Interview

2021.8.24

日常に溶け込むDJをめざして。#POPUPDJNAGOYAによる、感覚への作用からコンテンツの”壁”をなくす取り組み。

FabCafe Nagoya Players Interview vol.1 /2021.08.25

スエイシユミ/居石有未

作家/FabCafe Nagoya プロデューサー

これからのライフスタイルに体験が重要視される中、日常におけるBGMにも体験価値を見出す世の中にすべきではないか?BGMによる自身の感覚への作用をもっと楽しむべきではないか?
そんな思いの下、FabCafe Nagoyaで開催してきたDJイベント”#POPUPDJNAGOYA”が半年を迎えます。本企画のOrganizerでもあるDJのujさんに、FabCafe Nagoya プロデューサーのスエイシ(居石)がお話を伺いました。

  • uj

    DJ / Organizer

    地元三重県や名古屋など幅広く活躍するDJ/オーガナイザー。
    2006年よりDJとして活動を開始。ベースミュージックを通過したTechno,Houseを好み、彼の中毒性の高いプレイはアシッディで鮮やかな質感を持つ。
    2012年からはオーガナイザーとしてTechno/Houseパーティ「SOME TRIP」をスタート。空間演出やサロンコンテンツなど様々なクリエイターを巻き込み、その完成度の高い内容が県外でも話題となった。
    2015年、拠点を三重県から名古屋に移し、CLUB MAGOにて新たなパーティー「C.R.A.C.K」を立ち上げ、数々のアップカミングなアーティスト達をゲストに招聘してきた。
    2020年、DJ/オーガナイザーを再始動。同年3月にclub GOODWEATHERのオープンに際してTechno/Bassパーティ「DATURA」を開催。同年9月にはclub GOODWEATHERでTechnoパーティ「FLAKKA」を開催。

    MIX

    地元三重県や名古屋など幅広く活躍するDJ/オーガナイザー。
    2006年よりDJとして活動を開始。ベースミュージックを通過したTechno,Houseを好み、彼の中毒性の高いプレイはアシッディで鮮やかな質感を持つ。
    2012年からはオーガナイザーとしてTechno/Houseパーティ「SOME TRIP」をスタート。空間演出やサロンコンテンツなど様々なクリエイターを巻き込み、その完成度の高い内容が県外でも話題となった。
    2015年、拠点を三重県から名古屋に移し、CLUB MAGOにて新たなパーティー「C.R.A.C.K」を立ち上げ、数々のアップカミングなアーティスト達をゲストに招聘してきた。
    2020年、DJ/オーガナイザーを再始動。同年3月にclub GOODWEATHERのオープンに際してTechno/Bassパーティ「DATURA」を開催。同年9月にはclub GOODWEATHERでTechnoパーティ「FLAKKA」を開催。

    MIX

半年お疲れ様でした。実際にここまで続けてみて、どうでしたか?

最初はお店の方やお客さんとの間に「なんかやってるな〜」っていう置物感や異色感の視線を感じていたんですけど、少しづつ馴染んできていて8月はかなり良い感じに一体感が出てきてました。

馴染んできましたよね。最近「FabCafe NagoyaさんってイベントとかDJやってるカフェですよね!」って、よく言われるんです。DJがコンテンツとして認知されますよ!

それは嬉しい(笑)ありがとうございます。#POPUPDJNAGOYA はカフェのBGMを考え直すということをコンセプトに掲げていて、「カフェのBGMってこうだろうな」ってイメージのものを選曲したくなくて。主にビートが鳴っているだけのもの。歌モノも少ない。
僕達としても、そんなチャレンジな内容にしては上手くいってるんじゃないかなと思っています。

ujさんたちは、個性を出すけどもユーザ目線に立てる、所謂デザイナーみたいな視野を持ったDJですよね。当初から、カフェを利用するお客さんに配慮して音量やリズムを選んでいたじゃないですか。あれって簡単にやれちゃうように見えるけど、いざ徹底するとなるとかなり考えないといけないことだよなと、数を重ねるほど現場のFabCafe Nagoyaスタッフも感じています。
ぶっちゃけると、1回目でお店に合わないプレイされたら、他のDJに頼もうと思ってたんです(笑)でも、そんな予想を良い意味で裏切って、初回から最高でした。

