Column

2020.6.15

レーザーカッターに入る最大サイズの飛騨の木を贅沢に使った看板製作

飛騨の12箇所の工務店や建築会社に設置されました

堀之内 里奈

FabCafe Hida マネージャー・Fabディレクター
飛騨の森でクマは踊る 森で事業部

こんにちは、FabCafe Hidaものづくりディレクターの堀之内です。
先日久しぶりにFabCafe Hidaのレーザーカッターマシンに入る最大の大きさ、60㎝×30㎝サイズの看板を12枚製作しました。

製作のご依頼をいただいたのは飛騨市の街並み保存や伝統構法と技術の継承について精力的に活動をしていらっしゃる直井隆次(なおい・りゅうじ)さんです。
直井さんはヒダクマで行っている建築、デザイン、林業、まちづくりなどを学ぶことができる合宿・滞在プログラムで飛騨古川の街並みツアーなどをしてもらっています。ツアーでは訪れた方に建築に使われている職人の技術や組み木のノウハウなど、とても丁寧に飛騨の魅力を伝えてくださいます。そんな直井さんからの依頼内容は、飛騨古川建築組合連合会に加盟する事業者さんのための看板です。
製作では直井さんから看板の木に合った文字の入れ方を教えていただいたり、木の種類によって異なる彫刻の仕上がりについてチェックしていただきながら一緒に製作しました。

普段はFabCafe Hidaのレーザーカッターを使って、広葉樹お箸づくり体験で完成したお箸への名入れや、広葉樹スタンプにお客様のデザインしたイラストや文字を彫刻するなど、小さなものに彫刻をすることが多いのですが、ここまでのサイズを作れることや木の看板の魅力を皆様にお伝えすべくこの記事で紹介したいと思います。

飛騨の広葉樹を使った豪華な看板

今回は直井さんがクリ、トチ、カエデなどの加工した木を持参。それらにFabCafe Hidaのレーザーカッターで彫刻をしました。
直井さんが用意してくれた木は、彫刻をする面には怪我の防止と装飾として面取りがされているだけではなく、立派な木目をしていたり、キラキラとした艶を持った部分が見られたりなど、どれもかっこいい板ばかり。

ひとつだけ普段見慣れない木がありました。
ヒダクマにいると色んな種類の木に触れることが多くあるのですが、以前池ヶ原湿原保護のために間伐され、期間限定でパタゴニアのカッティングボードになったシナやドロの木に似たものがありました。飛騨の木の種類について詳しく知りたい方はヒダクマの「木を探す」ページも訪れてみてくださいね。

それぞれの木に合った彫刻で文字の色の濃さを調整

左からシナ、クリ、ブナの木に彫刻をした様子。

左からシナ、クリ、ブナの木に彫刻をした様子。

木によって彫刻した時の文字の印象が違うため、用意された板にプリントする前に、端材にテストプリントをして直井さんと一緒にそれぞれの木に最適な文字の色味を確認しました。

テストプリントをした端材を見てみると、クリの木がよく燃えて一番黒く彫刻され、荒々しい木目が浮き上がりかっこよく仕上がっています。ブナやシナは上品な印象がある綺麗な木ですが、彫刻が薄く感じたのでより濃く色付くようにレーザーカッターのパワーを強めに調節しました。

 

彫刻をする時に特に気をつけたのは木目の向き

木を使った表札や看板をつくる時には実はルールがあります。木の表と裏や、上下の見方について直井さんに教えていただきながら製作し、とても勉強になりました。

  • 木の表裏

    板を横から見た時に木目の山が上になっている方を表(彫刻面)とします。

  • 木の上下

    彫刻したい面を上から見た時に、こちらも山が上を向いているように彫刻します。
    こうすることで確かに縁起が良さそうです。

直井さんから送られた看板

▲有限会社 永山建設さん の事務所前、会長さんがクリの看板を持ってくれました。

有限会社 永山建設さん の事務所前、会長の永山悟(ながやま・さとる)さんがクリの看板を持ってくれました。

株式会社 柳組さん 「彩り館ギャラリー」の前で。こちらもクリの看板。

株式会社 柳組さん 「彩り館ギャラリー」の前で。こちらもクリの看板。

株式会社 丸茂(マルモ)さんが設計・施工した、美容院「素々」さんの前で撮った写真を送ってくださいました。「素々」さんは6/11で1周年を向かえるFabCafeHidaスタッフもお世話になっている美容院さんです。看板の材はシナやドロの木に似た柔らかい印象の板です。

株式会社 丸茂(マルモ)さんが設計・施工したFabCafe Hidaスタッフもお世話になっている美容院「素々」さんの前で撮った写真。 看板の木はシナやドロに似た柔らかい印象の板。

今回製作した看板は12箇所の飛騨市古川建築組合連合会に加盟している工務店や建築会社にお送りさせていただきました。お好みで色をつけたりしてオリジナルの看板に仕上げていただきたいと思っています。

今回のように木の看板を製作する以外にもレーザーカッターではアクリルや革などの様々な素材を使うことができますので、ウェディングボードや、お店のサイン、オリジナルグッズの製作などに気軽に使ってみてくださいね。
次回はUVプリンターの紹介を考えていますのでお楽しみに!


あなたもFabマシンを使ってものづくりをしてみませんか?

FabCafe HidaのFabマシンのご利用は、通常、予めお客様にデータをお持ち込みいただき、マシンをご利用いただくシステムとなっております。また今回のようにデザイン(データ作成)とデータチェックのご依頼も承ります。FabCafe Hidaの専門スタッフが皆様のご要望に合わせて製作をサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

デザイン(データ作成) : 10,000円〜
データチェック(お持ち込みデータがマシンにご利用いただけるか確認とデータの修正をします。) : 1,000円〜

◎メールやお電話でもお気軽にご相談ください。
TEL:0577-57-7686
Mail:info.hida@fabcafe.com

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  • 堀之内 里奈

    FabCafe Hida マネージャー・Fabディレクター
    飛騨の森でクマは踊る 森で事業部

    飛騨古川出身。飛騨市内の飲食店や奥飛騨温泉郷で仲居の経験があり、接客を活かしながら飛騨とものづくりに関わる仕事がしたいと2016年11月にFabCafe Hidaにジョイン。仕事を通して木工やFabを経験。地域に寄り添いながら、FabCafe Hidaを訪れる方々に飛騨のさまざまな魅力を楽しく、わかりやすく伝えることを目指しています。Diversity on the Arts Project 5期生。京都芸術大学 通信教育部 洋画コースに在学中。森の地衣類の色が好き。

    飛騨古川出身。飛騨市内の飲食店や奥飛騨温泉郷で仲居の経験があり、接客を活かしながら飛騨とものづくりに関わる仕事がしたいと2016年11月にFabCafe Hidaにジョイン。仕事を通して木工やFabを経験。地域に寄り添いながら、FabCafe Hidaを訪れる方々に飛騨のさまざまな魅力を楽しく、わかりやすく伝えることを目指しています。Diversity on the Arts Project 5期生。京都芸術大学 通信教育部 洋画コースに在学中。森の地衣類の色が好き。

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