Talk Event

獣害を問い直す ー人と野生生物、境界の再設計。

ゲスト:NISSAN ANIMALERT PROJECT, 罠ブラザーズ
共催:土とデジタル&SPCS

  • #参加受付中
  • #入場無料

鹿による被害や動物との交通事故など、各地で深刻化する「獣害」問題。本イベントでは、単なる駆除や防除ではなく、野生動物と人との関係を見直し、よりよい距離のあり方を探ります。
日産自動車の「NISSAN ANIMALERT PROJECT」や、人と森をつなぐサービス「罠ブラザーズ」など、技術やデザイン、地域共創による先進的な取り組みを紹介しながら、境界の再設計や非人間中心の視点からデザインを考え直す機会です。自然と共に生きる社会のしくみについて、多様な立場からディスカッションしてみませんか?

2025.7.17 (木)  UTC+09:00

18:00 – 20:30 開場17:45

FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO) | Google mapで開く

60名

無料 別途カフェにて1ドリンク(500円)をご注文ください。

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※ お申し込みはFabCafe Kyotoの運営会社のロフトワークの申込ページに遷移します

動物を駆逐するのではなく、境界を引き直す

シカなどの野生生物による農作物被害や事故の増加——
各地で深刻化する「獣害」問題に対し、私たちは本当に向き合えているでしょうか?
これまでの「追い払う」「駆除する」といった対症療法では、問題の根本解決には至っていません。むしろ、人と動物との対立を深める結果にもなりかねません。

今回のトークイベントでは、従来の枠を超えた新しい獣害対策のあり方に光を当てます。
たとえば、以下のような視点・アプローチです。

  • 生物の習性を理解することで、害を益に変える、あるいは共生できるデザインをつくる
  • サービス・体験設計として成立させ、システムをリフレーミングする
  • 境界線を引き直すことで動物との衝突そのものを回避する土地の手入れ

キーワードは、「システムを紐解き、クリエイティブにリフレーミングする」という視点。
さらに、技術、地域文化、自然科学、利益構造が複雑に関係し合う課題だからこそ、研究者、エンジニア、地域住民など、多様な領域を超えた協働が不可欠です。ゲストとともに、どのようなエコシステムを作りうるか、ディスカッションしましょう。

動物と車の衝突を防ぐ。非人間中心の視点から“やさしい道路”をデザインする

NISSAN ANIMALERT Projectは、日産自動車が取り組む野生動物との交通事故(ロードキル)を減らす社会実装型プロジェクトです。AIカメラによる動物の出没検知と警告システムを軸に、研究者や自治体との連携のもと、注意喚起サインの共創や地域住民との協働など、技術とデザインを融合させた実践を展開しています。

注目すべきは、社会問題に取り組む主体として企業が自社サービスで正面から取り組んでいること。単なる事故防止ではなく、“非人間中心設計”の視点からインフラそのものを問い直し、動物と人が共存できる交通空間をサービスとして設計している点に特徴があります。

人間の利便性だけを優先するのではなく、「他者としての動物」の存在を起点に社会課題に向き合う姿勢は、企業の役割やサービスの再定義を問い直す好例ともいえるでしょう。

▶︎ プロジェクト詳細を見る

「狩猟」や「罠猟」というと、敷居が高く、専門的な世界に見えるかもしれません。しかし、罠ブラザーズはその体験を地域にひらき、都市に住む人も関われる“関係性のサービス”として設計しました。

鹿罠を地域でシェアし、参加者が鹿肉を得るだけでなく、山の現状を知り、森と都市の距離を縮める。

2022年にはグッドデザイン賞も受賞したこのプロジェクトは、狩猟体験を通じて人と自然の関係をリデザインする試みです。

▶︎ 罠ブラザーズ Webサイト

食べて知る森との距離感

イベント当日のネットワーキングタイムには、罠ブラザーズ × FabCafe Kyotoによる特別な鹿肉メニューをご提供いたします。(キャッシュオン形式でのご提供)
野生の恵みを美味しく味わいながら、人と動物の関係について思いを巡らせてみませんか?
ぜひこの機会に、お楽しみください。

