SPCS|スピーシーズ バイオロジカルデザインを探求するコミュニティ

コントロールできない生態系のメカニズムを探究し、創造的な共創関係を探究するコミュニティ。異なるフィールドの講師とのワークショップ、個人/団体の実験的なプロジェクトなど、自然科学、デザイン、アート、エンジニアリング、文化などが複合的に混ざり合った活動が展開中。

私たちは、福島第一原発の爆発やコロナウィルスによる世界的なパンデミックを経験し、目に見えない相手と対峙する難しさを痛感しました。一方で、マイクロバイオームや発酵ブームにも見られるように、ウィルスや細菌、カビなどの微生物は昔から私たちの一番身近なものであるにもかかわらず、まだ科学で解明されていないことが多く、私たちを魅了し続けています。

たとえば、ムラサキ貝の開閉がどんな最新センサーよりも水質汚染の状態を検知できるという性質を生かして作られたニューヨークの浮き桟橋や、蚕の遺伝子にインプットされた動きによって作られたパビリオンのように、私たちは、自然を観察し積極的に関わることで、新たなクリエイションを生み出してきました。

近年、ポスト人間中心デザインやマルチスピーシーズといった言葉に現れているように、人間と人間以外の生命や環境との関わりという視点で世界を捉えようとする考え方が注目されています。自然の一部としての人間の営みをデザインしていくためには、自然と協働して何かを創り出す活動がポイントとなりそうです。

日頃から自然科学に関わっていない人にしてみれば、バイオやウィルス、放射線といった言葉を聞いた瞬間に「専門家が考えること」として距離を置いてしまうこともあるのではないでしょうか。けれども、たとえば、30年前はヒトのゲノムを読むのに3000億円かかっていたのが今は10万円以下のコストでできるようになったように、生命科学技術が一般市民が実践できる段階になって久しいのも事実。放射線やウィルスも、もはや専門家だけが取り組む事象ではなく、私たち市民が個人単位で向き合い、それぞれの活動に取り込んでいくことができるものになっています。

私たちの身の回りの多くは見えないもの。科学という手段を用いながら、プロトタイピングを通じて、見えない生物や自然現象に積極的に働きかけることで、非人間中心的デザイン実践の入り口を探ろうというのが、SPCSの目的です。

インスピレーション1|
デビッド・ベンジャミンが主催する、ニューヨークを拠点に生物システムと建築材料の建築的応用を研究テーマとしているデザイン事務所、
The Livingのプロジェクト「Pier 35 EcoPark」。ムラサキ貝の性質を活用することで、水質を可視化し、水辺の生態系をリサーチ・再生させることに寄与した。


インスピレーション2|
たとえば、ポジティブエラーを制作手法に取り入れたデザインワークを行なっている吉田勝信。採集、デザイン、超特殊印刷を活動の領域とし「色を選ぶ→色を作る」プロジェクト「Foraged Colors」を行なっている。採集物から印刷インクを作り、現行の印刷機へのインストールを目指す。(現段階では活版印刷機まで通過。)また、福祉事業所とコラボレーションし表紙が全て手描きの冊子(1000部)など。豪雪地における雪掻きをいかに楽しむかといったように産業技術におけるアンコントローラブルな条件をいかに好意的に解釈するかが、これからのクリエイションのポイントになってくるはず。

  • シーズン毎に異なる講師とテーマのもと、プロトタイピングを通して、自然と人間の関係や、非人間主義デザインのアプローチを実践する。
  • シーズンごとの活動期間は1~3カ月で、頻度もテーマに応じて可変。
  • Design with Natureの実践の場として、必ず自然科学に関わるテーマを扱う。
  • 自然や環境と人間の関わり方をクリエイティブな方法で探ることに興味のある方
  • 自然と人間の関係をデザインしている、建築やメーカーの方
  • 自然現象から新たなインスピレーションを得たり、表現手法を開拓したいデザイナー、クリエイター
  • サーキュラーデザインに取り組んでいる企業の企画およびR&D担当の方
  • 生物学やバイオロジカルデザインに興味があるが、探求の仕方や一時情報の収集方法を学びたい方

主な活動内容

Outline

名称

コントロールできない生態系のメカニズムを探究し、創造的な共創関係を探究するコミュニティ。異なるフィールドの講師とのワークショップ、個人/団体の実験的なプロジェクトなど、自然科学、デザイン、アート、エンジニアリング、文化などが複合的に混ざり合った活動が展開中。

