こんにちは、FabCafeのサガラです!
3月19日に開催されたCOMAYOSE WORKSHOPの様子を届けします。
このワークショップは、講師の駒野美智(こまのみさと)さんが所属するFablab鎌倉と、
漆デザイナーメーカーさん土岐謙次(ときけんじ)さんのご協力により実現いたしました。
日本の伝統技術である寄せ木と、デジタルファブリケーションの
コラボレーションのこのワークショップは、なんと大阪府や山口県から参加して下さった方も!
寄せ木への関心の高さを改めて感じたワークショップでした。
COMAYOSE (コマヨセ)
COMAYOSEとは、レーザーカッターを使用してパーツを切り出し、細かい(COMA)木材を寄せて(YOSE)つくる現在版寄木細工を意味しています。今回のワークショップでは、漆を麻布で固めて板状にした、レーザー加工を可能にした「乾漆シート」を使用します。「乾漆シート」とは宮城大学土岐謙次氏と、仙台に工房を構える(株)郷自然工房佐藤和也氏が開発している新しい漆素材です。漆というと、赤と黒のイメージが強いと思いますが、黄緑や青などの様々な色をつくることができます。複数の色から好きな色のパーツを選んでCOMAYOSEに張り付けて使用します。
ワークショップの行程は大きくわけて、以下の3つ。
①パーツの切り出し ②素材を寄せる ③仕上げ
①パーツの切り出し
今回は、あらかじめレーザーカッターでカットしておいた素材をパーツを選ぶ作業から始めます。
選ぶパーツによって印象が大きくかわるのでみなさま真剣な眼差しです。
▲たくさんのパーツを並べてみて、お気に入りの組み合わせを見つけます。
▲レーザーカッターには「焼けしろ」といって焦げて消失してしまう部分が0.2mmほどあります。
その部分を計算しながら、ぴったりと合うパーツを作るには少しコツが必要です。
②素材を寄せる
これだ!という組み合わせを見つけられたら、次は「寄せ木」、木を寄せていく作業です。
切り出されたパーツに接着剤を塗って、ぴったりと接着していきます。
一般的なボンドとの違いは、耐水性なので寄せ木でお皿などを作る際にも使用できる点だそうです。
③仕上げ
▲「400番と400番のやすりをこすりあわせると800番になるんですよ」という豆知識を聞いてみんなで驚いている瞬間
表面が平に綺麗になったら、蜜蝋で木材を磨きます。
表面につやが出てとっても綺麗。これはコーティングも兼ねていて、汚れもつきにくくなるそうです。
FabCafeでも大人気の木材の加工。
最後に、カットされた乾湿シートを接着して、完成です!
早く完成した方は、レーザーカッターでイニシャルやメッセージを彫刻しました。
▲もうすぐ結婚10周年の奥様へのプレゼントに。とっても素敵ですね。
完成したら、みなさんが選んだ木の種類や特徴をそれぞれ説明。
「カリン」と「パドック」が同じ木だってみなさま知っていましたか?
今回のワークショップのポイント
①デジタルファブリケーションで寄せ木がより身近に ②寄せ木の接着材はタイトボンド3がおすすめ ③レーザーカッターで、素材同士をぴったり合わせたいパーツを作る際には工夫が必要 ④レーザーカットした素材は仕上げ作業によって輝きを増す レーザーカッターについてのご相談は、気軽に店頭のスタッフにお声がけ下さい。
これをきっかけにオリジナルデザインにもチャレンジしてみましょう!
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みなさまありがとうございました!

漆提供:土岐謙次(ときけんじ)
漆デザイナーメーカー。京都市出身。京都市立芸術大学美術研究科博士後期課程産業工芸・意匠修了、博士(美術)。2002年頃より三次元プリンターを使った漆造形作品の制作を行う。コンピュテーショナルデザインによる乾漆(麻布を漆で固める伝統造形技法)造形制作の他、構造構造家と共同で乾漆の強度実験を行うなど、古くて新しい漆の可能性を追求。漆ジュエリーデザインも手がける。文化庁派遣芸術家、2002-04年The Surrey Institute of Art & Design, University College研究員を経て2005年より宮城大学事業構想学部デザイン情報学科助教
http://www.kenjitoki.com
http://yula-yulala.jp/
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