Column

2023.1.16

「Fungicha(菌茶)」 キノコをとおして生態系とつながるプロジェクトが進行中

今FabCafe KyotoではFungicha(菌茶)というプロジェクトが進行中です。カフェの一角に、キノコのバイオラボが出現しています。この透明の箱全体がキノコを栽培するインキュベーター。すごい存在感です。

これは、ゲルゲイ・バルナと、トマ・オルティスの2人によるプロジェクトで、野生のキノコを採集・培養し、お茶として飲むことで自然との新たな繋がり方を実験しようというもの。というのも、日本に自生する野生のきのこは4000種以上とも言われていますが、私たちが一般に食用としているのはたった10種類程度。生態系にとって不可欠な役割を果たす野生のキノコを通して、生態系を身体化しようということ。彼らのステートメントは以下のとおり。

菌茶(Fungicha)
ゲルゲイ バルナ / トマ オルティス
Gergely Péter Barna / Thomas Ortiz

人類は自然を植民地化し、自分たちの利益のために生産的に利用する資源として見てきました。

キノコという一見単純な生物は、同時に、さまざまな生命体の間で栄養と情報を循環させる惑星規模のネットワークを作り出しているのです。

キノコ、この一見単純な生物は、同時に、様々な生命体の間で栄養と情報を循環させる惑星規模のネットワークを作り出しています。

私たちは、森(あるいは象徴的な場所)から種を採取し、その環境データとともに提供します。また、キノコのライフサイクルをその場で完全に統合し、より身近なものにするための栽培空間をデザインしました。IoTセンサーやオープンソースの力を借りて、最適化された栽培環境ではなく、自然の複雑なシステムや条件を模倣し、きのことの対話を実現します。

人間中心の尺度を、新たな原点にシフトさせたいと考えています。

研究者でありエンジニアでもあるふたり。菌床の活用や建材の開発にも一緒に取り組んでいた。

COUNTER POINTに参加する前、自宅でポップアップFungichaイベントをした際の様子

2022年12月3日、4日に開催されたOgaki Mini Maker Faireに出展。卓上のインキュベーターと攪拌マシンを展示しながら、活動をプレゼンテーションしました。

出展したOgaki Mini Maker Faireでは、キノコ茶をコールドブリューする攪拌機をデモンストレーション。一見ただの板なのに、磁気で攪拌され続ける様子に子供たちも目が釘付けになっていた。

2022年11月末には、植彌加藤造園の庭師、太田陽介さんの案内で、清水山へキノコを探しに散策。(太田さんは、清水山の手入れも行っている。太田さんの論文はこちらからどうぞ。)清水山の生態や課題などを聞きながら、檜に自生する野生の椎茸を発見しました。2022年12月からインキュベーターをFabCafe Kyotoに設置。現在は清水山で見つけた椎茸の菌を培養中。約3ヶ月間、彼らの活動が行われていきますので、続報をお楽しみに!

植彌加藤造園の太田さん(中央)の案内で、清水山に。太田さんは渉成園の御用庭師として、渉成園の借景である清水山の手入れも行いながら、山に多様性を取り戻す活動を続けている。 キャプション右:比較的多様性の少ない山とのことだったが、ハイキングコース沿いだけでも数種類のキノコを見つけた。

枯れた檜に生える椎茸。清水山は椎木が多く、椎茸が多いのだそう。

Fungichaは、生態系との新たな関係性を探るコミュニティ「SPCS」のコミュニティ活動に参加する形で、FabCafe Kyotoのプロジェクトインレジデンス「COUNTER POINT」の枠組みを活用して活動を展開しています。COUNTER POINTとSPCSに興味のある方は、ぜひお気軽にお声がけください。

  • COUNTER POINT|偏愛を社会に発信させるプロジェクトインレジデンス

    「COUNTER POINT」は、FabCafe Kyotoが提供するプロジェクト・イン・レジデンスのプログラムです。組織を頼らず自分たちの手で面白いことがしたい」「本業とは別に実現したいことがある」そんな好奇心と創造性に突き動かされたプロジェクトのための、3ヶ月限定の公開実験の場です。流浪する河原者たちが新しいスタイルの芸能”歌舞伎”を生み出した京都・鴨川の近く、築120年を超える古民家をリノベーションしたFabCafe Kyotoを舞台に、個人の衝動をベースにした新たなエコシステムの構築にチャレンジしています。
    >> COUNTER POINT関連記事・イベント一覧

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  • SPCS|自然のアンコントローラビリティを身体化し、新たな共創関係を探究するプログラム

    SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングを通して自然との共創関係を探る活動です。人間が操作できない自然の力をいかにポジティブに捉え直し、クリエイティブに生かすシステムをデザインできるか?をお題に、毎シーズンさまざまな領域の講師を迎えてワークを実施。自然を人為的にコントロールするのではなく、創造的なアプローチを探究しています。また、自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させるべく、プロトタイピングや、スペキュラティブなアウトプットにチャレンジしています。

     

    活動全体のコンセプト/過去の活動についてはこちら >>

    SPCS|スピーシーズ バイオロジカルデザインを探求するコミュニティ

    SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングを通して自然との共創関係を探る活動です。人間が操作できない自然の力をいかにポジティブに捉え直し、クリエイティブに生かすシステムをデザインできるか?をお題に、毎シーズンさまざまな領域の講師を迎えてワークを実施。自然を人為的にコントロールするのではなく、創造的なアプローチを探究しています。また、自身の好奇心や課題感と自然のメカニズムをリンク・身体化させるべく、プロトタイピングや、スペキュラティブなアウトプットにチャレンジしています。

     

    活動全体のコンセプト/過去の活動についてはこちら >>

    SPCS|スピーシーズ バイオロジカルデザインを探求するコミュニティ

Author

  • 浦野 奈美

    株式会社ロフトワーク / FabCafe Kyoto
    マーケティング

    大学卒業後、ロフトワークにて総務一般を担当しながらビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2018年から京都に移籍。PR・マーケティング・採用を担当し、2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。FabCafeグローバルチームの活動発信や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

    大学卒業後、ロフトワークにて総務一般を担当しながらビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2018年から京都に移籍。PR・マーケティング・採用を担当し、2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。FabCafeグローバルチームの活動発信や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

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