Talk Event

人とテクノロジーを繋ぐ”自然のゆらぎ”という素材性 – 物理現象をマテリアライズするための公開勉強会- Melt. Open Meeting #4

  • #開催終了
  • #誰でもウェルカム

高次素材設計技術研究舎 -Melt.[Meta-material design-Engineering Learning Team]が送る物理現象のマテリアライズ事例を解き明かす公開勉強会です。今回は「自然のゆらぎ」をデザインの軸として、人とテクノロジーの関係性を探求するインタラクションデザインユニットGADARAとディスカッションを行います。
どなたでもお気軽に議論に参加できます。

2022.1.8 (土)  UTC+09:00

10:00 – 11:00 Zoom、YouTube Liveで同時配信

Online

ZOOM:98名、YouTube Live:無制限

Free!どなたでも視聴、参加頂けます!

Share

開催終了

お時間になりましたらFaceBook イベントページ記載のZoomのURLへ入室いただくか、投稿するYoutubeのURLよりご視聴ください。

はじめまして。Melt.です

Melt.(高次素材設計技術研究舎=Metamaterial design-Engineering Learning Team)では、全ての人へ新たな視点をインストールすることを目的としています。フィジカルに存在する物質ではなく、物理現象や思想を含めたあらゆる要素を素材と捉え、それらをものづくりとして実装するための設計手法の探求、及びマテリアライズの可能性を研究する有志による団体です。
鉱石や木材、樹脂、水資源などの有視有限の物質のみならず、音や風などの物理現象といった”無形の素材”を取り扱える様になることで、現状の発想と創造の枠を破る新たなマテリアライズのロールモデルを形成し、プロトタイピングを通じてかつて無い設計手法をオープンに展開します。

“ALL THINGS WILL BE A MATERIALS”

ニュートンが万有引力を発見したように、「りんごが落ちる」という物理現象をもう1段俯瞰してみた時に発見することのできる重力という概念を発見できたように、目の前に広がる全ての事象には素材となりうるポテンシャルを秘めています。
Melt.では、“ALL THINGS WILL BE A MATERIALS”を合言葉に物理現象における素材的なポテンシャルを発見し、プロトタイピングすることで世の中にMaterial design-engineeringの可能性を開示していきます。

ユニークな事例を分析することで物理現象を素材化するエンジニアリングプロセスの可能性を探る

Melt. Open Meetingは毎回様々なクリエイターや思想家・リサーチャーをお招きし”ALL THINGS WILL BE A MATERIALS”を起点とした新しい素材活用について公開勉強会型のディスカッションを行います。
ディスカッションの内容はリアルタイムにオンラインホワイトボードツール”miro”を使用しこの事例のユニークな点やどのような技術なのか、どこがMeta-material design-Engineeringなのかという点を整理し埋めていきます。
ディスカッションの終了時に設計モデルとして整理していくことを毎回の落とし所とし、ゲストとのディスカッションにとどまらず、視聴者も議論に参加し共に理解を深めていく勉強会です。

勉強会を通じて、実例から見るMeta-materializeのロールモデルをオープンに整理し、設計手法として一般化していきます。

また勉強会で開発された”miro”のマテリアライズフレームワークは、営利を問わずどなたでも自由にご自身の活動へ使用することが可能です。

マテリアライズフレームワークシートはOpen meeting開催ごとに更新されていきます。

アーカイブス

こちらより過去の内容を確認いただけます。

今回は「自然のゆらぎ」をデザインの軸としてテクノロジーをゆるやかに繋げるデザインを行っているGADARAのNature DrumやMoss Interfaceを取り上げます。
自然のゆらぎという視点から、物事へのデザイン的な解釈をどのように行い、自然現象をプロダクトへと昇華する方法をGADARAの柳原氏らとともに探ります。

Nature Drum

“演奏者、鑑賞者、マシン ― 音を捉える主体の中に表象される音の鑑賞”

