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シリーズ|生物多様性と経済 Vol.1 多種共存の資本主義社会を予測する

ゲスト:広井良典(京都大学 教授)

  • #開催終了

社会背景を踏まえて、多種共生のデザインがどのように経済活動と結びついていくのか、また、どのように評価しうるのか、今後の可能性を探るトークシリーズ。初回のゲストは京都大学教授であり、次期生物多様性国家戦略委員も務める広井良典さんです。公共政策と科学哲学の視点から、生物多様性と持続可能な経済活動の接点や可能性についてディスカッションします。

2023.7.4 (火)  UTC+09:00

18:00 – 19:30 開場17:30

FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO) | Google mapで開く

40名

無料 別途、カフェにて1ドリンクをご注文ください。

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開催終了

お申し込みは、FabCafeの運営会社であるロフトワークのウェブサイトに遷移します。申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。

環境問題において、脱炭素を進めて温室効果ガスの排出を削減することで、温暖化を防止しようという動きは加速しているものの、生物多様性の課題についてはプラネタリーバウンダリー(※1)でも指摘されているように、最も深刻な問題のひとつ(1970年代から30年間で全生物の68%が絶滅、今も1日100種類以上の生物が絶滅しつづけている)であるにも関わらず、数値目標が設定しずらく、経済活動に結びつきにくい現状があります。

一方で、国際社会においては自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD ※2)の設立や30by30(※3)などの目標達成に向けたより実践的な動きが、また経済界では自然資本という考え方の広がりや、インパクト投資市場の拡大などが進みつつあります。

SPCSは、これまでのような、自然を一方的にコントロールしようとしないデザインにこそ、クリエイティブな余白が広がっており、かつ、多種共生で需要性の高い社会につながると信じて活動しており、生物多様性と経済活動を結びつけた活動が評価されていくという流れが世界的に生まれていくと予想しています。そこで、この「生物多様性と経済」のシリーズでは、社会背景を踏まえて、多種共生のデザインがどのように経済活動と結びついていくのか、また、どのように評価しうるのか、今後の可能性を探ります

イベントでは、毎回お迎えするゲストとともに、過去の経済・政治の歴史や、国内外の政策方針を踏まえたうえで、今後の経済活動がどのように変わっていくのか分析・展望するとともに、自然資本やインパクト投資の潮流、さらに、テクノロジーやデザインによるデータの可視化/サービス化などを通して、自ら指標を提示しながら社会に働きかけている動きなどを紹介していきます。自然共生と経済活動の両立させるべく奮闘する方々同士の経験や知識を共有し合い、パートナー醸成の場ともなるよう、オンサイトで実施します。ぜひお誘い合わせの上ご参加ください。

※1:ストックホルム・レジリエンス・センターの環境学者ヨハン・ロックストロームらによって2009年に提唱された人類が生存できる安全な活動領域とその限界点を定義する概念。この中で、生物多様性については既に限界値を超えていると指摘された。
※2:自然に関する企業のリスク管理と開示の枠組みを構築するために設立され、各国の大手事業会社や金融機関を中心とした企業・機関・団体等が参加する国際組織
※3:2030年までに国土の30%以上を 自然環境エリアとして保全するという、2021年G7サミットで約束された目標。日本では環境省を中心に具体施策が進められている。

  • Vol.1 多種共存の資本主義社会を予測する(7/4開催)
  • Vol.2 生物多様性と循環経済の接続
  • Vol.3 インパクト投資/ESG投資と自然資本
  • Vol.4 データの可視化と価値提案
  • Vol.5 環境価値の視点転換、人間/非人間の線引きのデザイン
  • Vol.6 新たな価値交換ツールとテクノロジー

初回のゲストは、京都大学「人と社会の未来研究院」教授の広井良典さん。公共政策と科学哲学を専攻する中で、20年以上に渡り一貫して「定常型社会=持続可能な福祉社会」を提唱し続けています。また、2023年4月に「科学と資本主義の未来」という新刊の中では、経済成長や生産性、効率化といった従来の経済指標と、ウェルビーイングや持続可能性といった新たな価値観のパラドックスを指摘した上で、社会全体として資本主義の形が物質的生産の量的拡大から精神的・文化的発展へ移行していくと予想しています。

