Talk Event

SPCS Talks vol.7 バイオ・デジタル・シティ ゲスト|Geomerce & City Bug

  • #開催終了
  • #英語で開催

2024年1月27日~2月4日に開催されるBANGKOK DESIGN WEEK 2024に際して、FabCafe Bangkokと実施するSPCS TALKS Vol.7。今回は、生物学とデジタル技術を融合させ、人間と自然の新しい共存のあり方を探索する2つのプロジェクトについて、それぞれのファウンダーたちに話を聞きます。完全オンラインのイベントです。ぜひお気軽にご参加ください。

2024.1.27 (土)  UTC-04:00

04:00 – 06:00

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開催終了

デジタル化の時代、仮想現実を機能させるために消費されている物質的資源の存在を、私たちはしばしば忘れてしまいます。私たちがデジタル世界を構築するために必要な機械には、電力が供給されているし、稼働させるためにはエネルギーが使われています。アウトプットは「デジタル」であっても、それを成り立たせるためには、「物質(=資源)」が消費されているのです。しかし、その存在は視界に入らないために、意識されにくいものなのでしょう。

それでは、多くの資源を必要とする無機物を人工的に生産せず、生物自体が持つ機能を活用するという方向に移行することはできないのでしょうか。たとえば、 コンピューターやデータセンターが金属ではなく植物で動き得るのでしょうか。あるいは、私たちの公園が、自らの余剰エネルギーを売ることで維持できるのでしょうか。

今回のSPCS TALKでは、生物学とデジタル技術を融合させ、人間と自然の新しい共存のあり方を探索する2つのプロジェクトのファウンダーたちに話を聞きます。今回のイベントは、2024年1月27日~2月4日に開催されるBANGKOK DESIGN WEEK 2024に際して、FabCafe Bangkokとの共催で実施します。

SPCS TALK Vol.7では、「Geomerce」と「City Bug」の2つのプロジェクトを紹介します。いずれも、植物と人間の新しい関係を探索する取り組みです。

植物は根を通して土壌から金属を吸収します。一部の植物は、生育する土壌から亜鉛、銅、ニッケルなどの特定の重金属を吸収し、葉に蓄積する能力に特に優れているといいます。それらの植物は高集積植物として知られています。蓄積された金属は、植物の葉を収穫し、バイオマスを燃やすことによって抽出することができ、このプロセスはファイトマイニングと呼ばれています。

この考え方を起点として、GeoMerceは農業の一般的な考え方を見直そうとしています。ファイトマイニングによって蓄積された重金属の多くはロンドン金属取引所のような国際市場に上場されているため、畑や作物は資本の供給源や貯蔵庫として金融資産となります。GeoMerceのインスタレーションでは、選ばれた植物の金属吸収プロセスが追跡されるとともに、植物に含まれる金属の量が、蓄積された金属のリアルタイムの価値と掛け合わされます。その結果、植物の価値は、金属の市場価値と植物の蓄積性能に応じて絶えず変化します。GeoMerceは、農業が金融と融合し、金融の変化と科学の進歩の両方に応じて農業の意思決定がなされるというシナリオを描こうとしているのです。

GeoMerceのインスタレーションは3つの要素から構成されており、そのうちのひとつは、化学的処理によって毛細血管系を可視化した金属を集積した植物の葉です。これによって、金属がどこに蓄積されているかを示し、植物と金属の直接的な関係を示しています。

都市における緑地は、住民の生活の質を向上させる上で極めて重要です。公害の削減から、コミュニティーの交流の場としての役割、精神的な健康の促進まで、緑地は最終的に地域の経済発展を高めることができるでしょう。 

しかしタイでは、公共スペースが本来奉仕すべきコミュニティから切り離されていることが多いという見方があります。コミュニティの関与がなければ、維持管理の負担は市民団体にのしかかり、空間の経済的持続可能性は低下してしまいます。

CITY BUGは、既存の技術を活用した自立型ユニットを開発することで、都市の緑地を強化することを目指しています。IoT技術を駆使したロボット・ポットで、植物の生育に不可欠な要素をコントロールすることで、自立的に収入を生み出す視覚的にも魅力的な緑地を作るというもの。ロボットの動力源となるのは、エナジーハーベスティング(環境発電。環境に存在するエネルギーを発電に活用しようというもの)という技術です。耕作放棄地や池、さらには運河のような利用されていない場所を、擬似的な緑の公共空間(ポップアップパーク)に変えることを目指しています。

さらに、緑地の社会的意義とライフスタイルニーズを両立させる持続可能な都市開発を促進すべく、環境情報を処理するQRデータベースシステムを通じて、植物学やテクノロジーに関する学習を促進する教育ツールとしての役割も果たそうとしています。

  • バイオフィリックデザインに関心を持ち、バイオベースのソリューションを探求する個人やデザイナー。
  • エネルギー消費と代替エネルギー源に関心のある研究者や企業の方
  • 都市計画や地域活性化の取り組みに携わる公務員、建築家、デベロッパーの方
  • サーキュラーデザインやネイチャーポジティブに取り組む方
  • 本プログラムは英語で開催します。
  • フォームからお申し込みいただくと、確認メールにて配信URLをお知らせします。
  • プログラムは、予告なく変更される場合があります。