概要

SPCS|スピーシーズ バイオロジカルデザインを探求するコミュニティ

Members

  • 浦野 奈美

    株式会社ロフトワーク / FabCafe Kyoto
    マーケティング

    大学卒業後、ロフトワークにて総務一般を担当しながらビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2018年から京都に移籍。PR・マーケティング・採用を担当し、2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。FabCafeグローバルチームの活動発信や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

    大学卒業後、ロフトワークにて総務一般を担当しながらビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2018年から京都に移籍。PR・マーケティング・採用を担当し、2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。FabCafeグローバルチームの活動発信や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

  • 寺井 翔茉|Shoma Terai

    ロフトワーク京都ブランチ事業責任者

    2008年立命館大学経済学部卒、ロフトワークへ新卒入社。石垣島の魅力を世界のクリエイターと再発見する「USIO Design Project / ISHIGAKI NOW」や、大学Webサイトの存在意義を問い直すことをテーマにした立教大学公式Webサイトのリニューアル、100年先に向けた100のプロジェクトを生みだす実験区「100BANCH」の立ち上げなど、幅広い分野のプロジェクトマネジメントとクリエイティブディレクションを担当。
    素材とクリエイティブの出会いで新しいビジネスを生む「MTRL KYOTO」、テクノロジーとクリエイティブが交差する場「FabCafe Kyoto」を含めた「Loftwork Kyoto Branch」の事業責任者に2017年より就任。
    https://loftwork.com/jp/

    2008年立命館大学経済学部卒、ロフトワークへ新卒入社。石垣島の魅力を世界のクリエイターと再発見する「USIO Design Project / ISHIGAKI NOW」や、大学Webサイトの存在意義を問い直すことをテーマにした立教大学公式Webサイトのリニューアル、100年先に向けた100のプロジェクトを生みだす実験区「100BANCH」の立ち上げなど、幅広い分野のプロジェクトマネジメントとクリエイティブディレクションを担当。
    素材とクリエイティブの出会いで新しいビジネスを生む「MTRL KYOTO」、テクノロジーとクリエイティブが交差する場「FabCafe Kyoto」を含めた「Loftwork Kyoto Branch」の事業責任者に2017年より就任。
    https://loftwork.com/jp/

  • 木下 浩佑

    株式会社ロフトワーク / MTRL・FabCafe Kyoto
    マーケティング & プロデュース

    素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードに多様なクリエイター・研究者・企業が集うコミュニティ拠点「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。オンライン/オフラインのワークショップ運営や展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。
    https://loftwork.com/jp/people/kousuke_kinoshita

    素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードに多様なクリエイター・研究者・企業が集うコミュニティ拠点「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。オンライン/オフラインのワークショップ運営や展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。
    https://loftwork.com/jp/people/kousuke_kinoshita

  • Georg Tremmel

    アーティスト、BioClub Tokyoディレクター、東京芸術大学客員教授

    オーストリア出身のアーティストで、東京を拠点に活動。ウィーンとロンドンで生物学、情報学、メディアアートを学ぶ。2001年より、生物学、文化、倫理、社会の規範をテーマに、アーティスティック・リサーチ・フレームワークBCL福原志保とともに結成。議論可能なオブジェ、インスタレーション、シチュエーションを制作している。
    現在、ウィーン応用芸術大学の博士課程に在籍し、「Ludic Cultures, Biologial Interfaces and Non-Human Agencies」をテーマに研究している。また、早稲田大学岩崎秀雄研究室の生命をめぐる科学・思想・芸術に関わる表現・研究のプラットフォーム「metaPhorestの客員研究員、東京藝術大学の客員教授でもある。
    日本初のオープン・バイオラボ&バイオハッカースペースであるBioClub Tokyoの共同設立者であり、ディレクターを務めている。

    オーストリア出身のアーティストで、東京を拠点に活動。ウィーンとロンドンで生物学、情報学、メディアアートを学ぶ。2001年より、生物学、文化、倫理、社会の規範をテーマに、アーティスティック・リサーチ・フレームワークBCL福原志保とともに結成。議論可能なオブジェ、インスタレーション、シチュエーションを制作している。
    現在、ウィーン応用芸術大学の博士課程に在籍し、「Ludic Cultures, Biologial Interfaces and Non-Human Agencies」をテーマに研究している。また、早稲田大学岩崎秀雄研究室の生命をめぐる科学・思想・芸術に関わる表現・研究のプラットフォーム「metaPhorestの客員研究員、東京藝術大学の客員教授でもある。
    日本初のオープン・バイオラボ&バイオハッカースペースであるBioClub Tokyoの共同設立者であり、ディレクターを務めている。

