Column
2017.1.11
FabCafe Hida 編集部
2017年12月、雪の降る飛騨を広告分野で幅広く活躍されている福田敏也さんが訪問。自身が教授を務める大阪芸大研究室用の家具をつくるため、FabCafe hidaを訪れ滞在制作をされました。
福田さん自身がその工程をまとめられたものをベースにブログとしてまとめました。天然無垢材しかも様々な個性的樹種を組み合わせたテーブルのセルフプロダクションにご興味のある方、ぜひ参考にしてみてください。
まずは福田敏也さんのご紹介から。
福田さんは自称”広告屋さん”の広告エキスパート。777 Interactiveを経営、博報堂Creative x Technology Center for Future Brandingにてセンター長、大阪芸大で教授を務め、FabCafe創業メンバーとして世界のFabCafeのクリエイティブ領域をサポートし、クリエイターのプラットフォームであるクリエイティブ賞、YouFab Global Creative Awardを牽引するなど、多領域を股にかけ活躍しています。
12月17日午前、雪の降る飛騨へ到着しました。飛騨のしんしんと降る雪景色は冬ならではの特別な風景。町に静寂の時をもたらします。
早速、FabCafe hidaの工房へ。
FabCafe hidaの工房にはUVプリンターとレーザーカッター、3Dで切削のできるCNCルーターなどのFab工作機械と
家具をつくるための木工機械ひととおりのマシンが揃っています。
ここから作業工程を順番にレポートします。
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天板を構成する樹種を選ぶ
飛騨には個性豊かな広葉樹が溢れています。広葉樹は50万種ほど存在すると言われています。
このように曲がったり色も木目も匂いも異なる様々な樹種で立派な木々があります。
そんな種類の豊富な広葉樹から好きな樹種を選ぶところからワークはスタートします。
その中から福田さんは白基調の栗とトネリコを選び、互い違いに組み合わせることにしました。
2. 材木を選ぶ
実際に加工する材を選びます。FabCafe hidaには多種の材料を揃えております。
3. 木取りする
希望サイズに合わせて木取りをします
4. 横切りテーブルソーでパーツを切り出す
木取りした線に沿ってパーツを切り出します
5. サイドのミミをバンドソーでカットする
6. カンナ盤でパーツを仕上げる
7. 製材したパーツを接着
ビスケットで留める。強く金具で締め、一晩接着剤を乾かす。
8. 天板の端を切り揃える
9.ヤスリをかけて表面仕上げ
80番から400番まで順番にかける
10. みつろうを塗りツヤを出す
塗りを終えた天板。美しい!
11. 天板と脚を3Dプリンターで接合
ここでFabCafe の本領発揮!
木工マシンだけでなくFabマシンが揃っている工房ならでは、3Dプリンターでつくったジョイントで天板と脚を接合。アナログとデジタルの融合したテーブルの登場です。
今回は脚となる35mmの角材に合うジョイントをつくります。
仕上がったテーブルの様子はヒダクマのFacebookでお知らせしますので乞うご期待ください。
以下、参考までに過去に制作した3Dプリンターのジョイントテーブルをご紹介します。
ジョイントパーツと角材
コンピューター上の設計イメージ
脚とジョイントをつなげたイメージ
天板を組み合わせた完成イメージ広葉樹まぜまぜ天板を上から見たイメージ
福田敏也さん制作を終えてのコメント:
材料を決めたのが前日の午前中。そして材木置き場でクリとトネリコを選んだのが前日午後14時。それから1日でこれほどに美しい幅180センチの大テーブルができてしまうのですね。ちょっとビックリ。材木を切るとか、危険がともなう作業はスタッフが動いてくれます。でも「自分で作る」が基本なので、すべての工程を木屑だらけになりながらやる。工程も流れもよく整理されているので、初めてでも驚きのクオリティで家具が作れます。なんか自分がすごく器用になった気分になってました。すでに大阪芸大に到着しているので興味ある人は見に来てください。
今回は、FabCafe飛騨の敷地内にキャンプして作業するパックで逗留しました。多分次は「椅子」です。誰か一緒にいきませんか。
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