  • 従来の駆除や防除に限らない、新しいアプローチを模索している自治体職員・行政関係者
  • サービスデザイン、都市・ランドスケープ設計、UX/UI、建築などの分野で、人間以外の存在も含めた設計に関心のある方
  • “害”とされる動物との共存を実践している/したい農業・林業関係者
  • 研究者や技術者、企業、地域の連携を視野に入れたプロジェクトづくりに取り組む方、または準備中の方
  • センシング、AI、IoTなどの技術を活用した社会実装や新規事業に関心のあるエンジニア・企業の方
  • 人間中心ではない視点から、価値や課題を組み替える取り組みに興味のあるデザイナー・アーティスト・教育関係者

本イベントは、FabCafe Kyotoで7/15(火) – 7/25(金)に開催される企画展示「節度ある食卓 #01 肉食再考」の関連イベントです。
「なぜ肉を食べるのか?」「どんな肉を選ぶのか?」
──展示では、普段あまり意識されることのない肉食の背景に焦点を当てます。環境や社会、価値観の多様性を見据えながら、自分自身の食のあり方について考える視点を提案します。
(主催:土とデジタル、協力:FabCafe Kyoto)

▼イベント詳細・申し込みはこちら

  • アーカイブ配信は、後日URLを共有します。あくまで記録動画の共有となりますので、聞きにくい場面がある場合があります。ご了承ください。
  • 申込多数の場合、抽選となる可能性がございます。ご了承ください。
  • 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日loftwork.com/FabCafe Kyotoおよび土とデジタルの媒体に掲載される場合があります
  • プログラムは、予告なく変更される場合があります。
  • 特定商取引法に基づく表記

Speaker

  • 福地 永

    日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部主担

    東京都世田谷区出身。幼少期より興味の中心はクルマ一筋で2014年に日産自動車へ入社。
    入社後は軽自動車のコミュニケーション制作、グローバルでの販売管理業務を経て、2021年より「やっちゃえ日産」に代表されるブランドコミュニケーションを担当。
    ブランドコミュニケーションの一環として電気自動車(EV)の普及拡大を目指したEVオーナー向け優遇プログラム「Green Pass」やEVを用いたサステナブル旅行パッケージ「Green Journey」を企画。
    また2020年には社内の教育プログラムにてベンチャー企業へ出向し、東京・下北沢/長野・佐久での地域振興を目的とした地域通貨の導入を経験。

    東京都世田谷区出身。幼少期より興味の中心はクルマ一筋で2014年に日産自動車へ入社。
    入社後は軽自動車のコミュニケーション制作、グローバルでの販売管理業務を経て、2021年より「やっちゃえ日産」に代表されるブランドコミュニケーションを担当。
    ブランドコミュニケーションの一環として電気自動車(EV)の普及拡大を目指したEVオーナー向け優遇プログラム「Green Pass」やEVを用いたサステナブル旅行パッケージ「Green Journey」を企画。
    また2020年には社内の教育プログラムにてベンチャー企業へ出向し、東京・下北沢/長野・佐久での地域振興を目的とした地域通貨の導入を経験。

  • 小川 大暉

    土とデジタル
    Founder Engineer / Hunter

    三重県出身。大学在学中にシステム開発に携わり、以降エンジニアとしてのキャリアをスタート。その後 IoTデバイス や Webシステムの開発プロジェクトにおいて、ディレクションやプロジェクトマネジメントを担当し、技術的な知見を活かしながら全体を統括している。

    一方で、罠シェアリングコミュニティ「罠ブラザース」の運営を機に、2022年より狩猟免許を取得。・個人として有害鳥獣の捕獲にも従事。ジビエの地域内活用や、狩猟を通じた人と自然・地域との関係性のあり方を模索している。

    三重県出身。大学在学中にシステム開発に携わり、以降エンジニアとしてのキャリアをスタート。その後 IoTデバイス や Webシステムの開発プロジェクトにおいて、ディレクションやプロジェクトマネジメントを担当し、技術的な知見を活かしながら全体を統括している。

    一方で、罠シェアリングコミュニティ「罠ブラザース」の運営を機に、2022年より狩猟免許を取得。・個人として有害鳥獣の捕獲にも従事。ジビエの地域内活用や、狩猟を通じた人と自然・地域との関係性のあり方を模索している。

  • 浦野 奈美

    SPCS / FabCafe Kyoto

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

共催

  • SPCS|自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ

    マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。コントロールできない自然の力は、産業においては厄介者やエラーと扱われることも多く、排除や操作がおこなわれてきました。しかし、そうした不安定なものを肯定的に受け入れるデザインができたら今までの当たり前が大きく変わるのではないか。SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら、生態系のメカニズムを探究し、自然をコントロールしないデザインや、人間以外の種との創造的な共創関係を探究するコミュニティ。技術や知識を開き、価値観や手法をアップデートすべく、自然科学、デザイン、アート、エンジニアリング、文化を融合させた活動に取り組んでいます。
    活動全体のコンセプト/過去の活動についてはこちら >>