約10,000の膨大なドラムサンプル音源(※)をディープニューラルネットワークで学習し、入力音に対して類似する音を生成するマシンによって、物理/表象を往来する音を探求するライブパフォーマンスを実施した。

自然物が偶発性を音楽制作に活かす

演奏者らが石・流木・貝などを叩き、その打音を録音してマシンに入力すると、マシンはそれに類似するドラムのような音をリアルタイム生成する。生成された音は任意のリズムシーケンスで再生され、予測不可能な音楽が空間に響き渡る。
時どき、入力音と似ても似つかない音が生成されることもある。それは一見エラーのようだが、石など自然物の音を学んだことのないマシンならではのユニークさの現れのようにも解釈できる。 物理現象としての音と、音を捉える主体の中に表象される音。一方がリアルで他方がフェイクというものの見方ではなく、双方の違いの鑑賞を通して知識・経験などのデータのバイアスと、マシンそして自分自身の創造性の関係について考える機会となってほしい。 人間とマシン、両者の垣根を意識せず自由に創造可能な未来を望むライブパフォーマンスである。
本作品は、電子音楽とデジタルアートの祭典 MUTEK.JP におけるAI Music Labへの参加がきっかけとなり作成した。
※ドラムサンプル音源はQosmoのMax Frenzel氏のデータベースを使用させていただいた。

Nature Drum
https://gadara.io/work04.html#ja

HACK THE NATURAL OBJECTS

“自然物の姿をしたインタフェースでゆるやかに環境をコントロールする”
石や流木など自然から採集したオブジェクトにセンサーやマイコンを組み込み、その回転や傾きを入力として、 身の回りの音や光のボリュームなどをコントロールするインタラクティブデバイスを制作した。

偶発的な形態は、機能にどう作用するか?

19世紀、生物学から生まれたセオリー「形態は機能に従う」は、その後、建築における機能主義やプロダクトデザインの人間中心設計などの思想としても主張され、今日のデザインの基盤となっている。 家電量販店や雑貨屋に足を運べば、機能的かつスタイリッシュな形態、シンプルで使いやすい、いわゆるミニマルデザインの製品が豊富に販売され、消費者から人気を集めている。情報技術は発展していく一方、「もの」のデザインは均質化していくのだろうか。 我々は、あえて自然物の形態に着眼した。石、貝殻、流木、果実 ー これらは、人間のために機能が設計されていない。すなわち、個体の生命活動あるいは自然現象によって形成された、唯一無二の偶発的形態である。 このような人間界にとって、非合理的な形態に人工的な機能を付け加えることによって「ゆらぎ」をつくり、普段無意識に使っているインタフェースと一味違った感性的な体験を使い手に与えたい。

Hack the Natural Objects
https://gadara.io/work01.html#ja

Moss Interface

“インタフェースを「制御」から「共生」の対象へ”

ストーリー

多くのコケにとって湿度は重要な環境要素です。コケは葉や茎から湿気などを取り込むことで成長しますが、適切な水分量や乾いていく速度にもそれぞれ違いがあります。この性質と人の暮らしに重要な照明を連動させることで空間内での体験にどのような変化が生じるでしょうか?
私たちの身の回りにはスイッチを始めとした様々なインタフェースがあります。それらの製品には、ユーザーの操作が確実に反映される「正確性」が求められています。その正確性が求められるインタフェースを「制御」から「共生」の対象として発想を転換したのが本プロジェクトです。
本プロジェクトは、動植物をはじめとした生物の環世界(※)の理解を通して、自然物との共生の可能性や豊かな生活を探求することを目指す「環世界インタフェースプロジェクト」の一貫として行いました。
※環世界とは、生物学者ユクスキュルが提唱したすべての生物は自身が持つ知覚によって独自の世界を構築しているという考え方です。

