Event report
2019.9.3
FabCafe編集部
FAB RACERSでは、2018年度からものづくりとスポーツを組み合わせた競技の面白さと、STEAM要素を備えた教育コンテンツとしてストリートミニ四駆に取り組んでおり、これまでにもニコニコ超会議、未来の渋谷の運動会でストリートミニ四駆イベントを開催してきました。
そして、今回ついにストリートミニ四駆単独イベントを2019年8月17日に開催しました。
ストリートミニ四駆の本格的なイベントは日本初!しかも、ストリートミニ四駆の本場イタリアからコミュニティ創始者でもあるSHINKUROを招き日伊交流戦が実現しました。また事前にストリートミニ四駆のカスタマイズとガイドスティックを作るワークショップも開催。来年のオリンピックに向けて盛り上がりを見せるストリートミニ四駆をレポートします。
ストリートミニ四駆とは?
ストリートミニ四駆は公園や広場などのサーキットではないオープンスペースを、レーサーがガイドスティックでマシンを操作しながら走行する非公式のレースカテゴリーです。レギュレーションにおける基本的なコンセプトの一つとしてできるだけ実車のレーシングカーに近づけたマシン作りが挙げられます。また、ストリートミニ四駆のレースは、漫画・アニメの「ダッシュ!四駆郎」、そして現在連載中の「ハイパーダッシュ!四駆郎」や、「爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP」をベースにしています。現在、イタリアとインドネシアを中心にムーブメントが起こっており、その流れを逆輸入する形で日本でもここ2年ほどストリートミニ四駆のプレイ人口が増えて来ています。
会場となったのは、所沢にあるSKiP FACTORYという日本でも最先端の設備を持つスケートパーク。最近ではスケボーだけでなく、ドローンなどの会場としても利用されるなど、新しい取り組みをしている場所です。
イベント当日は、台風一過で快晴に恵まれ、10名の子どもたちを含む50名近い人たちが参加しました。まずはSHINKUROの日本語での選手宣誓で大会がスタート。本人はかなり心配していたようですが、十分日本語でその熱意は伝わりました。
イベントは「SHINKUROストリートミニ四駆スペシャルレッスン 」からスタート。デモンストレーションでプレイしたSHINKUROの圧倒的なテクニックに参加者からは歓声が。難易度がかなり高い立体コースを巧みなスティックさばきでマシンをコントロールしていきます。
次に参加者が実際にストリートミニ四駆を体験していきますが、今回はじめてやる人も多くマシンの動きに翻弄される場面も。そんな中子どもたちは暑い中でも元気一杯にマシンを追いかけます。自分の運動能力とマシンスピードを調整して、安定したマシンコントロールを実現するのもストリートミニ四駆の面白さです。
また、ストリートミニ四駆はマシンも独特。もともと整備されていない公園などでのプレーも想定しているので、サスペンションがついていたり、ガイドスティックの操作でマシンが回転したりしないように、ワイドドレッドにして滑りにくいタイヤを履いたり、ローラーはガイドスティックが当てやすいように高めの位置に斜めに実装されています。
特にイタリアのチームのマシンはサスペンション構造も独特。かなり複雑な構造になっています。そのためイタリアメンバーは1台を手塩にかけてカスタマイズし、長年大事に使う人が多いそうですよ。
休憩時間にはコンデレ、いわゆるデザインコンペが開催。40台を超えるマシンが一斉に並ぶ姿は圧巻です。
午後は3つのクラスでレースが開催されました。
- スペシャルリレーレース(4名1チームとなり、チームごとの対戦)
- ジュニアクラス(子供向けクラス)
- オープンクラス(誰でも参加可能なクラス)
■スペシャルリレーレース
スペシャルリレーでは、4名1チームとなり8チームが対戦。子供だけのチームも加わり熱戦が繰り広げられました。
日本で初のストリートミニ四駆コミュニティOFF-1を立ち上げた村雨さんも参戦。しかしそのチームムラサメでストリートミニ四駆ならではのトラブルが!プレイヤー同士が交錯した時に村雨さんのマシンが踏まれて木っ端微に!万事休すかと思ったのですが、村雨さんはなんと前輪を失うほど大破したマシンをスティックで履くという大技で爆笑かっさらい次のランナーにバトンタッチするという技を見せつけました。
決勝ではSHINKUROと日本のストリートミニ四駆コミュニティメンバーのみそ汁坊やさんがアンカー対決!体格と経験ではSHINKUROが有利かと思われましたが、劇的な展開でみそ汁坊やさんがSHINKUROに勝利!!大いに盛り上がりました。
■ジュニアクラス
ジュニアクラスでは、男の子と女の子が入り混じって必死にプレイするかわいい姿が会場を沸かせました。その中でもハルヤくんはかなり早くコツを掴んで一人余裕のプレイ。マシンと一体感を持って走っている姿はレッツアンドゴーのよう。そのままハルヤくんが見事優勝しマシンとガイドスティックをゲット。これから自分でマシンを作って楽しんでもらいたいですね。
