Event report

2016.1.24

飛騨の森でものづくりを考えるワークショップ vol.2 〜動く家具をつくろう!〜レポート

FabCafe Hida 編集部

こんにちは。2016年1月25日にバッタネイションの岩沢兄弟を迎えてFabCafe Hidaで行った、「動く家具」のワークショップレポートをお届けします!

当日は気温が下がり、とても寒い中でしたが、高山のゲストハウスを経営されている方や木工職人の方々にご参加いただき、中身の濃いアイデアセッションができました。

まずはバッタネイションの紹介からスタート。過去の作品事例とその考え方について説明。

動く屋台

動く屋台

彼らが手がけた空間プロデュースの例を説明。クリエイティブエージェンシーのLofwork柏の葉にあるオープンイノベーションラボKOILなどの事例を紹介。そして面白かったのはデイリーポータルZによる巨大ガチャガチャ企画。

他にはイベント什器の紹介飛騨の広葉樹でデザインした車輪がついた什器。ロゴのついたタペストリーを飾ればブランドロゴをどこでもスーイスイと移動できる。イベントでの色んな方のメディア取材などにもぴったりですね!これは実は組木の技術を活用して組まれており、簡単にばらせて小さく持ち運べます。今後、この什器は木の香りを放ちながら世界中の展示会を旅していきます。

ヒダクマのロゴタペストリーを飾った様子

組木を活用した足の部分

そんなバッタネイションさんと、今回は「家具が動いたら?」というテーマで考えていきました。

家具が動くということはどういうことか?という基本に立ち返るところからスタートし、日常生活の中でこんなものが動いたら便利じゃない?荷物運びが助かるよね?といったようなアイデアから、具体的にどういう形に落とし込めるのか、どう動くと機能的なのか?ということを兄の仁さんが絵を描きながら、皆で深めていきました。

一人の出したアイデアが色んな人の意見と融合し、組み立てられ、具体化していきます。

議論は止まることなく続きます。

こうして、たくさんのアイデアのエッセンスが出ました。そんな素敵なアイデアが今後、どういう作品に落とし込めるか、岩沢兄弟とヒダクマの挑戦は続きます。岩沢兄弟は今回の飛騨訪問で、他素材のメーカーも訪問し、木材との融合でどういうものができるのか、模索の旅を続けていきます。「動く家具」の今後、乞うご期待ください!

そして、皆さんも、普段これが動いたらいいと思っていた!こんな家具作って欲しい!なんてアイデアがあったら、ぜひお気軽にFacebookへ投稿するかメッセージください。一緒に”リフレーミング”しましょう!

最後に参加者の方からの感想を一部ご紹介。

「発想力が大事、柔らかい頭を持ちたい。」「作り手の話を直で聞けて良かった。」「FabCafeで今後作ることをしてみたい。」「普段は普通の物しか作らないから頭の体操になった。」

今後作りたいものとしては、「木のキャスター」、「二段ベッドの組み立てキット」などが挙がりました。


さて、ここで、彼らが手がけた日常づかいにオススメの家具をひとつご紹介。先ごろ渋谷ヒカリエで行われたJapan Brand Festivalでも、日本中の伝統作品を飾る支えとなったプロダクトなのですが、岩沢兄弟が飛騨の広葉樹を使い、組木の技術を応用してつくったテーブルの足。とても美しいですよね。

実はこれ、簡単に取り外しができて簡単に組めるから、収納場所をとらない。お客さんがたくさん来てテーブルが邪魔な時にちょちょいと端っこに片付けられるのです。

組み合わせた足の上には、円形や楕円形などガラスやアクリルのお好きなものを乗せるだけで簡単にテーブルになります。木目の美しさや触り心地の良さ、香り。生活の邪魔をしない控えめな存在。心からオススメの一品です!

さて、そんなバッタネイションを紹介している面白い記事をご紹介。

http://layout.net/space/battanation-kuukanux-04/

この記事では「良いアイデア、デザインはどのようにつくるの?」という問いに対し、「解決すべき本質的な軸を見出すための『リフレーミング力』が大切だと言う岩沢兄弟を紹介。そんなインタビューの一部を抜粋。

インタビュワー:「どのようなスタイルでものづくりを進めていくのでしょうか?」

例えるなら、検討違いのところに着地させることは目的ではなくて、サイズやフレームをゴムのように伸ばして考えることは意識しますね。」

「意外に煮詰まったときにこそ新しいアイデアが生まれるチャンスだと思っています。煮詰まって何も進まないってなったときに、そういう場でこそ誰もが言わなさそうな「もういっそ、やめちゃいます?」みたいなことを言うと、突然誰かがそのプロジェクトへの愛情を話しだすことがあるんですよ。実はこれにはこういう思い入れがあって、前身のサービスは……とかを語り始めると、これこそヒントなんです。ただ、本当に終わっちゃうと困るんで、そこらへんのさじ加減も大事ですね。」

バッタネイションのお二人といると、日常の瞬間瞬間を細かく丁寧に観察し、常識ではない方向性や別アングルから常に見ようとしているように感じます。思いついたことを口にして他の意見を取り込んでまたもんでみて、という繰り返しの作業が日課のよう。私がふと日常の疑問を口にすると、鮮やかな発想で返されるから、その時間がとっても楽しくなる。日常の一瞬からアイデアが紡ぎ出され、はっとした製品やサービスに結びつく、それは簡単なようで難しい、でもとっても大切なことだと感じます。

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