Column

2022.4.30

第7期のメンバー活動まとめ ー 惑星採集計画、Tuning Box

浦野 奈美

SPCS / FabCafe Kyoto

こんにちは、FabCafe Kyotoの浦野です。FabCafe Kyotoで2020年にスタートしたプロジェクトインレジデンス、COUNTER POINT(以下、CP)。2022年1月28日〜4月28日の第7期に参加したのは2組。いずれも関東エリアからの遠隔参加ということでしたが、それぞれ新しい挑戦や気づきがあったようです。(スタート時点の紹介記事はこちらを参照)

CPは第5期に参加して、その際に開発した惑星発見器を発展させるべく、再度CPに参加した小瀬古智之さん。最初はとにかく惑星発見器で惑星サンプルを集めまくっていたとのこと。集める中で、グラフィック的に面白いサンプル、ナラティブ性で面白かったサンプルなど、数を集める中で色々な気づきや可能性を見出していったとのこと。

惑星発見器はツールです。たとえばメーカーの方が素材の魅力に気づくための仕掛けとして、あるいは、教育ツールとして、または観光ツールとして、まだまだ可能性はこれからどんどん広げていきたいところ。そこで、使い方や目的をさまざまな領域の人と探っていくべく、今期は個展とトークイベント、そしてクラウドファンディングを行いました。小瀬古さんがサンプルを集めながら気づいたことや、開発プロセスなどを丁寧に説明しつつ、プレイブックも作っていました。クラウドファンディングは無事119%の達成率で成功。今後のコラボレーションの展開も楽しみです。

  • 調理器具から始まり、工事現場や浜辺など、さまざまな場所を歩き回りながらサンプリングした惑星の一部。これらはグラフィックとして面白いということで紹介された。

  • CPの先輩でもある安田伸裕さんが働く楠岡義肢製作所でとったサンプルと、FabCafeの浦野の息子の体をとったサンプル。こちらはナラティブ性で面白いサンプルとして紹介された。

クラウドファンディングにもチャレンジした小瀬古さん。無事119%到達して成功!

4人チームで活動していたしていいシティのみなさん、いずれも関東からの参加ということで、定期的に京都に来つつ、それ以外は遠隔の活動を続けていました。都市で生活する中で、居心地の良い瞬間をTuned、居心地の悪い瞬間をUntunedと言い分けて、色々な人のTuned/Untunedを可視化したようなボックスを作れないか、というチャレンジでした。

ところが、振り返りのプレゼンイベントにてリーダーの安藤さんは最初に言ったのは「ごめんなさい!実はTuning Box作れなかったんです!」でした(笑)チームかつ遠隔ということや前提の議論に時間を割いていたためか、なかなかプロトタイプに進まず悩む時期もあったようです。でも、安藤さんが最後の1カ月、毎日京都にいると腹をくくり、毎日何かしら手を動かし始めてから一気にアウトプットに向けて前進。日々食らいつき、もがきまくっている姿にFabCafeのメンバーはもちろん、安藤さんの相談に乗っていた連続企業家の井口さんも心を打たれていました。

最終的なアウトプットはふたつ。ひとつめは、Tuned/Untunedな瓶詰めと訪問ノート。事前に色々な人に京都市内でTuned/Untunedと感じた場所の情報を集め、それらの場所に安藤さんが実際に訪れて、そこにあったものを集めて瓶詰めにしたサンプルと、そこで感じたことをノートに記したものです。もうひとつは、Tuned/Untunedな出会い方やコミュニケーションをゲーム感覚で変換して楽しく気づきを得るためのツール。いずれも、していいシティの疑問や気づきが詰まったプロトタイプとなりました。

最初は超正統派かつスマートだったリサーチ計画が、3ヶ月経ってこれほど血の通った独自のリサーチまで昇華されたしていいシティのみなさん。ぜひこの活動が次に続いていったら嬉しいです。

  • Tuning Boxにはならなかった!でも大きくアウトプットが変わってしまうのは、むしろ、それだけ根本的な活動や議論ができていたという証拠です。

  • 最終的なアウトプットになったTuned/Untunedの瓶詰め。

  • 場所との関わり方を半強制的に決めさせることで、Tuned/Untunedを探すためのゲームツール

以上、第7期メンバーの様子でした。彼らの活動に巻き込まれたい方も巻き込みたい方も、是非FabCafe Kyotoにお越しください。同時に、COUNTER POINTはこれからも継続してメンバーを募集します。社会と接続させたい偏愛や衝動をお持ちの方は、ぜひ次回以降の応募をお待ちしています。

関連リンク:
COUNTER POINT by FabCafe Kyoto について
※ 第9期 入居期間:2022年7月29日(金)-10月29日(土)応募締め切りは2022年7月3日(日)

Author

  • 浦野 奈美

    SPCS / FabCafe Kyoto

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

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