Exhibition

新工芸舎 solo exhibition『新工芸展(店)』

『Kyoto Crafts Exhibition DIALOGUE 2022』サテライトプログラム

  • #開催終了
  • #入場無料

「”共生/再生”が前提となる時代の、ものと仕組みのデザインの実践」を主題に、3Dプリンターの技術を用いた新しいプロダクトやアイデアを体験できる展示企画です。

*本イベントは、2022年3月9日(水)-12(土)に開催される Kyoto Crafts Exhibition「DIALOGUE」の連動企画として実施されます。

2022.3.8 (火) – 2022.3.26 (土)  UTC+09:00

11:00 – 19:00 (日月曜 定休)

FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO) | Google mapで開く

無料( *カフェの座席をご利用の場合はご注文をお願いいたします。)

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開催終了

新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、ご参加に際しては下記をお願いしております。ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

・マスクをご着用のうえご来館ください。また、できる限り少人数でのご来館をお願いいたします。
・ご来館時、館内洗面所での手洗いをお願いいたします。
・体調がすぐれない場合は参加をご遠慮ください。
・政府および京都府・京都市から、店舗営業や開催について中止の要請を受けた場合、開催を中止する場合が生じます。

また、国際情勢の変動やその影響、物流の遅延などにより予告なくイベント開催期間を変更する場合がある旨、あわせてあらかじめご了承ください。

企画主旨

昨年2021年に開催され話題を呼んだ『Summon the new form !!!』- 新時代の「工芸家」たちによるグループ展』から1年、再び『新工芸舎』がFabCafe Kyoto に帰ってきます。

「工芸」と呼ばれるものづくりの営みとデジタルテクノロジーの関係性を探るにあたって、2021年はデジタルファブリケーションを用いた制作・表現における「工芸家的態度」にフォーカスしましたが、今年はもう一歩踏み込み、「”共生/再生”が前提となる時代の、ものと仕組みのデザインの実践」を主題に、プロダクトやアイデアを体験いただける機会として展示企画を実施します。ぜひ会場にてご覧ください。

こんな方におすすめ

・新しいプロダクトデザインのアプローチを模索している方
・持続可能な社会・産業における、3Dスキャニング&プリンティングテクノロジーの活用方法に関心がある方
・適量生産や廃棄物削減を可能にする、小規模な樹脂素材の再生・再利用システムに関心がある方
・「直しやすい」仕組みの製品づくりやビジネスモデルに可能性を感じている方

展示品・プロジェクト

  • 01 tilde
    tilde(チルダ)は熱溶解式3Dプリンタ(FDM)によって作られるプロダクトシリーズです。編むように樹脂を溶かして積み重ねることで、樹脂でありながらも温かく柔らかな表情を作り出すことができる特殊な技法”編み重ね”を用い、熱溶解式3Dプリント技術における実用性・審美性・生産性を兼ね備える技術的極大点を追求します。tildeは新工芸の着想を得るきっかけになったシリーズで、新工芸舎を象徴する特徴的なシリーズです。技術を見極めその技術に適した表現や技術を探るという所に本来的な工芸と変わりのない営みであることを感じています。

  • 02 nosemono
    石などの不定形な自然物を3Dスキャンし、その表面にぴったり合う形を3Dプリンタで制作することで、自然物に機能を“のせる”ことができる新しい考え方のプロダクトシリーズです。自然物を規格化された形に変形させてしまうのではなく、自然物そのままの形をよく観察し、その個性にふさわしい機能をそわせていくことで、それぞれが一点物として唯一無二の道具を生み出すことができます。

  • 03 Shippan Redesign
    京都の北大路にあるあかつき写房と共同で、170年前の技術である湿板写真をデジタルファブリケーションを用いて再設計し、現代の湿板写真を作るプロジェクトです。湿板写真は古典技法であるにも関わらず現代のデジタル写真と比較しても、それを凌駕するほどの解像度と質感を持ち合わせています。しかし古い機材の枯渇が深刻化し、このままでは技術や文化が途絶えてしまう危機にあります。本プロジェクトでは当時の機材をそのまま再現するのではなく、現代の加工技術やニーズに最適化された形態に再設計し、湿板写真を取り囲むエコシステムそのものをリデザインすることを目的にしています。