Speakers

  • ジョバンニ・イネッラ/ Giovanni Innella

    VCUartsカタール 准教授

    ジョヴァンニ(1982年、トリノ生まれ)は、トリノ工科大学とデザインアカデミーアイントホーフェンで訓練を受け、最終的にノーサンブリア大学でPhDを取得したデザイナー、研究者、キュレーター。彼は国際的な展覧会やプロジェクトに参加し、アムステルダムのドローグ・ギャラリー、ミラノのトリエンナーレ、ロッテルダムのザ・ニュー・インスティテュートなどで展示とキュレーションを手がける。彼のプロジェクトはデザイン美術館デン・ボッシュとパリの美術プラスチック芸術センターのコレクションに収められている。また、学術と非学術の分野で執筆・出版し、東京やシカゴで教職を務めた経歴を持ち、現在はVCUarts Qatarの准教授として教鞭を執っている

    https://www.giovanniinnella.com/
    http://www.gionatagatto.com

    ジョヴァンニ(1982年、トリノ生まれ)は、トリノ工科大学とデザインアカデミーアイントホーフェンで訓練を受け、最終的にノーサンブリア大学でPhDを取得したデザイナー、研究者、キュレーター。彼は国際的な展覧会やプロジェクトに参加し、アムステルダムのドローグ・ギャラリー、ミラノのトリエンナーレ、ロッテルダムのザ・ニュー・インスティテュートなどで展示とキュレーションを手がける。彼のプロジェクトはデザイン美術館デン・ボッシュとパリの美術プラスチック芸術センターのコレクションに収められている。また、学術と非学術の分野で執筆・出版し、東京やシカゴで教職を務めた経歴を持ち、現在はVCUarts Qatarの准教授として教鞭を執っている

    https://www.giovanniinnella.com/
    http://www.gionatagatto.com

  • Kalaya Kovidvisith

    FabCafe Bangkok Co-founder

    FabCafe Bangkokの共同創設者であり、FABLAB Thailandのマネージング・ディレクター。マサチューセッツ工科大学(MIT)でデザインと計算の修士号を取得。デジタルファブリケーションとバイオテクノロジーがどのように産業界の関係の変化と強化を促し、次世代の新しいビジネスモデルを生み出すか、を研究テーマとしている。2015年のGlobal Entrepreneur Summit Delegate、2016年のAsia Pacific Weeks Berlinに参加。
    ■ 参考記事:なんでもハックするR&D拠点、FabCafe Bangkok ーサステナビリティに挑戦する最新プロジェクトを一挙紹介

    FabCafe Bangkokの共同創設者であり、FABLAB Thailandのマネージング・ディレクター。マサチューセッツ工科大学(MIT)でデザインと計算の修士号を取得。デジタルファブリケーションとバイオテクノロジーがどのように産業界の関係の変化と強化を促し、次世代の新しいビジネスモデルを生み出すか、を研究テーマとしている。2015年のGlobal Entrepreneur Summit Delegate、2016年のAsia Pacific Weeks Berlinに参加。
    ■ 参考記事:なんでもハックするR&D拠点、FabCafe Bangkok ーサステナビリティに挑戦する最新プロジェクトを一挙紹介

  • サラ・ホー

    株式会社ロフトワーク / FabCafe Kyoto
    マーケティング

    2016年シンガポール国立大学を卒業 (Communications and New Media 学士)し、シンガポールのエドテックのメーカースペースTinkertanker Pte Ltdにて、STEAMプログラムやキットを開発。2020年、東京の文化ファッション大学院大学に入学、ゼロウェイストパターンを研究した。
    教育と人をつなげることに熱意を持ち、2022年12月ロフトワーク京都入社。そのほか、ゼロウェイストシステムや、ものづくり、文化交流のための新しい媒体に興味を持つ。

    2016年シンガポール国立大学を卒業 (Communications and New Media 学士)し、シンガポールのエドテックのメーカースペースTinkertanker Pte Ltdにて、STEAMプログラムやキットを開発。2020年、東京の文化ファッション大学院大学に入学、ゼロウェイストパターンを研究した。
    教育と人をつなげることに熱意を持ち、2022年12月ロフトワーク京都入社。そのほか、ゼロウェイストシステムや、ものづくり、文化交流のための新しい媒体に興味を持つ。

オーガナイザー

Timetable

04:00 – 04:15

イントロダクション
- カラヤ・コヴィドヴィシス(FabCafe Bangkok、創設者)
- サラ・ホー(SPCS、モデレーター)

04:15 – 04:45

プレゼンテーション - Geomerce
- ジョバンニ・イネッラ(VCUartsカタール准教授)

04:45 – 05:15

プレゼンテーション - City Bug
- カラヤ・コヴィドヴィシット(FabCafe Bangkok共同設立者)

05:15 – 06:00

パネルディスカッション、質疑応答
- ジョバンニ・イネッラ
- カラヤ・コヴィドヴィシス
- サラ・ホー(SPCS、モデレーター)

Information

日時

2024.1.27 (土) 04:00 – 06:00 UTC-04:00

会場

Youtube

参加費

無料

オーガナイザー

共催: FabCafe Bangkok, SPCS

開催終了

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