Exhibition

AI-ダダ 第二期: Weaving the Landscape〜織り交ざるランドスケープ

FabCafe Tokyo Creative Residency 成果展

  • #参加受付中

表現ジャンルの境界を超えて挑戦する次世代のアーティストを支援する、FabCafe Tokyo Creative Residensyプログラムの成果展を開催。AIなどのテクノロジーと自然、アートとの協働によって、日常空間に不可視のランドスケープを立ち上がらせます。1月23日(金)夜に、レセプションパーティも開催。

2026.1.19 (月) – 2026.1.26 (月)  UTC+09:00

10:00 – 20:00

2026.1.23 (金)  UTC+09:00

19:00 – 21:00 レセプションパーティ

FabCafe Tokyo | Google mapで開く

Free *入店時にドリンクかフードをご注文ください

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不可視の世界に手触りを与えるAIとの遊戯。市川大翔、武信朱璃による実験成果を展示

私たちが無意識にやり過ごしている、あるいは人間の視覚で捉えられない自然現象の中には、息を呑むような美しさや知的好奇心を刺激する景色が、数多く秘められています。

本企画展では、こうした「物理的に存在するが知覚できない」不可視のランドスケープを、カフェという日常的な空間において実像として立ち上がらせながら、鑑賞者の感覚を揺さぶる試みを展開します。

第二期となる「AI-ダダ」プログラムでは、アーティスト 市川大翔と武信朱璃が、それぞれ造形の手業とデジタルによるものづくり、AIとの対話的なプロセスを掛け合わせながら、思索的な作品制作を行いました。

自然・テクノロジー・アートの協働を再構築しながら、世界に未知なる美を開く彼らの挑戦を、ぜひ体験してください。

プロジェクト

市川大翔 《False Texture》

本作は、ネオン管などの放電現象や光の屈折といったアナログの物理現象を実際に出力する装置と、それらを模して生成されたデジタルデータや造作物を重ね合わせたインスタレーション。
放電を思わせる線や、偏光板の屈折がCGのように見える現象、さらにそれらのグラデーションをもとに生成されたAI画像など、アナログとデジタルの起源が交錯する複数の層がコラージュされている。

私たちは過度にデジタル化された環境のなかに生きながらも、AIによる生成物に対して、なお微妙な「質感の違和感」を感覚的に見分けている。デジタルで再現された線の揺れや光の振る舞いは、生身の身体感覚によってはじめて判断される。一方で、デジタル的な表現が現実空間に現れたとき、その交錯した感覚は独特のリアリティを帯びる。

本作は、アナログとデジタル、生成と現象、そのどちらが先行するのかを曖昧にする感覚のトロンプルイユを通じて、AI時代における私たちの感覚の機微をあらためて呼び起こすことを試みる。

*写真は過去に制作した作品です。本企画展では、新作を発表します。

 

武信朱璃 《2025-12-23 Shibuya》

本作は、人間の知覚では捉えきれない不可視の情報が『像』として立ち上がる過程を探る試みである。

赤外線(IR)撮影によって記録された可視光域外のノイズ画像を入力に用い、撮影時の時空間情報をパラメータとしてAI生成を行う。IRフィルターは、人間の視覚から切り離された情報を取得するための装置とし、可視化される以前の「残差」や「予兆」を捉えることを目的としている。また時空間情報は、無限に拡散しうる生成プロセスを特定の瞬間と場所に繋ぎ止める一種のアンカーとして機能する。

ノイズを種として像が生成される過程は、非実体的な東洋思想や、量子力学、脳細胞の活動におけるゆらぎと類似した構造を持っており、いずれも無限の可能性を含む「ゆらぎ」が、観測などによって一つの現象へ相対的に収束するプロセスである。