  • 04 Candy Cap
    全介助が必要な重度心身障害を持ったお子さんのお母さんである奥山梨衣さんが、使いやすくデザイン性の優れたグッズをオリジナルで制作、販売しているブランド「SKIP&CLAP」にて痰の吸引機と共に使う福祉用品を共に開発したプロジェクトです。1日に100回を超えるという痰の吸引作業に使うホースから垂れる痰をどうにか防ぎたいという奥山さんが手作りで製作されていたCandyCapを3Dプリンタで生産でき、かつさらに便利になるようにリデザインしました。今販売開始で即売り切れになってしまうほどの人気商品になっています。

05 竹ジョイント
建築家の大野宏さん、高野竹工さんとの出会いから始まったプロジェクトです。大阪万博公園で開催された「日本工芸産地博覧会」の竹組のモニュメントに使われる竹ジョイントを新工芸舎で設計しFDM3Dプリンタで生産しました。

06 花瓶生物
かつて亡き人に添えられていた埴輪をレゴブロックのような現代人が親しみやすい形にリデザインし、一輪挿しの機能を付加させたことで「花をいける」行為によって日常に潜む終わりを愛でてもらうことを目指した工芸品です。3Dプリンタで出力したものに漆塗りを施していることや、埴輪を一輪挿しというモダンなプロダクトに落とし込んだ背景には、「機械仕事と手仕事」「古代と現代」といったような片方が片方を制圧しない二項対立の間を探っている作者の制作理念があります。

07 樹脂の循環を目指して
新工芸舎の使う素材の多くは樹脂です。ご存知の通り、マイクロプラスチックや地球温暖化効果ガスの問題で取りざたされているように樹脂は多くの問題を持つ素材ですが、身の回りの多くの物を構成する非常に身近な素材でもあります。これだけ身近なものなのに我々は長らく樹脂を素材として捉えることができませんでした。樹脂を工芸的素材と捉えた時に、その循環する仕組みや、廃棄するのではなく素材として循環することで仕事を生み出し、樹脂をめぐるものづくりのエコシステムを生み出す必要があると感じました。最後にそのエコシステムに向けた新しいサービスの構想や具体的な試行錯誤についてご紹介します。[コラボレーション:「Precious Plastic ゴミから作る射出成形品」(松本恵里佳​​さん)、「廃棄物からフィラメントを作る」(小濱健さん)]

Statement(出展者より)

1⼈のデザイナーが1万⼈に対して物を作るのと、100⼈の⼯芸家がそれぞれ100⼈に対して物を作るのとどちらが“良い“と⾔えるでしょうか。
品質や効率を第⼀に考えれば圧倒的に前者でしょう。しかし例えば、アイデアを考え、⼿を動かし、形を与える⾏為⾃体に価値があるとすれば、後者の⽅がその機会の総量は多くなります。
経済的合理性を最優先に効率を追求した現代社会では、供給と消費が分断され、いつの間にか⾝の回りには⾼品質で⾼機能でしかも安価な、どのようにして作ったのか皆⽬見当のつかない物で溢れ、半ば諦めたように私たちはそれらの無数の商品の中から物を選ぶ⽣活をしています。

その現状に対し、3Dプリンタなどのデジタルファブリケーションツールは(特に樹脂においては)個⼈への技術の回帰、⽣産⼿段の⺠主化を実現しつつあります。その変化がもたらす⽂化的な意味合いや、人間個⼈の態度に現れるポジティブな変化について考えるため、”新工芸”という⾔葉を考案しました。すなわち巨⼤なシステムに依存せずとも、⼩さな個⼈や組織がものづくりを通して主体的に⽬前の課題に取り組み、素材と触れ合い、試⾏錯誤し、その先にものづくりを通して他者と繋がっていくという、工芸的なものづくりとの関わり⽅を新⼯芸の活動を通して実践したいと思っています。

