Exhibition

Exhibition – 鷲見友佑 「移送の庭先」

  • #開催終了
  • #入場無料

2024年2月12日(月/祝)〜2月25日(日)の約2週間にわたって、鷲見友佑の個展「移送の庭先」をクリエイティブレーベルNZR(Supported by Loftwork Inc.)の協力のもと開催します。

会期中の2024年2月12日(月/祝)19:00からは、アーティスト鷲見友佑と岡山県立美術館学芸員の伊澤文彦氏によるトークイベントも実施します。

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]、FabCafe Tokyo

2024.2.12 (月) (祝) – 2024.2.25 (日)  UTC+09:00

*FabCafe Tokyoの開館時間に準じます。(月-日曜 10:00-20:00)

FabCafe Tokyo | Google mapで開く

無料(座席を利用される場合はカフェメニューのご注文をお願いいたします。)

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開催終了

鷲見友佑は、「変身」をテーマにプラスチック製品を主な素材とした、装着可能な立体作品を制作・着用し、自らが生きる時代の「変身」の可能性を模索してきました。最近では、姿態が変化するのみならず、「変身」する主体が現実から非現実的ともいえる異なる場や状況へと運び移されることに着目し、制作・執筆の2つの側面から活動を展開しています。本展「移送の庭先」は、鷲見が新たに制作した立体・映像を、カフェの空間内に配置することを通して、「変身」における素材と造形の関係を、日常と地続きの視点から探る試みとなります。

登壇者:鷲見友佑×伊澤文彦(岡山県立美術館学芸員)
日時:2024年2月12日(月/祝)19:00〜
会場:FabCafe Tokyo(東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア 1F)
入場:ワンドリンク制
*事前予約不要

※本展では、鷲見友佑の最新作を展示。これらは過去作の紹介となります。

 

 

 

本作は、プラスチック製の洗濯バサミを分解、再構築し、熱加工を施すことで制作した立体作品である。洗濯バサミという日用品の材質と形状、その特徴を捉えつつ造形することを通して、日常の中に潜む非現実的な要素を増幅し可視化することを試みた。分解された洗濯バサミが蝟集し、溶解することで生まれる形態は、なにか未だ知らぬ生物の骨格のようにも見える。2021年に渋谷PARCOで展示した際は、壁面に設置するインスタレーション形式での発表を行った。また、映像作品《bind》で、本作は身につけられた状態で登場する。

本作は、55秒ループ再生・2画面同期型の映像作品である。画面内で佇む2名の人物は、それぞれ頭部、両腕、胴に、プラスチック製の造形物を身につけている。その造形物は、上述した洗濯バサミを素材とする《spin》に加え、カラーコーン、人工芝、単管カバーといった、大量生産された既製品・日用品を加工し繋ぎ合わせたものである。これらは、《spin》同様に、日常の中に潜む非現実的な要素の可視化を試みたものであり、身につけられた姿は現実離れした怪獣のようにも見える。しかし、その一方で巨大な造形物は、重力という地面に拘束するテンションを身体に課し、その内側には明らかに生身の肉体が存在していることがわかる。こうした本作では、現実に繋ぎ止められながら、虚構へと向かう拮抗した状態に「変身」の在り方を模索した。映像を表現媒体としたのは、その「変身」の瞬間における、ものと人を中心とする状況自体を記録し、表現する必要があった為である。2022年に大学院修了作品として発表を行った際は、55インチの有機ELモニター2台を横並びに設置し、展示上映を行った。

本作は、13分46秒・複数画面同期型の映像作品である。「ライトステージ」という大型の立体計測装置(3DCGスキャナ)を舞台に、私自身の身体がヴァーチャルへと移送されていく過程を、実際のスキャンの様子と生成されたCGモデルによって記録・表現した。現実での荷物の移送が、梱包と密接に結びついていることから、本作では着用を身体の梱包と置き換え、「変身=装い」の在り方を捉え直すことを試みた。その身体の梱包材として、梱包用ラップに加え、街中で見かけることの多い、黄色の発泡ポリエチレン製看板保護用カバーを使用した。映像を表現媒体とした理由は、「変身」の発生には、時間の経過や場の状況など、複合的な条件が必要とされ、それを記録し追体験することを意図した為である。2023年にTAV GALLERYで発表した際は、中央にプロジェクター、両側に有機ELディスプレイを配置し、3画面同期形式による展示上映を行った。また、本作の制作を経て、姿態が変化するのみならず、現実から異なる場へと運び移すことに着目した、私の独自の概念「移送性」に、自作の展開の可能性を感じている。

謝辞

本展の開催にあたり、ご協力いただいた方々に厚くお礼申し上げます。

撮影:石垣星児
音響:kengoshimiz
広報デザイン:森洋介
協力:秋山真樹子、伊澤文彦、佐藤恒夫、藤田卓見、松田宥人、室諭志、山野井千晶

  • 鷲見友佑

    1996年静岡県生まれ。幼い頃からの強い変身願望を原動力に、立体や映像の制作、テキストの執筆などを行い、自らが生きる時代の「変身」の可能性を模索している。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科ファッションコース卒業。同大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。現在、同大学美学美術史研究室教務補助員。主な展覧会に、「CONTENA」(TAV GALLERY、2023年)など。主なテキストに「着用と梱包ー自作《CONTENA》を起点に」(美史研ジャーナル18号、2023年)、「疾走する変身願望ー仮面ライダーとファッションー」(Fashion Tech News、2023年)など。音楽ジャケットの制作や、ファッションブランドとのコラボレーション、空間設計やワークショップなども行う。公益財団法人クマ財団 5期奨学生(2021年)、ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2022 野口玲一賞(2022年)。

    https://yusukewashimi.com/

    1996年静岡県生まれ。幼い頃からの強い変身願望を原動力に、立体や映像の制作、テキストの執筆などを行い、自らが生きる時代の「変身」の可能性を模索している。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科ファッションコース卒業。同大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。現在、同大学美学美術史研究室教務補助員。主な展覧会に、「CONTENA」(TAV GALLERY、2023年)など。主なテキストに「着用と梱包ー自作《CONTENA》を起点に」(美史研ジャーナル18号、2023年)、「疾走する変身願望ー仮面ライダーとファッションー」(Fashion Tech News、2023年)など。音楽ジャケットの制作や、ファッションブランドとのコラボレーション、空間設計やワークショップなども行う。公益財団法人クマ財団 5期奨学生(2021年)、ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2022 野口玲一賞(2022年)。

    https://yusukewashimi.com/

  • NZR

    NZR(ネジロ)は株式会社ロフトワークを母体とする、ユースカルチャーを牽引する若手クリエイターとともに活動する、ゆるやかな共同体です。個人の原体験や、そこから生まれる偏愛=ねじれた面白さを社会に伝え、インストールすることを掲げて、2023年5月から活動をスタート。

    NZR(ネジロ)は株式会社ロフトワークを母体とする、ユースカルチャーを牽引する若手クリエイターとともに活動する、ゆるやかな共同体です。個人の原体験や、そこから生まれる偏愛=ねじれた面白さを社会に伝え、インストールすることを掲げて、2023年5月から活動をスタート。

Information

日時

2024.2.12 (月) (祝) – 2024.2.25 (日) *FabCafe Tokyoの開館時間に準じます。(月-日曜 10:00-20:00) UTC+09:00

会場

FabCafe Tokyo
東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア1F

京王井の頭線 神泉駅 南口 徒歩3分
JR 渋谷駅 徒歩10分

03-6416-9190
Google mapで開く

参加費

無料(座席を利用される場合はカフェメニューのご注文をお願いいたします。)

開催終了

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