Project Case
2019.6.12
FabCafeでは、2014年からミニ四駆やドローンなどの競技を通じ、エンジニアリングやデザインを学ぶ「FAB RACERS CUP」を開催しています。年に1回行われる大会に向けて、ワークショップやハッカソンを開講、それぞれの分野で専門性を持ち働く大人たちが、キラキラした顔で、真面目に遊びながら学んでいます。 300人を超えるコミュニティとして成長し、企業とクリエイターとのビジネス機会を生むプラットフォームをご紹介します。
プロジェクト概要
- (成人向け)エンジニアリングやデザインを学ぶハッカソン、ワークショップの開催
- (子供向け)STEAM教育に対応したワークショップの開催
未就学児から50代まで、メンバーは300人超。カー・バイクデザイン界を代表するメンバーも参加
2014年にFabCafe主催でスタートした「FAB RACERS CUP」。毎年1回、FabCafeや外部会場で、ミニ四駆やドローンの競技大会を開催しています。まずはこのビデオをご覧ください。真剣に遊ぶ、大人たちのイキイキとした姿に、魔改造を重ねたミニ四駆マシンが必見です。
参加者層は、未就学児から小学生、ファミリー親子、50代までと幅広く、現在は300人超がコミュニティに参加しています。 コミュニティメンバーには、カー・バイク・デザイン業界を牽引するメンバーが集まっており、大会委員長にトヨタ自動車株式会社出身で、電動バイク『zecOO』やトヨタ自動車のコンセプトカー『Camatte』『Setsuna』を手掛けるプロダクトデザイナー根津孝太さん、大会副委員長に、本田技術研究所出身で『Ape』『ZOOMER』『GROM』などヒット商品を手がけたデザイナーのやまざきたかゆきさんが参加しています。
Fab Racersのミッションとは
FAB RACERSには2つのミッションがあります。
1.「遊び」を通じて「学び」を提供する
FabCafeが「FAB RACERS CUP」を主催する目的の一つが、「遊びを通じて、学び、ものづくり意欲を高める」こと。そのために、ただミニ四駆の大会を行うのではなく、エンジニアリングやデザイン、IoTやAIなど、広く新しい技術を学ぶためのハッカソンやワークショップを行なっています。
2. 企業とクリエイターを結びつけ、新たなビジネス機会を探る
もう一つの目的は、コミュニティメンバーと一緒に、外部企業とも積極的にコラボレーションし、既存の仕組みではなし得ないインパクトを出すこと。仕事とは違う動機で集まる、様々な分野のプロフェッショナルやクリエイター。彼らと楽しく遊びながら何ができるかを探っています。
各分野のプロによる、最新のテクノロジーを学べるワークショップやハッカソン
大会前や大会中には、ミニ四駆やドローンをテーマに、プロダクトデザインやプログラミング、エンジニアリングなどが学べるワークショップやハッカソンを開催しています。 講師は、FAB RACERSメンバーの中から、各分野のプロフェッショナルが担当。ワークショップやイベントの内容は、コミュニティメンバーが設計、運営を行い、コミュニティが自走しながら活動しています。
子供向けには、STEAM教育に対応したワークショップを開催。親子で遊びながら学ぶ
ミニ四駆やドローンは、子供達の間でも大人気の遊び道具。FAB RACERSでは、子供たちが大人と一緒に、遊びを通じてアートやテクノロジーに興味を持てるようなプログラムを多数開催しています。 ワークショップでは、組み立てから操縦という一連のアクティビティを通じて、子供たちがデザイン思考やエンジニアリングの基本となる考え方を学べる仕組みにしています。理数系、芸術系分野に強い人材を生み出すSTEAM教育*のきっかけとして利用される保護者の方も多くいらっしゃいました。 *STEAM教育とは STEAM はScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)のそれぞれの頭文字をとり、教育分野を総称した言葉です。
コミュニティと企業を結ぶ取り組み
FAB RACERS CUPは、遊びを通じて学ぶ場所でありながら、そこに集まる個人クリエイター達と、企業や自治体を結びつけるコミュニティとして成長してきました。これまで30以上の企業と、様々なコラボレーションを行い、ビジネス機会を生み出す場となりました。いくつかの例をお伝えします。
オートデスク株式会社:製品のユーザーと事例を獲得
初心者からプロフェッショナルまでが無料で使える、オートデスク社の3Dモデリングアプリケーション「Fusion360」。ミニ四駆のステーやホイールなどのパーツのデザインを通じ、3Dモデリングの基礎を学ぶワークショップを開催。これまでCADに興味を持たなかった層の開拓や、コンテンツ獲得の機会となりました。最新のCNCを使って制作した、「金属削りだしミニ四駆」は、大会後も実績紹介によく使われています。
株式会社クリエイティブボックス:他業種の企業との出会いや、社内メンバーのマインドセットの教育として利用
日産のデザインスタジオであるクリエイティブボックスが、大会前に、カーデザインのワークショップを開講。新しい技術を持った企業との繋がりや、クリエイター、エンジニアとの繋がりを得たほか、参加する社内メンバーのマインドセットを変える教育的な取り組みとなっています。
諏訪市:Fab Racersの仕組みを使い、地元企業の技術を広める取り組み
FabCafeを運営するロフトワークが長野県諏訪市とタッグを組み、諏訪市が世界に誇る精密加工技術の魅力を発見し発信する「SUWAデザインプロジェクト」にて、FAB RACERS とコラボレーションしたハッカソンを開催。精密技術の魅力を発見し発信する大成功プロジェクトとなりました。詳しいプロジェクト内容はこちら
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FabCafe編集部
FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。
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