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2021.3.8

100を超える応募作品から受賞6作品を発表! 国産材の可能性を生み出す 「WOOD CHANGE CHALLENGE」

FabCafe編集部

受賞作品と、異分野クリエイターチームで制作した作品を3月5日より代官山 蔦屋書店にて展示

FabCafeが協力する国産材の需要創出・利用拡大を支援するプロジェクト「WOOD CHANGE CHALLENGE(ウッド チェンジ チャレンジ)」では、2020年11月から“国産材を活用するアイデアアワード”、“異分野のクリエイターが集結したプロトタイピング・イベント”を中心に各施策を実施しました。

※本プロジェクトは一般社団法人 全国木材組合連合会後援・林野庁補助事業の支援の元、FabCafeの関連組織である株式会社ロフトワークが主催しました。

国内外より未発表の作品やプロトタイプ、コンセプトスケッチやサービスまで幅広くアイデアを募集した「WOOD CHANGE AWARD」では、普段から木材を活用している職業の方だけではなく、グラフィックデザイナーや映像作家、アニメーターらのほか、学生、主婦など様々な方々から、100を超える応募作品が集まりました。

審査を経て、森林・林業への関心を高め『こんな森があったらいいよね』を共有・実現する場として、現役の林業従事者が開催する「もりのがっこう(仮)」を創立するアイデアがゴールドを受賞。シルバーには木材の吸湿性を利用して開閉するファサードシステム、ブロンズには自分で育てた苗が製品になって戻ってくる「戻り苗」のアイデアが受賞しました。その他ピックアップ賞には、3作品が選出され、新たな国産材活用の可能性が広がりました。

また異分野のクリエイターたちが集結し、新しい国産材の活用を試みたクリエイティブセッション「WOOD CHANGE CAMP」ではオンラインでの活動を中心に3チームに分かれて、アイデアのプロトタイプ制作を行いました。

この度、3月5日(金)から18日(木)の14日間、東京・代官山 蔦屋書店にて「WOOD CHANGE AWARD」の受賞作品や「WOOD CHANGE CAMP」作品を展示します(一部作品はタブレット端末やパネルで展示)。

林野庁 木材利用課長 コメント

カーボンニュートラルやSDGsという持続可能な未来に向けた社会課題の解決に、日本の森や木が大きく貢献できると考えています。 「WOOD CHANGE CHALLENGE」では、作品応募、キャンプやイベントに多くのクリエイターにご参加いただきました。
応募作品は、いずれも、木材の魅力や可能性を強く感じられるものでした。クリエイターの皆さんに生み出されたアイデアを通じて、多くの方々の日本の森や木への関心が高まり、ひとりひとりの「ウッド・チェンジ」のアクションにつながることを期待します。

「WOOD CHANGE AWARD」受賞作品

国産材にクリエイティブをかけあわせ、「もしかしてこんなに変わるかも(Would change)」という自由奔放なアプローチを集めました。国産材に無関心な人々、そのひとりひとりの小さなまなざしや意識に変化を起こし、大きな課題解決へ。そんな木と人との物語がはじまる、”Would Change”なアイデアを2020年11月18日(水)から2021年2月15日(月)まで募集。国内に加え、タイや中国など海外からの応募も含め103作品が集まりました。

結果発表ページ

ゴールド

作品名:「もりのがっこう(仮)」
クリエイター名:足立成亮、陣内雄、神輝哉、金内智美、木野哲也、SHIN sasaki、野中穂(林業従事者 、NPO法人理事、福祉事業・観光、北欧雑貨店主、文化芸術事業プロデューサー、デザイナー、カメラマンで構成)

<作品概要>
森林・林業現場への興味関心を高めることを目的に『こんな森があったらいいよね』を共有・実現する場として、現役の林業従事者がひらく「もりのがっこう(仮)」を創立するアイデア。環境保全型林業の現場として稼働している札幌市内山林から、北海道各地へ展開することを想定。

シルバー

作品名:「Hygrosensitive Shape-Shifting Facade」
クリエイター名:Zhenfang Chen(研究者)

<作品概要>
木材の吸湿性を利用して、相対湿度の変化に応じて、晴天時には閉じ、雨天時には開く、気象に敏感な、可動ファサード。実際に実験や、試作でのテストも実施した上で提案している。

ブロンズ

作品名:「戻り苗」
クリエイター名:奥川季花、西来路(協力:株式会社中川、樹木医:大谷栄徳)(編集者、グラフィックデザイナーで構成)

<作品概要>
林業で使用されるスギ、ヒノキ、ウバメガシの苗を家庭で育て、山に植えてもらい、同じ山で育った木が製品となって、手元に戻ってくるというサービス。 木材製品への愛着と、日本の森林に対する関心を高め、林業界の課題の一つである日本木材の国内消費増加につなげる考え。

  • #MATERIALITY賞

    作品名:「木雲」
    クリエイター名:齋藤拓海(大学院生)

  • #ACTIVITY賞

    作品名:「ICE TREEM」
    クリエイター名:田嶋千寛(大学生)