コンセプト

コケは時間帯や季節ごとに適切な湿度が常に移り変わっていきます。
それゆえ、MOSS Interfaceのユーザーは照明から望ましい光量を得るためには、コケの湿度を「適当に」コントロールする工夫が求められます。
今日の気候、自分の気分、コケとのバランスを考慮し、望ましい環境を実現するために、「今日はどれくらい水をあげればよいか」を考えながらインタフェースと向き合う必要があります。
このような関係性をもったインタフェースによって、コケとの共生を想像するきっかけをつくることを目指しました。
コケの湿度状況と部屋の明るさを連動させることで、時間帯や季節の変化により生じる「ゆらぎ」を空間内に反映させることができます。また、コケが感じている湿度や環境を感じるきっかけにもなります。

プロトタイプの機能
MOSS Interfaceのボディは本物のコケを植えられるように設計しています。
MOSS Interfaceは筐体内の湿度センサーがコケの湿度を常にセンシングし、その値と連動して照明の明度を変化させます。
コケの性質を空間レベルにまで拡張することで、ユーザーが与える水の量とコケの状態、環境条件が影響し合い混ざり合うことで、ゆらぎのある魅力的な空間をつくります。

利用シーン

家の中や公共空間での使用を想定しています。
緑が好きな人やくつろぎをテーマとした空間において、人と空間をつなげるための媒介として機能します。

Moss Interface
https://gadara.io/work07.html#ja

Guest

  • 清水 惇一/Junichi Shimizu

    インタラクションリサーチャー / サウンドアーティスト

    大学院でWearable Computingの研究をきっかけにセンシング技術を応用した人間の認知・知覚理解に興味を持つ。現在は、企業にてHCI研究に従事し、人と音楽の関係性に着目したインタラクションを探求している。GADARAでは、ソフトウェア/インタラクションデザインを担当。2019年のMUTEK.JPの出演をきっかけに作曲、及びサウンドアート作品を手掛ける。

    https://junichishmz.com/

    大学院でWearable Computingの研究をきっかけにセンシング技術を応用した人間の認知・知覚理解に興味を持つ。現在は、企業にてHCI研究に従事し、人と音楽の関係性に着目したインタラクションを探求している。GADARAでは、ソフトウェア/インタラクションデザインを担当。2019年のMUTEK.JPの出演をきっかけに作曲、及びサウンドアート作品を手掛ける。

    https://junichishmz.com/

  • 竹腰 美夏 / Minatsu Takekoshi

    デザイナー / プロトタイプエンジニア

    大学でプロダクトデザイン、大学院でインタラクションデザインと身体認知心理学に関して研究した後、企業でインスタレーションの制作、深層学習による画像処理の研究開発を経験。現在はGADARAとフリーランス活動で、AIやアルゴリズミックモデリング等を用いてプロダクトの筐体設計・アート表現に取り組み、あらゆるデータから人の感性に影響する物質への変換手法を探求する。FabCafe TokyoクルーOG。

    大学でプロダクトデザイン、大学院でインタラクションデザインと身体認知心理学に関して研究した後、企業でインスタレーションの制作、深層学習による画像処理の研究開発を経験。現在はGADARAとフリーランス活動で、AIやアルゴリズミックモデリング等を用いてプロダクトの筐体設計・アート表現に取り組み、あらゆるデータから人の感性に影響する物質への変換手法を探求する。FabCafe TokyoクルーOG。

  • 柳原 一也 / Kazuya Yanagihara

    インタラクションリサーチャー / コンセプトデザイナー

    大阪府出身。大阪の編集プロダクションで情報誌や大学案内などの制作を行った後、大学院へ入学し身体性やインタラクションを軸とした研究を行う。平日は主に素材に関連したプロジェクトを行うMTRLにてディレクターを務める。GADARAでは主にコンセプトデザインやイラストレーションのほか工作的にラピッドプロトタイピングすることを担当。