新工芸展(店)は結成からおよそ2年が経った新工芸舎のこれまでとこれからを余す事なく紹介する展⽰会です。3Dプリンタの特性を⾒極め、技や表現を追求したオリジナル作品の他、様々な出会いから⽣まれたプロジェクト、樹脂の循環を⽬指した仕組みづくりなど、新工芸舎の多様な活動を展⽰します。
もし私達の活動に共感していただける⽅がいらっしゃれば、この展⽰会をきっかけに共に新工芸の世界を広げていただける仲間が増えれば幸いです。

  • 新工芸舎

    デザイン/エンジニアリング/ソフトウェア/エレクトロニクスなどの専門分化された分野の再統合を前提に、デジタル-アナログの境界を行き来しつつ表現活動や問題解決を行うことを新しい工芸と定義し、京都を拠点に様々な制作活動をする。特にデジタルファブリケーションを応用した新しい技術/技法の開発に日夜取り組み、社外と連携した開発案件を担当すると共に、近年ではFDM方式の3Dプリンタで造形する編みのような質感が特徴的な“tilde”シリーズを展開する。

    新工芸舎
    tilde

    デザイン/エンジニアリング/ソフトウェア/エレクトロニクスなどの専門分化された分野の再統合を前提に、デジタル-アナログの境界を行き来しつつ表現活動や問題解決を行うことを新しい工芸と定義し、京都を拠点に様々な制作活動をする。特にデジタルファブリケーションを応用した新しい技術/技法の開発に日夜取り組み、社外と連携した開発案件を担当すると共に、近年ではFDM方式の3Dプリンタで造形する編みのような質感が特徴的な“tilde”シリーズを展開する。

    新工芸舎
    tilde

Talk Radio「Material Meetup Cast」

本展示に関わるコラボレーターをゲストに迎えたトークを無料配信しています。

Workshop「新工芸入門 – のせ物ワークショップ –」

石などの不定形な自然物を3Dスキャンし、その表面にぴったり合う形を3Dプリントすることで、自然物に機能を“のせる”ことができる新しい考え方のプロダクトシリーズ<のせ物>をつくるハンズオン・ワークショップ。3Dプリンタを使ったことがない方も気軽にご参加いただけます。
詳細・お申込みについては下記よりご覧ください。

https://fabcafe.com/jp/events/kyoto/2203_shinkogei-ten-ws

本ワークショップのレポート記事を公開中です。ぜひご覧ください。>>>『たとえば、石が雲になること。


■ 会期:2022年3月9日(水)-12日(土)
■ メイン会場:hotel kanra kyoto
*来場方法・出展者など、詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。

工芸は、人々の暮らしと文化を支える道具として、時代を超え、職人たちのバトンによって繋ぎ作り続けられてきました。職人たちの技術は守るためだけのものではなく、常に世界中の様々な要素を取り入れ、分野を超えて芸術や産業を生み出しています。
DIALOGUEでは、社会が地球環境や多様性について学び、行動していくことが必然となっていく現在、多様な背景を持ち、地域や自然と共にあるものづくりを生み出す作り手たちの「言葉」を伝えること(伝わること)を大切にしています。
工芸や手仕事は、自然の中から素材を見つけ、道具を生み出し、長く使い続けるための知恵を持っています。そして、現在、自然環境と産業のより豊かな関係が生まれるプロジェクトや、社会福祉施設を通じて様々な形で障害を持つ方が多様な能力を生かして社会の中で輝く動きなど、新しい形のものづくりが生まれているのを見ることができます。
そんな次の100年に繋げていきたいものづくりへ眼差しを向け、対話によって生まれる新たな交流の場を作り手たちと共に作っていきます。(公式WEBサイトより)

共催:FabCafe Kyoto・新工芸舎

Information

日時

2022.3.8 (火) – 2022.3.26 (土) 11:00 – 19:00 (日月曜 定休) UTC+09:00

会場

FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)
〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554

■電車でのアクセス
JR京都駅から徒歩20分
京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分
阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分
京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分

■バスでのアクセス
京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3分

※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。
Google mapで開く

参加費

無料( *カフェの座席をご利用の場合はご注文をお願いいたします。)

オーガナイザー

開催終了

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