自律廻転 -Sar/on rails Exhibition-

3/26に開催した『廻転 -DIY Instrumental Performance』で演奏された森田了のSar/on railsを展示いたします。

新しい表現を探る個性豊かなプレイヤーたちの楽器と演奏法を拡張していくアプローチの面白さ・奥深さの体感を主軸として行われた廻転 -DIY Instrumental Performance。加工され、付け足され、それぞれにパーソナライズ＝DIYされた楽器によるライブパフォーマンスが繰り広げられました。中でも、森田了のSar/on railsは演奏者の行う反復動作から生まれる独特の没入感を体現させた作品です。
これを踏まえてこの度、マシンによる無人演奏という形での、アップデートされたSar/on railsが実地されます。
譜面ではなく暗譜を用いて演奏者にルールを課せて演奏が行われてきた本作でありますが、そこから更に、演奏者の取り除きが行われることとなります。人的介入のないそれに課された演奏は自律した楽器としての立ち位置が現れるのかもしれません。

なお、本展示では実際に来場者に試奏いただけるエリアも設けます。ぜひ、奏者としてマシンたちの演奏に加わってください。

展示期間中はYoutube Liveで配信中もおこないます。下記URLより視聴可能です。
https://youtu.be/rOdgl4DpdwU

ライブ 廻転 -DIY Instrumental Performance風景

Sar/on railsについて

Sar/on rails はインドネシアの⺠族音楽「ガムラン」の根底に存在する精神「ラサ」に着想を得た音楽作品。ガムランは、音響や独特な音階から得られる異国情緒に目が向きがちであるが、本作品ではガムランの楽器に共通する奏法に着目されます。ガムランを演奏する際の「音板を叩くと同時に一つ前に叩いた音を止める」という、動作を反復することから生まれる独特のフロー体験を試みる。また、演奏手法は譜面ではなく、作品の仕様・演奏 者に課されるルールが示された指示書に基づき、暗譜で行われます。

補足：ジャワガムランの楽器「サロン」の音板・消音用音板・トーラス型楽器台を用い、2 人の奏者と 1 人の交換手によって演奏される。楽器台は最小限の動作から「ラサ」を得るための構造として考えられたものである。作品の進行は指示書によって規定されており、奏者たちが指定された動作を繰り返しながら台の周りを移動する中で、交換手がアルゴリズムに基づいて音板を適宜交換することで音楽は進行し、妙味が生まれる。

作品ページ：https://morita-ryo.com/saronrails

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