本作でのAIは人間とは異なる条件の観測装置として機能する。肉体を持たず無数の可能性が重なり合うAIに、物理的な身体では捉えきれない領域を演算させ、人間原理の外側にある像を強制的に収束させる。身体、IR装置、アルゴリズムという異なる観測系が交差する地点に一時的に立ち上がった現象を通して、可視と不可視、意味と非意味の境界(閾)そのものを露出させる装置である。

*写真は過去に制作した作品です。本企画展では、新作を発表します。

1月23日(金)夜、レセプションパーティ開催

1月23日(金)19:00〜21:00、レセプションパーティを行います。作品の紹介や交流会などを予定してます。ぜひ足を運んでください。

  • 市川大翔

    アーティスト / デザイナー

    1991年、東京生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。
    主なメディウムであるネオン管を、特有の放電発光を内包する「現象の標本」としてとらえ、外形を形作るガラス工芸から、真空や電気などの科学技術のエンジニアリングまで一貫して手がける。近年の受賞歴に、2024年 / SICF25 EXHIBITION部門 廣川玉枝賞、2024年 / Brillia Art Award 2024 入選。

    1991年、東京生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。
    主なメディウムであるネオン管を、特有の放電発光を内包する「現象の標本」としてとらえ、外形を形作るガラス工芸から、真空や電気などの科学技術のエンジニアリングまで一貫して手がける。近年の受賞歴に、2024年 / SICF25 EXHIBITION部門 廣川玉枝賞、2024年 / Brillia Art Award 2024 入選。

  • 武信朱璃

    アーティスト/東京を拠点に活動中。
    東京藝術大学絵画科油画専攻卒業
    東京藝術大学大学院美術研究科修士課程在籍

    幼少期のいわゆる怪奇体験を契機に、不可視の領域や境界について思考を続けてきた。私の制作は、哲学・宗教・民俗・科学などを横断しながら、人間の知覚が捉えきれない領域へのアクセスを試みる実験である。自我や物質、作家性といった属性を解体し、自己を観測のための装置として扱う。ノイズやエラー、身体を媒介とした出力は、私たちが「世界」と呼ぶ構造と、不可視が立ち上がる閾を疑似的に可視化するための試行である。

    幼少期のいわゆる怪奇体験を契機に、不可視の領域や境界について思考を続けてきた。私の制作は、哲学・宗教・民俗・科学などを横断しながら、人間の知覚が捉えきれない領域へのアクセスを試みる実験である。自我や物質、作家性といった属性を解体し、自己を観測のための装置として扱う。ノイズやエラー、身体を媒介とした出力は、私たちが「世界」と呼ぶ構造と、不可視が立ち上がる閾を疑似的に可視化するための試行である。


FabCafe Tokyo Creative Residencyとは

FabCafe Tokyoが提供するアーティストインレジデンスプログラム。表現ジャンルの境界線を超え、デジタルとアナログを横断し次世代のイノベーションを創出する取り組みを支援します。 東京・渋谷を拠点とするFabCafe Tokyoの持つグローバルコミュニティや設備を介して、参加アーティストの新たな挑戦や表現方法を探究をする場を設けます。

プログラムテーマ「AI- ダダ」について

AIは私たちの日常を徐々に揺るがす存在となりました。人々の意識の中でAIは多くの産業を加速させる一方、クリエイティブ業界に限って言えば、良くも悪くも賛否両論の議論を巻き起こしています。テーマ「AI-ダダ」は、この状況をダダイスムの精神で捉え、AIを「創造の道具」として、「破壊の道具」として、積極的に活用することを求めました。

Information

日時

2026.1.19 (月) – 2026.1.26 (月) 10:00 – 20:00 UTC+09:00
2026.1.23 (金) 19:00 – 21:00 レセプションパーティ UTC+09:00

会場

FabCafe Tokyo
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F

京王井の頭線 神泉駅 南口 徒歩3分
JR 渋谷駅 徒歩10分

03-6416-9190
Google mapで開く

参加費

Free *入店時にドリンクかフードをご注文ください

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