Column

2021.6.30

枝クマ

製作:山の前製作所

志田 岳弥

Hidakuma 森のプロデューサー

岐阜県各務原市で家具や小物を製作する山の前製作所が、飛騨の広葉樹の枝で製作した「枝クマ」。枝を旋盤で加工し、ウッドバーニングで表情を描いています。耳には革を利用。どのクマも個性豊かでキュートです。

ウサギやドライプランツの一輪挿しも製作

WOOD MARKET「蔵出し広葉樹」でミズナラとブナの枝を購入されたのは、岐阜県各務原市を拠点に夫婦ふたりで家具や小物を製作する、山の前製作所の佐伯さん。木材調達で飛騨に来た際、「蔵出し広葉樹」に立ち寄りました。

その枝を旋盤で加工して生まれたのは、野趣あふれるクマ。枝の樹皮や木目、さらには節がそのままクマの個性に。そして不思議と、枝であるはずのクマは、太い木の幹から削り出されたようでもあります。

仕様

材料:ミズナラとブナの枝、革
サイズ:φ=50~70mm, H=100~120mm
仕上げ:オイル仕上げ

  • 旋盤で枝を削る

  • 頭の部分は切り落とすので残す

  • ボール盤で耳の穴を開ける

  • 漆塗料で顔を描く(写真は焼きペン)

実は、枝を買ったのは旦那さんで、クマを製作したのは奥さん。「飛騨産広葉樹の流通につながれば」との想いで、工房の裏山にもたくさんある枝にわざわざお金を払ったと聞き、奥さんは「何とかしなければ」と旋盤を回したそう。しかしそのお陰で、通常であればチップとして利用されるか、あるいは山に放置されるはずだった枝が、素敵な作品に生まれ変わりました。

山の前製作所

家具や小物などを製作する、岐阜県各務原市の工房。夫婦ふたりで、家具や小物の企画から製作、販売までを行っている。夫は岐阜県高山市にて家具製作の勉強し、その後家具製作会社に勤務。この高山時代に木工に関わるようになった妻は、角材から旋盤で削り出した人形「ほろほろ人形」といった小物や紙ものを製作。夫は本棚や子供向けの椅子など、家具製作を担当している。https://www.yamanomae.com/

次回の「蔵出し広葉樹」は、7月24~25日に開催します。会場はFabCafe Hida。ZoomまたはGoogle Meetでオンライン接客を受けながらイベントを体験できるオンライン開催もお気軽にご参加ください。詳細は別途イベントページでお知らせ致します。

Author

  • 志田 岳弥

    Hidakuma 森のプロデューサー

    1991年東京生まれ。琉球大学農学部を卒業後、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊としてペルー共和国に赴任し、国家自然保護区管理事務局(SERNANP)ピウラ事務所にて環境教育に従事。流通業界紙記者、チリ共和国でのサーモン養殖産業についての取材活動を経て、2020年6月よりヒダクマに所属。マーケティングや滞在型プログラムの企画・運営などを担当している。地元漁業組合でも活動中。北アルプスや周辺エリアを源流とする高原川流域にて、渓流魚を対象としたフィールドワークを展開している。

    1991年東京生まれ。琉球大学農学部を卒業後、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊としてペルー共和国に赴任し、国家自然保護区管理事務局(SERNANP)ピウラ事務所にて環境教育に従事。流通業界紙記者、チリ共和国でのサーモン養殖産業についての取材活動を経て、2020年6月よりヒダクマに所属。マーケティングや滞在型プログラムの企画・運営などを担当している。地元漁業組合でも活動中。北アルプスや周辺エリアを源流とする高原川流域にて、渓流魚を対象としたフィールドワークを展開している。

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