環境省が主催する「次期生物多様性国家戦略研究会」の委員でもあり、生態系との関わりを探究すべく自ら10年にわたって「鎮守の森コミュニティ・プロジェクト」を実践している広井さん。日本独自の自然観や生態系デザインを見直すことや「文化」というものが、今後の経済のあり方を創造するうえで重要なことだと指摘します。

イベントでは、生物多様性と持続可能な経済活動の接点や可能性について、具体的なトピックに進む最初の一歩として、広井さんの過去の研究や実践を踏まえたうえで、今起きているさまざまな事象をつなげながらディスカッションします。

広井さんが2023年4月に出版した「科学と資本主義の未来 <せめぎ合いの時代>を超えて」(東洋経済新報社)

  • 自社事業のインパクト指標や評価方法をデザインしている新規事業担当者、ESG担当者
  • 企業のパーパス策定に関わる経営企画の担当者
  • 循環型の経済システム構築に関わる行政担当者
  • サステナブルなサービス/プロダクトデザインに取り組むクリエイターやデザイナー

SPCS|自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ

マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。時に厄介者やエラーと扱われる自然の力を肯定的に捉え、遊び、クリエイティブに生かす器をデザインすべく、プロトタイピングしながら自然のアンコントローラビリティを探究する活動体。自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させ、価値観や手法をアップデートさせるべく、領域横断の実験を行っています。

日時
2023年7月4日(火)18:00-19:30

会場
FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)
〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554
■電車でのアクセス
JR京都駅から徒歩20分
京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分
阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分
京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分
■バスでのアクセス
京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3

※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください
Google mapで開く

参加費
無料(別途、カフェにて1ドリンクをご注文ください。)

定員
40名 

主催
SPCS(株式会社ロフトワーク)

ご注意 

  • 申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。
  • 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日loftwork.com/FabCafe Kyotoのウェブサイトに掲載する場合があります
  • プログラムは、予告なく変更される場合があります。

Speaker

  • 広井 良典

    京都大学, 人と社会の未来研究院 教授

    1961年岡山市生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院修士課程修了後、厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授をへて2016年より現職。この間2001-02年MIT(マサチューセッツ工科大学)客員研究員。専攻は公共政策及び科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を提唱している。『日本の社会保障』(岩波新書)でエコノミスト賞、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で大仏次郎論壇賞受賞。他に『ポスト資本主義』(岩波新書)、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)など著書多数。内閣府・幸福度に関する研究会委員、国土交通省・国土審議会専門委員、環境省・次期生物多様性国家戦略研究会委員等を務める。

    1961年岡山市生まれ。東京大学教養学部卒業、同大学院修士課程修了後、厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授をへて2016年より現職。この間2001-02年MIT(マサチューセッツ工科大学)客員研究員。専攻は公共政策及び科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を提唱している。『日本の社会保障』(岩波新書)でエコノミスト賞、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で大仏次郎論壇賞受賞。他に『ポスト資本主義』(岩波新書)、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社)など著書多数。内閣府・幸福度に関する研究会委員、国土交通省・国土審議会専門委員、環境省・次期生物多様性国家戦略研究会委員等を務める。

  • 浦野 奈美

    SPCS / FabCafe Kyoto

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

Organizers

Program

18:00-18:05

イントロダクション

18:05-18:25

価値軸が変わる資本主義社会

  • 京都大学 「人と社会の未来研究院」教授 広井良典さん
    • 超効率化・超情報化社会と循環社会、経済成長とウェルビーイングのパラドックス

    • 自己超越と環境問題の関連性

    • 科学と資本主義のこれから

    • 生物多様性と八百万の神と経済合理性

    • 人類史における第三の定常化

    • ディープタイムウォークについて
  • 18:25-19:00

    質疑応答、ディスカッション

    19:00-19:30

    交流会

    Information

    日時

    2023.7.4 (火) 18:00 – 19:30 開場17:30 UTC+09:00

    会場

    FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)
    〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554

    ■電車でのアクセス
    JR京都駅から徒歩20分
    京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分
    阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分
    京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分

    ■バスでのアクセス
    京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3分

    ※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。
    Google mapで開く

    参加費

    無料 別途、カフェにて1ドリンクをご注文ください。

    定員

    40名

    オーガナイザー

    主催: SPCS(株式会社ロフトワーク)

    開催終了

    お申し込みは、FabCafeの運営会社であるロフトワークのウェブサイトに遷移します。申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。

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