  • 太田 陽介

    植彌加藤造園株式会社

    御用達として東本願寺・渉成園の担当を務める。渉成園内に息づく生物多様性を守るため、創意工夫を凝らしながら育成管理に励む傍らで、京都の景色に欠かせない東山の林相改善事業の整備や研究にも勤しむ。いきもの全般に愛着を持ち、生物の視点から庭を見ることに重きを置いて渉成園に携わる。自然界にあるものは「とりあえず何でも食べてみる」主義。

    御用達として東本願寺・渉成園の担当を務める。渉成園内に息づく生物多様性を守るため、創意工夫を凝らしながら育成管理に励む傍らで、京都の景色に欠かせない東山の林相改善事業の整備や研究にも勤しむ。いきもの全般に愛着を持ち、生物の視点から庭を見ることに重きを置いて渉成園に携わる。自然界にあるものは「とりあえず何でも食べてみる」主義。

  • 鷲田 悟志

    植彌加藤造園株式会社

    御用達として東本願寺・渉成園の担当を務める。理性を超えた芸術作品としての日本庭園の魅力に惹かれ、庭づくりに携わる職人。学びを深めた現代美術をバックボーンに、日本庭園と芸術・文人文化をより密につなげていくことを目標として日々の手入れに勤しんでいる。渉成園では、「五感を楽しむ庭ガイド」や「煎茶講座」の企画も担当している。

    御用達として東本願寺・渉成園の担当を務める。理性を超えた芸術作品としての日本庭園の魅力に惹かれ、庭づくりに携わる職人。学びを深めた現代美術をバックボーンに、日本庭園と芸術・文人文化をより密につなげていくことを目標として日々の手入れに勤しんでいる。渉成園では、「五感を楽しむ庭ガイド」や「煎茶講座」の企画も担当している。

  • 近藤 倫生

    東北大学大学院生命科学研究科 教授

    京都大学大学院理学研究科にて生態学を専攻。理論生態学分野での研究を推進。2018年、環境DNA学会を設立し初代学会長に着任。2019年、全国の産官学民の参加する環境DNAを利用した生物多様性観測網ANEMONEを立ち上げ主催。2022年、ANEMONE観測情報の公開データベースANEMONE DBを発表するとともに、データ活用と観測の発展を目指す産官学のANEMONEコンソーシアムを設立し代表に就任。あらゆる人々の参加する自然の自治管理システムのあり方を探っている。感情や共感の湧き上がる豊かな「パーソナルな世界」と客観性と批判精神で進むパワフルな「科学の世界」をどう結びつけるかが長年の課題。

    京都大学大学院理学研究科にて生態学を専攻。理論生態学分野での研究を推進。2018年、環境DNA学会を設立し初代学会長に着任。2019年、全国の産官学民の参加する環境DNAを利用した生物多様性観測網ANEMONEを立ち上げ主催。2022年、ANEMONE観測情報の公開データベースANEMONE DBを発表するとともに、データ活用と観測の発展を目指す産官学のANEMONEコンソーシアムを設立し代表に就任。あらゆる人々の参加する自然の自治管理システムのあり方を探っている。感情や共感の湧き上がる豊かな「パーソナルな世界」と客観性と批判精神で進むパワフルな「科学の世界」をどう結びつけるかが長年の課題。

  • はが みちこ

    アート・メディエーター

    1985年岡山県生まれ。2011年京都大学大学院修士課程修了(人間・環境学)。『美術手帖』第16回芸術評論募集にて「『二人の耕平』における愛」が佳作入選。主な企画・コーディネーションとして「THE BOX OF MEMORY-Yukio Fujimoto」(kumagusuku、2015)、「國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト」(2017〜)、菅かおる個展「光と海」(長性院、Gallery PARC、2019)など。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。浄土複合ライティング・スクール講師。

    1985年岡山県生まれ。2011年京都大学大学院修士課程修了(人間・環境学)。『美術手帖』第16回芸術評論募集にて「『二人の耕平』における愛」が佳作入選。主な企画・コーディネーションとして「THE BOX OF MEMORY-Yukio Fujimoto」(kumagusuku、2015)、「國府理「水中エンジン」再制作プロジェクト」(2017〜)、菅かおる個展「光と海」(長性院、Gallery PARC、2019)など。京都市立芸術大学芸術資源研究センター非常勤研究員。浄土複合ライティング・スクール講師。

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