    GADARA

    大阪府出身。大阪の編集プロダクションで情報誌や大学案内などの制作を行った後、大学院へ入学し身体性やインタラクションを軸とした研究を行う。平日は主に素材に関連したプロジェクトを行うMTRLにてディレクターを務める。GADARAでは主にコンセプトデザインやイラストレーションのほか工作的にラピッドプロトタイピングすることを担当。

    GADARA

Speaker

  • 浅井 睦

    Metalium llc.代表
    コンセプトデザイナー / 知覚材料研究者
    1991年大阪府生まれ。舞鶴工業高等専門学校機械工学科修了。

    まだ手に触れることのできない未知の素材をメタ思考から生まれ出るこの世の存在する全てを材料として取り扱い、素材としてすべての人が触れるようにプロトタイピングを通して素材を提供する事業を展開するMetalium llc.を創業。
    代表的な事業として、メタ思考から発生する事象を素材として捉え、活用技術の探求を行うオープンラボ高次素材設計技術研究舎 Melt.の運営を行う。個人の主な仕事に、聴覚情報形状化変換インスタレーション型展示「NOIZE ROOM」やmixi X-flag park 「ドローンシューティング用ドローン設計生産」に代表されるデジタルファブリケーションを組み込んだ開発プロセスを活用した企画提案、ディレクションを行う。

    まだ手に触れることのできない未知の素材をメタ思考から生まれ出るこの世の存在する全てを材料として取り扱い、素材としてすべての人が触れるようにプロトタイピングを通して素材を提供する事業を展開するMetalium llc.を創業。
    代表的な事業として、メタ思考から発生する事象を素材として捉え、活用技術の探求を行うオープンラボ高次素材設計技術研究舎 Melt.の運営を行う。個人の主な仕事に、聴覚情報形状化変換インスタレーション型展示「NOIZE ROOM」やmixi X-flag park 「ドローンシューティング用ドローン設計生産」に代表されるデジタルファブリケーションを組み込んだ開発プロセスを活用した企画提案、ディレクションを行う。

  • 斎藤 健太郎 / Kentaro Saito

    FabCafe Nagoyaプログラム・マネジャー、サービス開発 / 東山動物園くらぶ 理事 / Prime numbers syndicate Fiction implementor

    名古屋における人ベースのクリエイティブの土壌を育むためにコミュニティマネージャーとしてFabCafe Nagoyaに立ち上げから携わる。

    電子工学をバックボーンに持ち科学技術への造詣が深い他、デジタルテクノロジー、UXデザインや舞台設計、楽器制作、伝統工芸、果ては動物の生態まで幅広い知見で枠にとらわれない「真面目に遊ぶ」体験づくりを軸とした多様なプロジェクトに携わる。

    インドカレーと猫が好き。アンラーニングを大切にして生きています。

    名古屋における人ベースのクリエイティブの土壌を育むためにコミュニティマネージャーとしてFabCafe Nagoyaに立ち上げから携わる。

    電子工学をバックボーンに持ち科学技術への造詣が深い他、デジタルテクノロジー、UXデザインや舞台設計、楽器制作、伝統工芸、果ては動物の生態まで幅広い知見で枠にとらわれない「真面目に遊ぶ」体験づくりを軸とした多様なプロジェクトに携わる。

    インドカレーと猫が好き。アンラーニングを大切にして生きています。

Information

日時

2022.1.8 (土) 10:00 – 11:00 Zoom、YouTube Liveで同時配信 UTC+09:00

会場

Online

参加費

Free!どなたでも視聴、参加頂けます!

定員

ZOOM:98名、YouTube Live:無制限

オーガナイザー

主催: 高次素材設計技術研究舎 -Melt.[Meta-material design-Engineering Learning Team], Metalium LLC.
共催: FabCafe Nagoya

開催終了

お時間になりましたらFaceBook イベントページ記載のZoomのURLへ入室いただくか、投稿するYoutubeのURLよりご視聴ください。

FabCafe Newsletter

新しいTechとクリエイティブのトレンド、
FabCafeで開催されるイベントの情報をお伝えします。