最初にFabCafe Nagoyaの空間を見た時に、外観も内装もミニマルで、テクノをプレイしたいなって思いました。
特に内装で印象的だったのが天井にある木の梁ですね。これってまったく梁の役割は果たしていないじゃないですか。そこで、”木という有機物によって無機質な天井を隠すためのカモフラージュ”だと解釈しました。そういう要素を削ぎ落としていくと、名古屋の真ん中に建つ無機質な四角い箱だなと。
利用しているお客さんも、ちょっと一息ついてお茶しましょう、チルアウトしましょうって人達ももちろんいるんですが、それよりも何か作業をしたりしている人が多く感じて、心臓の音をワンテンポ早める感じが合うんじゃないかと選曲しています。

心臓の音を早める!そこまで意識してなかったですが、確かに#POPUPDJNAGOYAの日は頭が冴えます。楽しいからだと思ってたんですけど、わたし、心拍数に左右されていたのかな(笑)クラブって感じでもカフェって感じでもなく、スッと集中できるというか…

それはBGMが関係していると思いますよ。心拍数って60~80くらいのテンポなんだけど、それに対してMiquちゃんは100-110、僕とかLUTAは120-130ぐらい。聴いているとつられて少しドキドキしちゃう感じですね。

これまでの話を踏まえると、職場とか仕事場とも相性が良さそうです。空間やお客さん、気温や湿気、季節感、前回だと梅雨とか、いろんな環境や背景を意識したプレイを見てみたい。

そうですね。そもそも、FabCafe Nagoyaに来るお客さんは、作業や仕事をしに来ていたり、思考を高めに来ていたりする人が多いイメージです。
そういうお客さんの目線に立ってBGMを選曲をしているという事が、もっと広まって欲しいです。表面的にはカフェの選曲してるのには変わらないんだけど、FabCafe Nagoyaだからこうなんだよっていう。

カフェDJという文字通りのまま判断してしまったら、この本質は見えないですね。おかげさまで、少しずつですけどFabCafe Nagoyaメンバー全体の音楽への感度も上がってきていると思います。
ですけど、本来のクラブDJとはまったく演出も考え方も違うじゃないですか。そのあたり、両方プレイしている側からするとどうなんですか?

クラブDJを知ってるお客さんが来ると、音が小さくてびっくりされたりするんですが、僕たちはクラブでのプレイとは全く別のものだと考えています。
#POPUPDJNAGOYAでは、「日常生活の中でのBGMの選曲にも価値を見出して欲しい」っていうのを軸に考えていて、もともと、DJをすることだけが狙いじゃないんです。
いろんなところで良い選曲がある事に魅力や価値を見出して欲しいなって思っていたんです。今は、考えを共有できているメンバーで基礎をつくって、毎回1人、2人、入れ替え式にゲストを呼ぶことで、少しずつコミュニティを広げて価値観を浸透させている段階ですね。

#POPUPDJNAGOYAはFabCafe Nagoyaにとってもコミュニティ形成の第一波なんじゃないかなと個人的に感じています。実際に、DJや音楽に興味のある若者がたくさん来るようになりました。
ちなみに、現在の#POPUPDJNAGOYAのメンバーとやっている、大きな理由はなんでしょうか。

彼らとはクラブでも最近よく一緒にやってるんですが、現在やりたいことを理解して応えてくれるからですね。
いつもとは違う環境と意図で選曲することって、難しい。クラブに馴染みのない人達の前でDJをする機会もなかなかないですし、若い彼らの経験を積む場所にもなっていると思います。

ujさんたちが半年かけて広げてきたこの流れを、わたしたちはもうワンランク上にあげていかないといけないですね。そのためにも、新たな分野の人々ともコミュニティやコンテンツをつくっていけるよう取り組んでいきます。

コミュニティやコンテンツの枝を増やしていくことができるといいですね。今回だとDJだけど、アートとか、馴染みがないモノがFabCafe Nagoyaに行くと、見たり聴いたり体験できるようになるといいなって思います。それをベースに色んなジャンルのコミュニティが行き交う場になって欲しい。

これからやってみたいことはありますか?

