こんにちは。FabCafe Chibaです。私たちは、2026年6月1日、千葉市中央区・亥鼻公園内の公共施設「いのはな亭」において、茶店スペースを活用してオープンしました。

千葉のまちの始まりの地ともいわれる千葉市中央区亥鼻に位置する亥鼻公園は、1126年に千葉常重がこの地に本拠を構えたという伝承が残り、古くから千葉ゆかりの場所として親しまれてきました。

いのはな亭は、1981年に亥鼻公園内に建てられて以来、茶屋や集会所として地域の方々に利用されてきました。お茶の稽古、茶会・歌会、勉強会や地域の集まり。庭を眺めながら過ごす時間や、人と人が集う場を、長く受け止めてきた場所です。
様々な人と場所の縁に巡り合い、2026年、千葉開府900年の節目に、いのはな亭にFabCafe Chibaが仲間入りし、新たな歩みを始めました。これまでいのはな亭が担ってきた役割を大切にしながら、「千葉を嗜む」を合言葉に、千葉ゆかりのモノや人と出会える機会をつくること。
そして、FabCafeが培ってきた「つくるを楽しむ」Fabの精神を持ち込んで、「こんなひとときがあったらいいな」を自分たちで自然とつくっちゃうまちの景色が生まれることに挑戦していきたいと思っています。

FabCafe Chibaでは「千葉を嗜む」を合言葉に、地元の焙煎所や茶屋、千葉の様々な地域の食材や商品を探し出し、提供しています。
例えば、コーヒーは、千葉駅前の小さな焙煎所「豆NAKANO」から仕入れた焙煎豆を使用。抹茶は、千葉市の蘇我に本店を構える日本茶屋「鈴鹿園」が厳選する特選抹茶を使っています。オリジナルのはちみつパウンドケーキは、千葉の九十九里でつくられたオーガニックはちみつを取り入れるなど、千葉市内に限らず、千葉全域の選りすぐりの「推し」を活用しています。
食べること、飲むこと。FabCafe Chibaでの「美味しい」から始まる出会いが、「次は千葉駅の豆NAKANOに寄ってみようかな」「鈴鹿園でお茶買ってみようかな」。といった、「いつか行ってみたいと思う場所」が千葉の中で増えていくことに繋がったらいいな。と思いながら、ひとつずつ心を込めて提供しています。

一方、いのはな亭が始まってから40年間愛され続けてきた、千城台の和菓子屋「しんかね」がつくる「名物 いのはな団子」や水饅頭なども継承し、販売しています。 (※お団子は週末のみ販売)
新しいお店になることで、全てを新しくする必要はない。いいものは継続して取り入れていく。そんな姿勢を飲食体験の中でも大切にしたいと思っています
もう一つ、私たちが力をいれているのが、「お土産」です。千葉の様々な地域で発見したクリエイティブな地場モノを、「ぢばみやげ」と称して取り扱い、販売しています。
例えば、落花生発祥の地、千葉県山武市にファクトリーを構える「HAPPY NUTS DAY」がつくる、ピーナッツバター。千葉県産落花生と甜菜糖と塩。極めてシンプルな材料と、太陽光発電のエネルギーを借りてつくられた、やさしい製品です。「ナッツ」はスラングでしょーもないという意味。「ピーナッツバターで世界は変えられないけど、しょーもない1日をピーナッツバターでほんの一瞬だけハッピーにすることはできるんじゃないか」という思いから付けられた「HAPPY NUTS DAY」というネーミング通り、とにかく美味しい一品です。
他にも、千葉県館山市で出会った、小さな蒸留所で作られたクラフトジンを使った琥珀糖(こはくとう)。加曽利貝塚の縄文時代の暮らしに倣った、千葉産のどんぐりをつかったどんぐりクッキーなど、どれもこれも、千葉で生まれた、いつまでも聞いてたのしい物語とものづくりの工夫に溢れたモノばかりです。
お土産をもらった人のなかで、「つぎはこの土産物が生まれた場所に訪れてみたい」という人たちがうっかり現れることを密かに期待しています笑。
いいモノづくりは、別の誰かの好奇心を刺激する。もう一度食べてみたい、行ってみたい、出会ってみたい、作ってみたい。そんなウズウズをツンツンするモノたちとの出会いを取り揃えています。
もうひとつ、FabCafe Chibaが大切にするのは、既存の場所やものを単に新しいものへ置き換えるのではなく、その背景や記憶を読み解きながら、新たな用途や意味を与えていくことです。
いのはな亭は、1981年に建てられて以来、茶店や集会所として地域の人々に親しまれてきました。敷地内には、数寄屋造りの趣を持つ集会所もあり、茶の湯の文化に通じる「見立て」や「近くにあるものを生かす」感覚が息づいています。
FabCafe Chibaでは、こうした場所の文脈を受け継ぎながら、家具や什器、器などにも既存のものや地域で見つけたものを活用します。捨てられそうなもの、見過ごされてきたものに新しい役割を見出し、編集し直す。その実践を通じて、まちの資源を創造的に利活用し、新たな価値として提案していきます。
たとえば、行き場を失った牛乳ケースやビート板を使ってつくった家具たち。建築材の色見本のサンプル板を活用したお盆。芸術祭で使われた端材を再活用してつくったコースターなど。これまでの「用途」や「機能」をいちどほぐして素材に戻し、別の用途や機能で利用されるようにつくりかえる。
この考え方と実践を、FabCafe Chibaでは「transpossé(トランスポッセ)」という造語で表現しています。既存のものを置き換え、読み替える「transpose」と、仲間や集団を意味する「posse」を掛け合わせた言葉です。空間、もの、文化、営みを再解釈し、地域の仲間たちとともに新たな関係性へつなぎ直していく姿勢を込めています。
亥鼻エリアは、歴史的・文化的な資源が集中する貴重なエリアである一方、近年は空き店舗の増加や、経年劣化した公共施設の見直しなど、地域のにぎわいや人が集う場のあり方を見直す必要が生まれてきています。FabCafe Chibaでは、カフェ、ショップ、展示、マルシェ、ミートアップ、ワークショップなどの活動を通じて、既存の都市資産を新しいかたちで活用し、新しい日常をつくりつづける創造拠点をめざします。
将来的には、いのはな亭を起点に、周辺の空き店舗や文化施設、制作・展示・滞在・遊びの場などとつながりながら、亥鼻エリア全体をひとつの創造的なネットワークとして育てていくことも視野に入れています。この構想は、グローバル化によって世界中に分散した生産・消費・廃棄のサイクルを、再び地域コミュニティの手に取り戻すことを目指す「FabCity構想」にも通じています。
こうした未来を妄想しながら、毎日カフェをオープンしています。ぜひ、まずはFabCafe Chibaに遊びにきてください。待ってます!









