2020年5月23日(土) 日本時間 17時から、受賞作品を紹介するライブストリーミングイベントを開催します!審査員と受賞者の両方が登場し、受賞作品のプロトタイプを、今回の企画に協賛いただいた 株式会社白鳩 に紹介していただきます。
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先日、FabCafe Globalが主催したアワード「Mask Design Challenge 2020 – FabCafe Globalと一緒に、未来のマスクを考えよう」の受賞作品が発表されました。
アワードプラットフォーム「AWRD」で開催し、2020/3/17〜4/9の応募期間中に、229点もの作品の応募がありました。
厳正なる審査のもと、多数の作品の中から今回は4点が受賞しました。
突如訪れたコロナウイルス禍の世界に、私たちはクリエイティブを使ってどのように対応していくか。
その答えを垣間見れた気がしました。
また今回は、日本で初めて一般用マスクを開発した名古屋の老舗マスクメーカー「株式会社白鳩」に協賛していただきました。「未来のマスクを考える」という今回の企画に、歴史あるマスクメーカーに参加・賛同いただいたことはとても意味のあることだと思っています。
それでは、受賞した4作品と審査員からのコメントをご紹介します。
タイトル:SensingMask
Creator:Ryota Kobayashi
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この度は大変光栄な賞をいただき、誠にありがとうございます。実を言うと、本アワードの存在を知ったのは、募集締切の前日でした。日頃からMakerとして活動している中、「COVID-19に対し、ものづくりの力で立ち向かえないか?」という想いを掲げ、マスクを含む数点の予防作品を製作していたところ、仲間から本アワードの事を伺い、応募に至った次第です。変わりゆく世界に対し、深刻にばかりならず真剣に立ち向うことで、マスクという製品を感染予防だけに留まらせることなく、更なる付加価値を生む未来の製品へと進化させる。本アワードで、そのきっかけを大いに得ることができたと感じています。
審査員コメント:株式会社白鳩
COVID-19の流行は、マスク先進国と言われる日本だけでなく、 マスクの習慣が無かった欧米諸国においても、 その有効性と重要性の認識をもたらしました。 今、人々のマスクに対する意識は大きく変わろうとしており、 それはCOVID-19以前から弊社が掲げる構想とリンクします。 この作品は、その一つを見事に再現していました。
審査員コメント:Pichit Virankabutra/ พิชิตวีรกานต์บุตร(TCDC Director of Creative Space Development Department)
複合解析データから呼気温度や咳の回数を検出し、健康状態を把握できるスマートマスク。この作品は、デザイナーが機能的な人工呼吸器と、健康チェックに役立つ着用者の個人データを解析し、必要なデータをリンクさせることができる検閲装置に統合したことを評価しました。
タイトル:Origami Beak mask
Creator:Gozen Am
Comment
私は偏った趣味嗜好の欲で覆面作品をつくっている覆面アーティストです。それが誰かの役に立てる時期が来ているのであれば、大いに経験や思考を役立てたいと思っていたところ、幸運にもこのアワードの存在を知ることができました。結果として光栄な賞と評価までいただき、とても嬉しいです。誠にありがとうございます!また、マスクと人、マスクをした人同士のコミュニケーションなどマスクに関する文化が変容するタイミングで、たくさんのアイデアを拝見できたことはとても刺激になりました。COVID-19の影響で世界が大きく動く今、アイデアを世界中から集めるアワードを開催してくださったFabCafe Global関係者各位に感謝申し上げます。微力ながら、自分もできることを探っていこうと思います。
審査員コメント:Dr. Kenneth Kwong Si-san/鄺士山博士(香港中文大学元講師)
マスク内部に大きな空気空間があり、大面積のフィルターに空気を通すことで非常に高い通気性を保つことができています。また3タイプの異なったマスクの結束方法があり、非常に実現可能なデザインになっています。Aタイプは医療従事者に最適で、Cタイプは子供に最適です。折り紙をベースにした非常にエレガントなデザインでありながら、非常に高い通気性を持っており、縫製が非常に簡単です。改善点としては、鼻のカバー力を高めるために、上端にプラスチックストリップや金属ストリップを挿入すると良いです。鼻とマスクの隙間からの空気漏れが少なくなります。
審査員コメント: Maibelle Lin/林怡君(Pinkoi共同創設者/CPO)
折り紙や鳥のくちばしからインスピレーションを得た形状と、快適さと美しさを提供してくれるマスクである部分が気に入っています。口と鼻の周りに余裕を持たせることで、息苦しさを感じさせないマスクになっています。伝統的な和紙をマスクのデザインに用いることで、何気ない日常を明るくしてくれるような優美さと深い印象を与えてくれます。紙や布で簡単に立体的に作れるところも良いです。COVID-19のパンデミックのような困難な状況下で、世界中の人々が自分たちでDIYすることで、マスク不足を克服する力を与えてくれます。
タイトル:Mask cutter
Creator:YUKARI KOJIMA
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この度は、審査員賞にお選びいただきまして、誠にありがとうございます。この「マスクカッター」を思いついたのは、娘がとにかくセロハンテープが好きで、毎日のようにテープカッターで切り貼りして遊ぶ風景が目の前にあったからです。その光景を見ながら、工作感覚でマスクを自分好みにカスタマイズして作れる、文具の延長のようなマスクがあったら面白いのではないかと考え、この企画に至りました。今現在、世界的な規模で何かと不便を強いられる生活が続いていますが、どのような状況下にあっても、使いやすさ・楽しさを忘れないデザインで、くらしを豊かにでしていければ良いなと思います。
審査員コメント:大村卓(プロダクトデザイナー)
深刻な状況に陥っている今、現実的かつ新しい解決方法を示したのがこの案である。必要なときに必要な分を必要なサイズで使えるというアイデアは、個人というよりもファミリーだったり公共の場でより生かされるだろう。ロール状のマスクの提案は複数あったが、サイズの調整ができること、カッターとセットにしたことなど、この案のほうが特長をより生かしていると判断した。テープのように簡単に切れるのかとか、ホコリの付着が懸念されたりなど改良の余地は多いが、ぜひ商品化して欲しいデザインである。
タイトル:MojiMask
Creator:Mojimask
Comment
このような賞をいただけたことを大変光栄に思います。社会的に距離が離れている今の時代、Moji Maskが人々の心を少しでも近づけてくれることを願っています。私たちの夢は、モジマスクを製品化することです。フィードバックをお待ちしています。
審査員コメント: 金岡 大輝(FabCafe Tokyo CTO)
コロナ禍のなか、機能としてのマスクだけではなくコミュニケーションツールとしてのマスクを提案した作品。もはやマスクなしで他者とコミュニケーションをとることが叶わない世界で、他者に、シンプルかつユーモラスに感情を読み取れるようになっている。一見すると荒削りのプロトタイピングだが、既存のマスクをハックして使えるようなプロトタイピングも現実的なデザインで評価できる。使っている人を街中で見かけると人間のクリエイティビティがあれば、COVID-19を乗り越えることに希望が持てるような作品。
応募作品は全て、アワードプラットフォーム「AWRD」のWebサイトに掲載しています。
受賞作品以外にも、ユニークな未来のマスクのアイデアが多数ありますので、ぜひご覧ください。
応募作品一覧:https://awrd.com/award/mask-design-challenge/works
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FabCafe編集部
FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。
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