Column

2018.11.5

J.A.C 2018全国4位を受賞!リードバリスタ五十嵐克弥にインタビュー 

FabCafe編集部

Tokyo

FabCafeバリスタ・五十嵐が、「Japan AeroPress Championship 2018」(以下J.A.C)の東京予選で1位、全国で4位を受賞! おめでとう五十嵐くん!

受賞を記念して、五十嵐くんに大会の感想や今後の目標を突撃インタビューしました。バリスタになる以前の意外な経歴や、”五十嵐的・コーヒーを淹れる際のこだわり”も話してくれました。

テキスト=宮﨑有里

 

「誰が一番美味しいコーヒーを淹れられるか」を競う大会J.A.C.

── 早速ですがJ.A.C受賞おめでとうございます。大会は緊張しましたか?

五十嵐 ありがとうございます!めちゃめちゃ緊張しました。今まであんなにたくさんの人の前でコーヒーを淹れたことがないので手も震えました。でもあのステージに一度立つと、もうやめられないですね。

五十嵐さんが出場したJ.A.C.とは、「エアロプレスという器具を使用して誰がいちばん美味しいコーヒーを淹れられるか」を競う世界大会・World AeroPress Championshipへの出場権をかけた大会。日本では2012年に初開催され、今年度は東京・仙台・大阪・福岡での予選を勝ち抜いた各都市のチャンピオンが、9/29に東京で開催された決勝大会でその腕を競った。


金色に輝くエアロプレス型のトロフィー。実際にコーヒーを淹れることもできる。

五十嵐 審査はとてもシンプルで「誰がエアロプレスを使って一番美味しいコーヒーを淹れられるか」だけです。決められた原料と制限時間を守れば、なにを使って淹れても良いんです。

J.A.Cの審査にスコアシートは無く、3人の審査員が「一番美味しいと思うコーヒー」を相談無しで決める。つまり、「こういう味のこういうコーヒーを目指す」のではなく、自分自身のなかで一番美味しいと思うコーヒーで挑むしかないのだ。


2018年度決勝大会での五十嵐さん

─── ところで、大会に出たきっかけはなんですか?

五十嵐 僕がFabCafeに入って1年目のとき、先輩の宮崎さんがJ.A.Cに出るのをきっかけに大会の存在を知りました。僕も同年(2016年)に応募したのですが予選で敗退。でも宮崎さんは全国1位になったんです。僕も1位を獲りたくて次の年も出場しましたが、決勝大会の一回戦で負けました。

高校時代は板前さんになりたかった

─── そもそもバリスタになった経緯を聞かせてもらえますか。

五十嵐 実は僕、18歳のとき料理人になりたくて栃木から上京したんです。その前に高校も料理学校に通っていて、そこで調理師免許をとりました。そのときは板前さんになりたかったんですよ。今じゃ想像できないでしょ(笑)


─── それは意外ですね!

長い髪とクリアフレームのオシャレなメガネをかけて微笑む五十嵐さん。板前の夢がバリスタに変わるまでには紆余曲折があったようだ。

五十嵐 調理師免許を取った後に旅館に住み込みで修行にいったのですが、厳しさに耐えきれず心折れて泣きながら帰ってきました。これからどうしようかと思ったときに、前からあった「東京に行ってみたい」という思いを実現することにしたんです。

お客さんに料理を提供しコミュニケーションもできる職業につきたい

その後五十嵐さんは、東京でも料理学校で勉強を続け、就職したパン屋さんで自分のやりたいことに気づいていったと言う。

五十嵐 パン屋さんも最初は楽しかったんですが、ずっと裏にこもって作っているので、お客さまの顔を見られないんです。人と話すのが好きなので、自分の提供するものを受け取ってくれる相手の顔を見て、コミュニケーションもできる職業につきたいと思いました。それでバリスタに興味を持ちました。

─── 五十嵐さんは接客も好きなんですね。いろんなカフェがあるなかでFabCafeを選んだのはなぜですか。

五十嵐 FabCafeには、パン屋で働くよりも前に友達と偶然来たことがありました。そのときはなんとも思っていなかったのですが、パン屋で働き続けることにもやもやしていたときにカフェの求人を探していて思い出し応募しました。

五十嵐さん的、コーヒーを淹れるときのこだわりとは??

2015年にFabCafeに加わり、それから独学でバリスタの勉強を開始。今年でバリスタ歴4年目となる五十嵐さんに、コーヒーを淹れる際大切にしていることを聞いた。

五十嵐 (すこし考えて)フィーリングが一番です。今はコーヒー自体も研究している人が増えて、美味しい濃度を数字で表せる時代なんですよね。だけど僕はそういうものを使おうと思わないです。ずっと料理をやってきたので、味覚はだれにも負けない自信があるのかもしれません。「美味しい」は人それぞれだけど、自分の「美味しい」なら他の人にも喜んでもらえる、みたいな。


─── まさかのフィーリング!誰にも真似できないですね。ではその日の気分によって淹れるコーヒーも変わるんですか

五十嵐 そうですね。実は大会のレシピも今年と昨年じゃ全く違います。でもFabCafeで「こういうのが飲みたい」とお客さまにリクエスト頂いたら、希望に応えます。おすすめを聞かれたときは、相手の気分を聞いたり、食事に合わせて淹れるコーヒーを変えていますよ。

─── 相手の気分に合わせて淹れるコーヒーを変えられる五十嵐さんですが、五十嵐さんがいちばん好きなコーヒーはなんですか。

五十嵐 もちろん自分で淹れたコーヒーも美味しいけど、人に淹れてもらったコーヒーはなんでもうまいですね。だから自分も、いまお客さまに求められたベストを出したいという気持ちで淹れています。

─── わ、すてきですね。「どこ産の豆で、淹れ方は〜」みたいなマニアックな回答がくるかと思っていたので意外です。

「おじいちゃんになってもコーヒーを淹れている気がする」

─── バリスタとしての今後の夢はありますか。

五十嵐 なんでもそうですが、コーヒーの淹れ方にも正解はないので、枠にとらわれず今できることをやっていきたいです。それから今、母校の先生に講師の依頼も頂いていて、教える仕事にも挑戦してみたいと思っています。いつかは独立して、自分のカフェを持つのが夢です。おじいちゃんになってもコーヒーを淹れている気がしますね。

─── 五十嵐さんのコーヒー屋さん楽しみです!最後に、もちろん来年もJ.A.Cに出場されますよね??

五十嵐 はい、全国1位をとって世界にいきたいです。もっと勉強します!


インタビュー中、常に謙虚で周りへの感謝を口にしていた五十嵐さん。ぜひ五十嵐さんの淹れるコーヒーを味わいに、FabCafeに遊びに来てください!

Author

  • FabCafe編集部

    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

    この記事に関するご意見やご感想は、ぜひお気軽にこちらからお寄せください。
    お問い合わせフォーム

    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

    この記事に関するご意見やご感想は、ぜひお気軽にこちらからお寄せください。
    お問い合わせフォーム

FabCafe Newsletter

新しいTechとクリエイティブのトレンド、
FabCafeで開催されるイベントの情報をお伝えします。

FabCafeのビジネスサービス

企業の枠をこえて商品・サービスをともに作り上げていく
FabCafeのオープンイノベーション