季節ごとに期間限定で提供している“Fabパフェ”を手がけているSrecette。
季節感やテーマ性を1杯のパフェで表現するために、既製品は使用せずに作られる「本気」のパフェです。
第10弾となる今回のFabパフェの題材は「林檎」!
林檎を使った洋菓子の中でもポピュラーな『Tart Tatin(タルト タタン)』をテーマに、林檎の様々な味わいを1杯の中で表現したパフェとなりました。
季節感やテーマ性を1杯のパフェで表現するために、既製品は使用せずに作られる「本気」のパフェです。
第10弾となる今回のFabパフェの題材は「林檎」!
林檎を使った洋菓子の中でもポピュラーな『Tart Tatin(タルト タタン)』をテーマに、林檎の様々な味わいを1杯の中で表現したパフェとなりました。
Interview
まずはじめに『TATIN』について教えてください
△最上部に乗っているのが「タタン」。はじめの一口目はタタンからお召し上がりください。
Srecette :
『TATIN』は名前の通り、フランス菓子のタルト・タタン(Tart Tatin)からきています。タルト・タタンは長時間焼いてトロトロになった林檎とパイ生地を合わせたお菓子で、レストランでは温かいタルト・タタンにバニラアイスを添えて出されることが多いデザートです。今回のパフェ『TATIN』では薄くスライスして何層も重ねて長時間焼いた林檎をメインにしたパフェを作りました。
今回の『TATIN』はどの部分を1番意識して考えましたか?
△「キャラメルアーモンドアイスクリーム」と「カシスソルベ」の戯れ。
Srecette :
レストランで出されるタルトタタンにはバニラアイスクリームが添えられることが多く、最初は王道には王道の理由がある!と思い、バニラアイスクリームを合わせましたが・・・そうなると甘さが勝ってしまってパフェとして食べようとした時に最初の段階で気持ちとお腹が一杯になってしまい、次に繋がらないなと思いました。
そのあとに「柚子のアイスクリーム」や「ミントのアイスクリーム」も試作しましたが、タタンを食べてそれぞれのアイスクリームを合わせて食べても次に繋がらなかったです。例えばミントのアイスクリームでは、アイスクリーム単体やタタン単体ではそれぞれが美味しいのですが、「美味しい」と「美味しい」を組み合わせだけでタタンの香りが断たれてしまうような感じになってしまいました。
「美味しい」と「美味しい」もの同士が交わると違うものになるというイメージが私の中でありますが、それが「アッサムのアイスクリーム」だとアッサムのコクのある感じが濃縮されたタタンの酸味と響き合って、また余韻がしっかりと残って次に進みたなるような感じがあったので、これだ!!と思いました。
大西 :
柚子やミントのアイスクリームもとても林檎と合いそうですが、次の繋がりのことも考えると難しいんですね・・・。
先日食に関する記事で – 美味しさをどんどん足していくと飽和状態になってこれ以上に上がらないというところまで達するが、「エグ味」の要素を入れることにより飽和していたリミットが解除されて上がっていく – というのがありました。結構そのニュアンスに近いものがあるかもしれないですね。
Srecette :
そう思います。もしかしたら美味しいと美味しいの組み合わせは掛け算にはならなくて、隣あっているだけかもしれませんね。
記事に書かれている「エグ味」という意味では、中心部分のパーツに出てくる「カシスのソルベ」がそういった意味で使っています。
林檎の形をした「メレンゲ」が視覚的に気になりますが、今回のメレンゲについて教えてください。
△今回のメレンゲは林檎の形!レーザーカッターを使ってより視覚的な要素を入れることができました。
Srecette :
最近私の中で「メレンゲ」がメジャー化してきていて、それをどうやって使おうかと考えていました。メレンゲは冷えた口の中の温度をリセットしてくれつつ、メレンゲ自体にいろんな風味の幅をきかせられます。
Srecette :
今回のパフェでは「塩のメレンゲ」や「ブランデーのメレンゲ」を試作しましたが、全体的にパフェにもっと林檎の香りを纏わせたくて。
なので林檎の香りが一番感じられる「皮」の部分をオーブンでじっくりと乾燥させ粉状にしてメレンゲに混ぜ込みました。だから今回のメレンゲにはほんのりと林檎の香りと薄いピンク色がつき、それをレーザーカッターでカットした林檎の型を使うことで風味的にも視覚的にも林檎を感じられるようなメレンゲとなりました。
△レーザーカッターを使って林檎の型を制作。可愛い・・・。
△型の制作で出た端材。むしろこちらがメインの制作物に見えます。
こだわって作られたパーツをパフェとして組み立てるとき、どのようなことを意識されたでしょうか?
