していいシティ修了展示 Tuning Box -人々の調律を可視化するクリアボックス- 【COUNTER POINT】

生活における調律とは？

私たちは京都に滞在中、多くの人々の「居心地の良い状況（Tuned）」や「居心地の悪い状況（Untuned）」を集めて、実際にその場に訪れて自分たちも追体験しながら、その場の構成要素をアーカイブするという活動を行なってきました。当日はその活動報告と作品展示を行います。
他の人のディープなお気に入りスポット情報と、どのように調律に至ったのかを聞いて、新たな生活へのヒントを探ってみませんか？

なぜ調律に関心を持ったのか？

私たちが最初に京都を訪れてまちあるきをしている時、道端で老舗のたわし屋さんを発見しました。
「細かい作業、すごいな〜」とキャリーケースを持ちながら、商品に見惚れているその姿は”典型的な観光客”。私たちの姿を一瞥した職人さんは特に気にすることもなく、すぐ店の奥へ。その瞬間、私たちは越えられない壁のような、もどかしい隔たりを感じた気がしました。
人には、無意識のうちにそぐわない言動や、理解や文化の違いから、場を使いこなせない瞬間があるのではないでしょうか。私たちは場に紐づいた環境や人の条件を可視化することで、人が場を解釈して調律するためのきっかけを読み解きます。

とにかく様々な視点を集めてみる！

FabCafe KYOTOの一角にホワイトボードを設置し、掲示板のように誰でも付箋を書いて貼れるようにして「あなたのtuned-untunedな瞬間と場所を教えてください。」と呼びかけを行いました。すると、カフェに遊びに来た人や興味を持ってくれた人が、自分が居心地が悪いと感じた状況や、お気に入りのスポットなどをボード上に挙げてくれました。一週間後の4月9日にワークショップ「TUNE YOUR LIFE!-生活の調律をイメージしてみよう-」を実施した際には「場所のこんな使いこなし方があるんだ。」や「この調律の要因となったのは人ではないか。」といった議論が活発に起こりました。

ボトルを覗き込んで他人の生活に思いを馳せよう！

それらをもとに私たちは小さなボトルを持って、様々な人が挙げてくれた場所に実際に伺いながらその状況を追体験し、その場にあったものを閉じ込めるという手法を用いて、調律の可視化を試みました。ボトルの中には実際にその場所で採集されたものが入っているため、また軽く振りながら覗き込んでみることで、現場のリアルな情景を思い浮かべながら、他人の生活に思いを馳せることができます。

意識しない行動を促してみる

また、別のアプローチとして私たちはお手製のツールを用いてフィールドワークやリサーチを実施しました。調律のヒントを探るために、あえて自分たちの行動を制限してみることによる実験的なまちあるきを実践したのです。試作品を使ってみると、様々な修正点が見つかり、試行錯誤しながら改良版を作り上げました。当日はプレイスペースを設けて、これらのツールを実際に公開します。誰でも実際に触れるような展示なので、ぜひ手にとって遊んでみてください。もちろん、作品作りの過程や困難も公開したいと考えています。

行動を制限するチップをプロトタイプとして作成 （Motoki Shirakawa）

調律を可視化せよ！

私たちは日常の生活の中の無意識的に心地よさを感じる場所や不快な瞬間を捉えきれていないのではないでしょうか。このプロジェクトでは様々な人に参加してもらうことで、多くの生活の調律のヒントを見つけ出し、共有財として活用することで、各々の”していい”視点の拡張を狙います。この展示によって、他の人の視点を見てくれた方が自分の視点や行動を振り返るきっかけになれば嬉しく思います。

こんな人におすすめ

• この春から京都に住み始めてなんとなく「untunedな状況」を体験したかも？な人
• とっておきの「あ、この場所今使いこなせているな〜」といえるお気に入りスポットを地図やメモに取っている、もしくはパッと思いつく人
• 場所を「思い出や香り、音楽、食べ物」などと紐づけて記憶している人
• 散歩や裏道が大好きな人！

SNSでは、私たちが活動していく中で重ねたディスカッション、リサーチトリップの様子などを記録していきます。活動の記録も随時更新していく予定なので、ぜひチェックしてみてください。

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