2025年2月4日、テクノロジーの祭典TechGALAの公式サイドイベントとして、「GIFT NIGHT -岐阜とのギフトを考える夜-」を開催。
会場には岐阜にゆかりのある人々、興味のある人々が集まり、岐阜が持つ多様な価値や未来の可能性について語り合う特別な夜になりました。歴史や風土が育んだ「ギフト」としての岐阜を見つめ直し、それをどのように次世代へとつなげていくのか。岐阜とのギフトを考える夜に交わされた対話から生まれた新たな視点や発見。その模様をレポートします。

会場では、岐阜ならではの食材を活かしたフードやドリンクを提供。朴葉味噌の香ばしい香りが漂い、甘く熟した柿が並び、地元の酒蔵から届けられた日本酒が振る舞われました。さらに、岐阜の豊かな自然が育んだ川魚や、狩猟文化の象徴ともいえる鹿肉も用意され、訪れた人々は五感を通じて岐阜の魅力を味わいました。食というギフトを通じて、土地の恵みや文化が参加者の記憶に深く刻まれたことでしょう。

イベントは二部構成で進行しました。地場産業やスタートアップ、アトツギとして地域に根ざすプレイヤーたちがその実践を展示すると共に、第一部では、「岐阜の今を知る」と称して、彼らが事業を営むなかで出会った岐阜の魅力や可能性、そしてこの地だからこそ受け取ることができた「ギフト」について語られました。岐阜の土壌が育む農作物や、森の資源がもたらす産業の可能性、伝統技術の継承と革新に向けた挑戦。地域に根ざした営みのなかに息づく知恵や価値が、未来へとつながる大切な財産であることが伝えられました。

第二部では、岐阜のこれからを語るディスカッションが行われました。「岐阜の魅力とは何か―」 この問いを軸に、地域の特色や可能性について熱い議論が交わされました。飛騨の木工、美濃の和紙、関の刃物、多治見のタイルといった多彩な産業を持つ岐阜は、それぞれが独自の価値を持ちながらも、連携することでさらに大きな力を発揮できると指摘されました。実際、異素材のコラボレーションが生み出した製品が海外で高く評価された例もあり、岐阜県内での距離の近さを活かしたつながりは「誰も真似できない」強みとなるのではないかという意見が出ました。

一方で、岐阜市と岐阜県の関係が分かりにくいことや、県内の求心力が弱いことが課題として挙げられます。そこで、中央集権的な発想ではなく、自律分散型のつながりを生かしたブランディングが有効であるとの意見も。地域ごとに独立しつつも、ゆるくつながりを持ち、いざという時には一致団結してオールスターとして挑戦する。そんな新たな戦略が提案されました。

私たちはついつい出会いや対話に対して、お返しをしなければと考えてしまいます。しかし、無理に急ぐのではなく、まずは出会いを大切にし、覚えておくこと。それだけでも、いずれ思いがけない形でつながる時が来るのかもしれません。この日集まった150人の参加者も、今すぐ何かを始めなくても、いつか思いがけない形でつながる日が訪れるかもしれない。そのとき、私たちはお互いにとっての「ギフト」となれるのではないでしょうか。

「あなたにとって、岐阜からもらったギフトとは何でしょうか?」
「あなたにとって、岐阜へ贈ることができるギフトとは何でしょうか?」

この問いは、イベントに参加した人々だけでなく、この記事を読んでくださっている皆さんにも向けられています。自然、文化、技術、人とのつながり。そのひとつひとつがギフトとして存在し、未来へと受け継がれていきます。岐阜という土地が持つ豊かな贈り物を、私たちはどのように受け取り、そしてどのような関係性を繋いでいくのでしょうか。それぞれの答えを探しながら、一緒に未来へ歩んでいきませんか。

+ 共催 +
ぎふスタートアップ支援コンソーシアム(公益財団法人岐阜県産業経済振興センター)
株式会社FabCafe Nagoya

+ 協賛・協力 +
食材:猪鹿庁, Umai Japan 株式会社, 小坂なリバーベース, 株式会社フォレストファーム, 株式会社リバークレス, 奥飛騨酒造, 船坂酒造, 三輪酒造, GIFTS PREMIUM
グラフィック:株式会社GOCCO.
写真:OH SNAPS! 染矢凌佑

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