕事をすることで生まれる変化やインパクトに、私たちは期待しています。

セカンドオフィス、サードオフィス、コミュニティスペースとして、積極的にMTRL KYOTOの空間をハック(工夫して活用)していただける方々のお越しをお待ちしております。

MTRL KYOTO 内観・外観写真

2017年7月の営業情報

Events | MTRL KYOTO(マテリアル京都)

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