Interview
2016.10.1
FabCafe編集部
バイオラボが完成したFabCafe MTRLでは、バイオラボのつくり方をオープンにすべく、各地のバイオラボ、バイオスペースの施設や運用方法を連載しています。第5回目となる今回は、自然豊かで産業も盛んな静岡県浜松市において、ローカルだからこそ出来るモノづくり、またバイオテクノロジーへの新たな取り組みに挑戦されているTAKE-SPACE / FabLab浜松のファウンダーである竹村真人さんにお話しをお伺いしました。
TAKE-SPACE/ FabLab浜松とは
世界ファブラボネットワークにも登録され、”FabLab浜松” として市民参加型のものづくりスペースとして活動をしているTAKE-SPACE。デジタル工作機器をつかったモノづくりの環境を提供する中で、最近では日本国内でも先駆けて、バイオテクノロジーを活用した実験的なプロジェクトが可能な ”バイオスペース”も施設内に設立されました。それでは実際に、TAKE-SPACEとはどんな場所なのでしょうか。
静岡県浜松市は、静岡県西部に位置する都市で人口は同県最大で80万人ほどです。もともと浜松市は自然豊かであることに加えて、産業もさかんな都市で、モノづくりには古くからゆかりがあります。中でも、楽器や車の製造、繊維産業が今でも盛んです。
TAKE-SPACE/ FabLab浜松は、竹村さんの実家に隣接する農具倉庫を改装してできたスペースです。また、田んぼが隣接していることもあり、田んぼを活用した農作物/農作業をデザインするプロジェクトが多く生み出されています。
昨年夏には田んぼの雑草を除去してくれるアイガモに代替するような米作りのサポートロボットをつくるハッカソンを開催したり、農作業にまつわるものづくりが中心となったワーキンググループが活動しています。また、ハックされた農作業器具や、田植え機などもFabツールとして導入されているのも特徴的です。また、竹村さん自身の過去のエンジニアとしてのキャリアを活かして、通常のデジタル工作機に加え、溶接機や旋盤、丸ノコなどの機材も取り扱っています。
浜松だからできる市民参加型ファブリケーション
TAKE-SPACEの利用者の多くは製造業に勤めている方が中心だそうで、仕事の延長として、余暇の時間を活用してものづくりを積極的に楽しみたい方が多いようです。浜松のものづくりに対する精神が今も尚、進化しながら受け継がれているのかもしれません。
このようなローカルで、街や市民の特性からインスピレーションを受けた、市民のためのファブリケーションの取り組みが世界のFabLabネットワークでも大変高く評価されています。最近ではTAKE-SPACEを目的にいらっしゃる外国人の利用者も増え、竹村さん自身 ”浜松だからこそできることを探求していきたい” と日々実感されているそうです。
また、東京などでは難しい空き地を利用してドローンの飛行実験を行うことが出来たり、環境/立地条件を活かした取り組みは、ものづくりだけでなく、浜松のまちづくりにも貢献しているのではないでしょうか。
浜松という都心から離れた立地条件をハンデにせず、ゆったり、そして現地の環境に適応したモノづくりや発明が行えることが、市民からの信頼を得ているという点がTAKE-SPACEがつくる「もの/ことづくり」なのです。
そんな中、農業のプロジェクトや世界中のメイカースペースで注目を浴びるようになってきた「バイオテクノロジー」に半ば流行に乗るようなかたちでTAKE-SPACEもバイオテクノロジーの活動を開始していくことになります。
次回Part2では、本格的に、TAKE-SPACEでのバイオスペースの取り組みについてご紹介します。市民参加型のメイカースペースであるTAKE-SPACE × バイオならではの取り組みにご注目下さい。
→ バイオラボの作り方(6) 〜浜松から発信する新しいFabのかたち〜 バイオテクノロジーへの挑戦 [TAKE SPACE / FabLab浜松]
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