Sight / Insight -Interim Exhibition-

新たな光の見方を提示する表現の種を展示

本展示では、COUNTER POINT 13期で制作した《Sight / Insight》を展示します。

COUNTER POINTでは、街灯などの静的な光と車や自転車などの動的な光の組み合わさった京都の夜の場景の中から、人間の運動知覚と探索的行為から光の新しい見方を抽出し、光を見る意識を変容することを目的としたプロジェクトを行ってきました。本展示では、実際に夜の京都を観察してなにか形や動きに認知できるような光の集合を抽出してそれを小さなロボットとLEDライトで捨象した作品を展示します。今回は、プロジェクトの種となる表現を提示するため、”Interim Exhibition(経過展示)” として開催します。

京都の路上の光を捨象する

京都の路上の光を捨象する素となるのは、自転車や車、電車などで移動しているときに見る路上の光です。

▲ 自転車で移動している時に見る京都の路上の光

COUNTER POINTの期間中に、京都市内を自転車で走りながら記録を行いました。記録から何かの形や動きに認知できる部分を抽出して、小さなロボットトイのToioにLEDを装着して路上の光を捨象します。
また、個々の光の動きの変化だけではなく、人が移動することで生まれる光の集合の見かけの動きを再現するために、Toioが動く空間自体を動かす機構も制作しています。

▲ Toioが動く場を動かす機構のプロトタイプ

このように、路上の光の観察と、個々の光の動き/光の集合自体の見かけの動きの捨象を組み合わせることで、新しい光の見方を体感できる表現に落とし込みます。

Sight / Insight

暗い部屋に入ると、複数の小さなLEDの光点が動いている。光点に近づいたり遠ざかったり探索しながら観察してみると、光の集合から「何か」が見えてくる。

人間は、目で知覚した限られた情報を補完して、何らかのイメージを認知したり想起する事ができる。例えば、夜に歩行や自転車などで移動しているときに街灯や車などの光の集合を見ていると、ふとした瞬間に何か形や動きを認知することがある。本作品は、このような路上で動く光の集合を捨象する。そして捨象した光を探索・観察することで「何か」が見える新たな光の見方が形成される。

本作品の鑑賞を経て日常的な空間に戻ると、夜の路上を見るときに「何か」を見ようと探索するように意識が変容しているかもしれない。