Column

2017.8.20

SHIBUYA “To Go” キックオフイベントレポート

FabCafe編集部

 

福祉×デジタルファブリケーションで渋谷ならではの”プロダクト”をつくりだすインクルーシブデザインプロジェクト「SHIBUYA “To Go”」 のキックオフイベントを2017年6月18日(日)に開催したので、その様子をレポートします。

SHIBUYA “To Go”とは

渋谷でくらし・はたらく障害のある人の描いた文字や模様を、渋谷で学ぶ学生がデザインし、パブリックデータ化する「シブヤフォント」プロジェクトのリーディングプロジェクトの一環として始まりました。本年度は、グラフィックデザイナーのライラ・カセム氏のディレクションにより、渋谷区の福祉作業所を利用する障害のある方、桑沢デザイン研究所でデザインを学ぶ学生が共創し、FabCafe Tokyoのデジタルファブリケーション機材を活用して、渋谷ならではのプロダクト/お土産をつくります。
今年度は、日常の当たり前をユニークな観点で描くことで、所謂「お土産」でなく、「渋谷を持ち帰る」ことをテーマにしています。

プロジェクトに関する詳細はこちら。
【News】福祉×デジタルファブリケーションで渋谷ならではの“プロダクト”をつくりだすインクルーシブデザインプロジェクト「SHIBUYA “To Go”」

 

SHIBUYA “To Go”、キックオフ!

この日は2017年度のプロジェクトのオリエンテーション兼顔合わせ。

桑沢デザイン研究所の各学生の得意分野と、施設利用者さんの特徴から、事前にグループ分けがされています。キックオフでは、このような内容で、プロジェクトの全体像がシェアされました。イベントは、下記のような内容で進行しました。

タイムテーブル

  1. 渋谷区障害者福祉課の原課長により渋谷区の取り組みについて紹介
  2. ライラ・カセムさんから障害者支援事業所における協働デザインの理念、過去のプロジェクトの紹介、とともに本プロェクトの課題紹介
  3. FabCafe Tokyoの紹介
  4. 学生と施設担当者の自己紹介、テストサンプリング

今回、プロジェクトをご一緒する渋谷区障害者福祉課の原課長から、本プロジェクトに込める思いをプレゼンいただきました。渋谷区の象徴である「ダイバーシティ」を本当の意味で実現するには、障害のある方でも、自身のもつ創造性や発想が、何らかの形でいかせるような仕組みをつくっていかないといけないとのことでした。そのために、今回のプロジェクトで、障害者の方の描くイラストやフォントなどが、プロダクトとして活用される仕組みをつくっていければとの思いを持って、このプロジェクトを進めていこうとお言葉をいただきました。

次は、今回のプロジェクトのクリエイティブディレクションを担当していただく、グラフィックデザイナーのライラ・カセムさん。東京大学先端科学技術研究センターに特任助教として所属。足立区の障害福祉施設でも定期的に講師を担当し、障害者の方と協業で創作活動を行っています。
ライラさんご自身も脚に障害をお持ちで、障害者の観点から、障害者がアート活動を行うことの意義をプレゼンいただきました。障害者ならではの視点を見つけ出すポイントとして、その人が「何を」しているのかではなく、「どうして」を見つけるのがポイントだとライラさんは語ります。そんな中、ライラさんが長年続けてきた福祉作業所でのアート活動をまとめた、「創造能力を開花する8つの方法」を伝授していただきました。
“つくるもの”をはじめから定めた素材作りを行うのではなく、ひとりひとりのものの見方や感覚に寄り添って作られた作品の数々を見ると、生き生きとしていて素敵です。桑沢デザイン研究所の学生さんたちにとっても、いつもと全く異なるアプローチで新鮮だったはずです。

みなさん持参のノートにびっしりメモを取っていました。

続いてはFabCafeの弁慶が FabCafe Tokyoについて紹介。今回のプロジェクトでは、障害者の方と学生が協業でつくったデザインを、FabCafeにあるデジタルファブリケーションの機材でプロトタイピングします。「Fabとはなんぞや」という話から、FabCafeの役割、FabCafeではどんなことができるのかを、サンプルを手にとってもらいながらお話しました。

桑沢デザイン研究所にも各種工具はありますが、「Fab機材に触れるのは初めて」という方もたくさんいました。皆さんじっくりサンプルを眺めていました。感動しますよね。わかる。

「ものの見方や展開次第で、こんなに素敵なものがつくれるのか〜」「FabCafeってこんなことができるのか〜〜」とわくわくしてきた所で、グループごとに自己紹介。ちょっとしたアイスブレイクと素材集めの練習として、グループワークに取り組みます。凹凸のあるものに薄い紙をあてて、クレヨンやクレパスなどでこすって模様を写し取る「フロッタージュ」を行いました。桑沢デザイン研究所の学生さんは、授業で一度はやったことがあるかも。

「ここがすっごく気になって…」
普段気にしていなかったものが、素敵なテクスチャに見えるように…。

ものの見かたも切り取り方もいくらでもあるんだな、と再確認。ここまでで約3時間!集中しているとあっという間だけど、なかなかの長丁場。希望者はFabCafe Tokyo内を見学して、おひらきとなりました。これからは各学生が担当の福祉作業所に通って、コミュニケーションを取りながら、デザインの素材集め、作成に取り掛かります。お題となっている「渋谷の街を切り取る」ためにいろんな発想、ツールをインプットしたみなさん、どんな素材をつくりあげてきてくれるでしょうか。

本プロジェクトで収集したデータを素材化し、プロトタイプ化する48時間デザインチャレンジを2017年8月26日(土)~ 8月27日(日)にFabCafe MTRLで開催します。
27日の16:30より開催する成果発表会は、どなたでもご覧いただけますので、興味あるかたはお越しください。

SHIBUYA “ To Go” 48時間デザインチャレンジ 成果発表会

日時:2017年8月27日(日)16:30~17:30
場所:FabCafe MTRL
〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1−22−7 道玄坂ピア2階
見学OK!SHIBUYA “To Go” 48時間デザインチャレンジ

 

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  • FabCafe編集部

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