他のイベントでDJやBGMが必要な時があれば、僕らで良ければいつでも頼ってください。それに合わせた選曲もしますよ。
店内で展示などをやってるタイミングと#POPUPDJNAGOYAが被りそうな時も、ぜひイベントについて色々教えて欲しい。そういうのも楽しいんです。

台湾クリエイティブフェスでも色々気を遣ってくださいましたもんね。ありがとうございます。

いえいえ、でも、台湾の時は結構難しかった(笑)自分たちでもなかなか消化できてなかったから、どういう雰囲気にするかとか。

コンセプトを重要視しすぎて、出てくる作品や表現が拙かったり合わなかったりしまうのはありますよね。内と外のバランス感覚を養っておかないと難しいところです。
他にも、考えていることや目標はありますか?お店のお客さんにアクションを起こしたいとか。

ゴール地点としては、現状何もなくていいんです。カフェにDJが入っている事が特別じゃなくなったらいいなってくらいで。
理想を言えば…お店にDJブースがあって、スタッフさんが作りたい空間を考えて、それに合うDJを探してブッキングするとか、そういうのが当たり前になってほしい。

ナチュラルにDJが日常に溶け込む、みたいな?

そう。便宜上、今は#POPUPDJNAGOYAというタイトルをつけて活動してるけど、もっと長く続いて他のカフェやお店でもやるようになったら、イベントじゃなくしたいかな。
「え?こんな当然のことをイベントとしてやってたんすか?」って言われるぐらい。当たり前になって欲しいね。

カフェDJには、私も新しい可能性を感じていまして、他のカフェにサービスとして導入していくのも面白そうです。
でも、やはりどうしても会場側の知識不足や稼働時間不足でディレクションしきれず、上手くマッチさせるのが大変ですよね。ムーブメントや文化までにするのは相当骨が折れるな、と。
音や実際のプレイを聞いて声をかけるのと、DJという肩書きをみて声をかけるのと、人を知って声をかけるのだと、それら初動が異なるだけで、全く異なるコンテンツになっちゃうと思うんですよ。どれが良い悪いって話でもなく、お店側のコンセプトや人柄にも左右されますし。

FabCafe Nagoyaだったからここまで上手くできたけど、お互いのコミュニケーションをとるのって本当に難しいよね、僕たちももっとプレイにも興味をもってもらえるように頑張って行かなきゃいけないんだけど。
例えば夏だからこのプレイリスト、みたいな感覚でお気に入りのDJをブッキングする。そこでお店の人が自分たちの作りたい空間を説明して、それを選曲で表現できる関係を目指せたらいいよね。

 

#POPUPDJNAGOYA、今後もどう変化していくのか目が離せません。皆さんも、ぜひ一度遊びに来てくださいね。


これからのライフスタイルに体験が重要視される中、日常におけるBGMにも体験価値を見出す世の中にすべきではないか?BGMによる自身の感覚への作用をもっと楽しむべきではないか?そんな思いの下、私たちはFabCafeNagoyaにて”#POPUPDJNAGOYA”を定期開催しております。

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Author

  • スエイシユミ/居石有未

    作家/FabCafe Nagoya プロデューサー

    美術系大学で絵画(日本画)を専攻。大学院卒業後、名古屋造形大学 入試・広報センターにて4年勤務。高校生向けのイベント企画運営や講師などを務める傍ら、百貨店やギャラリーだけではなく、街中などで作家・アートイベンターとして常識に囚われない活動を続ける。制作コンセプトは、ニュートラルの表現。
    2016年 筑波大学 「新進芸術家育成交流作品展 FINE ART/UNIVERSITY SELECTION 」、2018年 みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム「みのかも annual2018」、2018-2020年 名古屋三越「絵画の波動-クラウンレヴォリューション-」など出品。

    美術系大学で絵画(日本画)を専攻。大学院卒業後、名古屋造形大学 入試・広報センターにて4年勤務。高校生向けのイベント企画運営や講師などを務める傍ら、百貨店やギャラリーだけではなく、街中などで作家・アートイベンターとして常識に囚われない活動を続ける。制作コンセプトは、ニュートラルの表現。
    2016年 筑波大学 「新進芸術家育成交流作品展 FINE ART/UNIVERSITY SELECTION 」、2018年 みのかも文化の森 美濃加茂市民ミュージアム「みのかも annual2018」、2018-2020年 名古屋三越「絵画の波動-クラウンレヴォリューション-」など出品。

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