  • #STORYTELLING賞

    作品名:「触れると思わず前に進みたくなる、音を奏でる木の手すり」
    クリエイター名:MATHRAX 〔久世祥三+坂本茉里子〕(アートユニット)

審査員コメント

永山祐子

建築家

本プロジェクトでは、「プロが見て凄いもの」よりも、一般の方にも想像、共感してもらえるアイデアが求められていたと思います。応募作品は様々な分野から多様なアイデア・プロダクトが集まりました。その中でも受賞作品は、そのアイデアを見た人が新たな可能性を語り始めるくらい想像力が掻き立てられる、“未来への種”を感じるもの、そして身近な体験をアイデアにした共感性のあるものを選ばせていただきました。

秋吉浩気

建築家 /メタアーキテクト/VUILD株式会社代表取締役CEO

人と木の関係を再構築するためには、これまでの常識を疑い行動することが大切であると、審査を通じて学びました。現場である山を人々の居場所として再定義するだけでなく、林業従事者という職能を創造者へと再定義しているゴールドを筆頭に、様々な勇気ある挑戦に出会うことができました。とりわけ、学生達が山や流通に踏み込んで提案していた点が印象深く、このような時代の変化の追い風として各賞が貢献できればと願っています。

佐藤ねじ

アートディレクター/プランナー

林業が抱える課題を家庭菜園で解決に導くアイデアなどに、「未来的」「WEB的」な発想を感じ、面白かったです。サービスを通して問題提起の意識が続いていくアイデアに、沢山のキャッチコピーが生まれる気配を感じています。審査を通して感じたのは、「よいものを作るひと」と「それを伝えるひと」の両方の存在が大切だということ。一つの批評が、その価値を伝えることに機能すると感じました。

若杉浩一

武蔵野美術大学 造形構想学部 クリエイティブイノベーション学科 教授

予想だにしないもの、「その手があったか!」と感じるものなど、多様なアイデア溢れていて興味深かったですね。また、そこに第三者のアイデアが加わると、一気にリアリティが加速して、実装などの次のステップに行くこともイメージでき、審査を通して将来性を語る意味でも面白かった。イノベーターとして山に関わる人が増えていけば、人々はより山に興味を持ち、山に戻っていく未来も見えた気がします。

 

「WOOD CHANGE CAMP」作品

異分野のクリエイターたちが集結し、新しい国産材の活用を試みたプロトタイピング・イベント「WOOD CHANGE CAMP」。

木工の経験や実績は問わず、「木に何らかの可能性やモチベーションを感じている」ことだけを条件に選考を突破した「公募クリエイター」、『広告』編集長の小野直紀氏、建築家の元木大輔氏がプロジェクトのテーマに沿ってアイデアを形にできるよう導く「メンター」、そして木の扱いや加工に詳しい「木のディレクター」でスペシャルチームを結成。

1月上旬にFabCafe Tokyoで活動をスタートさせ、その後はオンラインでの活動を中心にアイデアのプロトタイプを制作。約40日間をかけて、アイデアのアウトプットに磨きをかけた3チームは、3月5日(金)にオンラインにて実施される「WOOD CHANGE AWARD」授賞式内で「WOOD CHANGE CAMP」のプレゼン大会を実施予定。一般投票を行い、BEST CAMP賞を決定します。

 

  • 作品名:「Forest crayon (仮)」
    チーム名:Playfool(デザインエンジニア2名にて構成)

    <コメント>
    「Forest crayon」は、家具や建材の規格から外れた木材を用いたクレヨンです。材種によってや、日焼けや菌類の影響により、木の色は決して「茶色」ではなく、多様であることに気づきます。

  • 作品名:「chopping」
    チーム名:MULTISTANDARD(デザイナー4名にて構成)

    <コメント>
    人工的な製材が作り出す数学的な知恵と、かつての生活の風景である薪割りの原始的な知恵を掛け合わせてできた家具です。どちらにも転ばないその佇まいに、私たちは未来のスタンダードの多様性を感じています。

  • 作品名:「ForestBank」
    チーム名:狩野佑真(デザイナー)

    <コメント>
    ForestBankというマテリアルは本来の木材と同様、切り出す箇所によって現れる模様が分からないということに面白さと可能性を感じます。今後様々な用途に利用されることを期待します。

授賞式(開催終了)・展示会概要

2021年3月5日(金)に「WOOD CHANGE AWARD」、「WOOD CHANGE CAMP」に関する授賞式をオンラインにて、展示会を東京・代官山 蔦屋書店 2号館1F建築・デザインフロアにて実施します。

授賞式&トークイベント(オンライン)

受賞作品の表彰、審査員によるクロストーク(講評)、CAMP参加クリエイターチームによるピッチ(一般投票受付でのBEST CAMP賞選出)を実施予定。

展示会

代官山 蔦屋書店にて、建築デザイン担当のコンシェルジュがアレンジしたディスプレイで受賞作品の展示を実施。木に関する書籍や国産材を使った雑貨の展示販売なども行います。

  • 開催期間 2021年3月5日(金)~3月18日(木)
    *一部作品はタブレト端末/パネルで展示

主催

協力・協賛

後援

 

支援

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