△「キャラメルアーモンドのアイスクリーム」はしっかりと炊いたキャラメルとアーモンドを荒く刻み、食感も楽しめます。
Srecette :
今回のパフェでは全体を通して、林檎の香りをどう際立たせるかを考えました。
例えば中心部分のパーツに関してはしっかりとキャラメルをたいて、ローストしたスライスのアーモンドを粗めに刻んだ食感と香ばしさが楽しめる「キャラメルアーモンドのアイスクリーム」を選びました。その横に「カシスのソルベ」を加えています。
△スケッチでのイメージ。パフェのイメージとグラスのイメージがなかなか合わず、試作を繰り返し今のグラスに。
Srecette :
はじめカシスのソルベの部分に青リンゴの爽やかなソルベを考えていたのですが、これもアーモンドのアイスクリームとあまり相性がよくなくて。でもカシスのソルベにすることでキャラメルアーモンドのアイスクリームの相性もですが、パフェ全体として味わいを深くすることができました。
先ほどお話にあった「エグ味」の効果はここで出ていると思います。その下には食感は軽いけど、滑らかさとクリーミーさのある「クレームシャンティ」、林檎の皮と実をコトコト煮ることで、色と風味が自然とついた「紅玉のジュレ」、最後にキャラメルとクランブルの食感も残した「キャラメルクレームシャンティ」で組み立てました。
今回の『TATIN』を通してどのようなことを感じて頂きたいですか
△今回使うグラスはちょっとレトロな雰囲気を持った形。
Srecette :
Mintopiaではミントやチョコミントアイスに苦手意識があっても食べてみたいなと思ってもらえるようなパフェを作りましたが、『TATIN』では例えば林檎のパフェは普段ならあまり食べないけど、あの人が作る人ものなら食べてみたいなと思ってもらえたら嬉しいですね。
△林檎の香りが気になり、キッチンの冷蔵庫から見つけだした「林檎」。いざ香りを思い出そうとすると思い出せない。
大西 :
ちなみに林檎ってどういうイメージがありますか?
Srecette :
林檎は可愛くて、健康的、また身近なもので手頃な値段ですし、パクパク食べられるイメージがあると思います。
だからそんな見慣れた顔に「こんな顔があったの!?」と思って頂けたらいいですね。なので今回は季節的な意味合いも大きいのですが、林檎をタルトタタンにした時の風味の広がり方が凄く好きで、それをパフェで表現したいと思いました。基本は私はフルーツはフレッシュで美味しいものは、クリームとか何もつけないで食べたくて、ラフランスや桃に関しても包丁を入れると風味が少しだけ落ちると感じているので、皮をむいて丸ごと食べるのが好きですね。 でももし果実に手をかけるんだったら、フレッシュで食べる感じとは全然違う方法でその素材の良さを引き出したいと思っています。タタンだとしっかりそれが表現できているなと思っています。
大西 :
適切な表現かどうかは分からないですが・・・身近で素朴な女の子の夜の素顔をみたいという心理に近いものがありそうですね笑
Srecette :
笑”
それはあるかもしれないです笑”
タタンにすることで、味がギュッと凝縮されてフレッシュでは感じれなかった一面を感じられると思います。またギュッと凝縮された味もですが、じっくり時間と手間ををかけているので時間軸も凝縮されて一杯のパフェとして器にはいっています。2017年の1年間を頑張った自分へのご褒美パフェとして皆さんに食べて頂ければと思います。
『TATIN』が魅せる林檎の素顔
身近で特に意識をせずに食べることが多い「林檎」。
今回の「TATIN」はそんな林檎の知られざる素顔の魅力が凝縮され、緻密に計算された構成に林檎が際立っていました。
今回の「TATIN」はそんな林檎の知られざる素顔の魅力が凝縮され、緻密に計算された構成に林檎が際立っていました。
是非ご賞味ください!
srecetteが贈る
Special Parfait 10th【TATIN】
スライスして何層も重ねた紅玉に
じっくり火を通してキャラメル風味を纏わせ、
じっくり火を通してキャラメル風味を纏わせ、
アッサムティーアイスクリームを合わせました。
紅玉のメレンゲを挟みながら食べ進めると、
キャラメルアーモンドアイスクリームと
カシスソルベで味わいの深さが増します。
クレームシャンティ、紅玉のジュレ、
キャラメルクレームシャンティなども合わせた
風味豊かなパフェです。
下記6日間限定での提供となります、皆さまの御来店お待ちしています。
提供日:11/12(日)、11/18(土)、11/19(日)、11/25(土)、11/26(日)、12/2(土)
土 10:00〜22:00(L.o21:00)
日 10:00〜20:00(L.o19:00)
※各日数量限定、完売次第終了
【Srecette】
都内2店舗のパティスリーにてパティシエとして勤務後、 2012年からFabCafeのスイーツを担当する。
カフェの枠を超えたケーキの在り方を考え、「おかしは幸せのかたまり。カフェでも心に響くスイーツを。」をモットーに提供。季節ごとに期間限定のパフェFabパフェを手がける。
都内2店舗のパティスリーにてパティシエとして勤務後、 2012年からFabCafeのスイーツを担当する。
カフェの枠を超えたケーキの在り方を考え、「おかしは幸せのかたまり。カフェでも心に響くスイーツを。」をモットーに提供。季節ごとに期間限定のパフェFabパフェを手がける。
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FabCafe編集部
FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。
この記事に関するご意見やご感想は、ぜひお気軽にこちらからお寄せください。
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