    マイクロバイオーム、放射線、ウィルス、細菌。コントロールできない自然の力は、産業においては厄介者やエラーと扱われることも多く、排除や操作がおこなわれてきました。しかし、そうした不安定なものを肯定的に受け入れるデザインができたら今までの当たり前が大きく変わるのではないか。SPCS(スピーシーズ)は、プロトタイピングしながら、生態系のメカニズムを探究し、自然をコントロールしないデザインや、人間以外の種との創造的な共創関係を探究するコミュニティ。技術や知識を開き、価値観や手法をアップデートすべく、自然科学、デザイン、アート、エンジニアリング、文化を融合させた活動に取り組んでいます。
    活動全体のコンセプト/過去の活動についてはこちら >>

  • 土とデジタル

    私たちは、自然とテクノロジーや、野生と都市生活など、一見相反するものを、相互補完性のある概念として捉え直し、その実感と実態を、企業や個人と共に生み出すバイオフィリック・スタジオです。自然にまつわる様々な危機が迫りくる一方で、2050年までに世界人口の約68%が都市部に居住すると予測されています。 都市のふるまいこそ、これからの世界のありようを決めるのだとしたら、そこに生きる人々の生活と仕事の中には、自然への敬意と地域との繋がり、倫理と節度が必要です。想いを共有できる人々と共に、私たちは様々な手法を通じて、都市の中に自然との新たな関係性を見出して行きます。

    ウェブサイト:https://xn--uds.digital/

    私たちは、自然とテクノロジーや、野生と都市生活など、一見相反するものを、相互補完性のある概念として捉え直し、その実感と実態を、企業や個人と共に生み出すバイオフィリック・スタジオです。自然にまつわる様々な危機が迫りくる一方で、2050年までに世界人口の約68%が都市部に居住すると予測されています。 都市のふるまいこそ、これからの世界のありようを決めるのだとしたら、そこに生きる人々の生活と仕事の中には、自然への敬意と地域との繋がり、倫理と節度が必要です。想いを共有できる人々と共に、私たちは様々な手法を通じて、都市の中に自然との新たな関係性を見出して行きます。

    ウェブサイト:https://xn--uds.digital/

Timetable

17:45

開場

18:00

イントロダクション
浦野 奈美(株式会社ロフトワーク SPCSオーガナイザー)

18:10

ゲストトーク1:罠ブラザーズ
小川 大暉(土とデジタル Founder / Engineer / Hunter)

18:30

ゲストトーク2:NISSAN ANIMALERT Project
福井 永(日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 ブランド&メディア戦略部主担)

18:50

クロストーク
◯「害獣」って誰が決めた?
- ロードキル、農作物被害、罠猟…私たちはなぜ“害”と感じるのか?
- 動物を「問題」として捉える言葉の構造とは
◯境界線をどう引きなおすか?
- 物理的・制度的・文化的“ボーダー”の再設計
- 土地の手入れや看板デザイン、都市と山のつながり
◯「サービスとしての獣害対策」は成立するか?
- 関係性を媒介とするサービス設計(体験/関係性/経済)
- 「買う・使う・関わる」が再編されるとき
◯共創のエコシステムをどう再編できるか
- 専門性を持ち寄るために必要な“通訳”とは?
- 企業・研究者・地域が協働する条件
◯命・責任・共生の境界線とは
- 駆除する責任、共生する責任、そのあいだのグラデーション
- 動物の“声なき声”をどう想像できるか?

19:30

ネットワーキング
- 罠ブラザーズ x FabCafe Kyotoコラボレーションによる特別鹿肉メニューをキャッシュオンにて提供予定

20:30

終了

Information

日時

2025.7.17 (木) 18:00 – 20:30 開場17:45 UTC+09:00

会場

FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)
〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554

■電車でのアクセス
JR京都駅から徒歩20分
京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分
阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分
京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分

■バスでのアクセス
京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3分

※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。
Google mapで開く

参加費

無料 別途カフェにて1ドリンク(500円)をご注文ください。

定員

60名

参加する

※ お申し込みはFabCafe Kyotoの運営会社のロフトワークの申込ページに遷移します

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