■オープンクラス
いよいよメインイベントのオープンクラス。その幕開けはスペシャルリレーレースで活躍したみそ汁坊やさんがなんと一回戦敗退という波乱のスタート。みそ汁坊やさんを破ったのはゾーンさん。実はこの二人、4月のニコニコ超会議の中で行ったストリートミニ四駆カップの決勝でも対戦し、そのときはみそ汁坊やさんがゾーンさんを破って優勝したという因縁が。
そして、今回の大会にはデクロスのデザイナーでもあるやまざきたかゆきさんも参戦!普段はレーサーとしてドライビングはプロ級のやまざきさんですが、自分が走るのは想定外。自分のデザインしてカスタムしたデクロスストリートバージョンのマシンに翻弄される結果に。そして最終コーナーでは、アイスホッケーのシュートよろしく自分のマシンをスティックで思い切り叩き飛ばすという伝家の宝刀を繰り出し会場を大いに盛り上げていただきました。やまざきさんいわく、マシンより何より自分のチューニングの大事さを痛感したそうな。
ちなみに日本とイタリアのストリートミニ四駆にはルール以外にも大きな違いがあります。それはマシンとプレイヤーのセッティング方法です。SHINKUROを見ていただくとわかるようにイタリアのプレイヤーたちは日々マシンのスピードに追いつけるように身体を鍛えたり、サッカーなど他の競技をストリートミニ四駆のためにプレイしています。
一方、日本のストリートミニ四駆メンバーは自分のスピードに合わせてギア比やダミー電池などを使ってマシンスピードを調整するんですね。同じ競技でも国が変わるとアプローチも変わる面白さがあります。
いよいよトーナメントも最終局面に。準決勝に残ったのはいつも冷静で安定感抜群のゾーンさん、子どもたちが応援するパパレーサーのジョニーさん。もう一方は人が作ったマシンでコンデレで賞を獲得したエプロンさんとSHINKURO。
ゾーンさんに加えてエプロンさんもニコニコ超会議の上位入賞者。ハイレベルなレースが期待出来ます。
準決勝は2周勝負。まずエプロンさん対SHINKUROの対戦。どちらも安定感あるプレイヤーなので、一つのミスが大きなダメージになりそうな試合です。
試合は予想通りSHINKUROが先に飛び出すも意外な場面でSHINKUROがまさかのミス!そのスキを狙ってエプロンさんが間合いを詰め抜きつぬかれつの攻防に。結果最終コーナーを攻めきったSHINKUROが勝利!やはり最後は人のマシンでプレイする人より、テクニックと経験を積み重ねたほうが勝つんですね。
さて、ここでSHINKUROが勝ち上がってきたので、ちょっとルール変更。SHINKUROに負けたエプロンさんと準々決勝で負けたデクロスのデザイナーでpdc designworks のやまざきさん、そして僕(川井)の3名で3位決定戦を行うことに。
僕は調子に乗ってアルカリ電池二本投入した高速マシンを導入し一気にゴールを目指すという無謀な作戦に出ましたが、もちろん目論見は外れてにマシンに翻弄されゴールするのがやっと。ここまでの試合で体力を使い切っていたやまざきさんも、そのハンデを取り返すべくここでもまたもやシュート!!しかし残念ながら今回は決まらず。結果、安定した走りのエプロンさんが勝利し見事総合3位に。
さて、急遽準決勝が決勝扱いになったもう一組はアグレッシブに攻めるジョニーさんに対し、正に精密検査のような安定感のゾーンさんの対決。
マシンスピードの勝るジョニーさんがスタート直後に飛び出し先行する展開に。しかしU字コーナーを周った後でジョニーさんのマシンがまさかのスピンで逆走。その横をゾーンさんが冷静にパスして、そのままトップを譲らずゴール!SHINKUROを除くトップ3が決定しました。
そして、クライマックスは日本人1位のゾーンさん対SHINKUROのエキシビションマッチです。
レースはやはりマシンスピードとテクニックにまさるSHINKUROが圧勝!ストリートミニ四駆での実績を見せつけました。猛暑の中、参加してくれたみんなが笑顔で楽しめたイベントとなりました。今回のイベントはラジコンマガジンのムック本でも紹介予定。ストリートミニ四駆としても大きな転機となるイベントになりそうです。
今回、自費をはたいてこの大会を企画運営し、かき氷まで振る舞ってくれた日本のストリートミニ四駆伝道師のよわたりよしおさん(右)、そしてイタリアからやってきて参加者全員に最高のホスピタリティと本場のストリートミニ四駆凄さを見せつけてくれたSHINKUROのお二人に感謝です!
今後、より多くの人がストリートミニ四駆を楽しめるようFAB RACERSも応援していきます。ちなみに今年の年末開催予定のFAB RACERS CUPはストリートミニ四駆クラスの実施は確定!お楽しみに。
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