Event report

2020.7.19

「地域」と「世界」。想いでつなぐモノづくりの関係性 ‒ Local Fab, Global Fab vol.1 レポート

FabCafe Nagoya 編集部

Local Fab, Global Fab -地域と世界をつなぐ Fab のあり方を探る-

これまで、地域のものづくりは、その地を訪れることによって価値が広がってきました。

旅先で偶然出会った、心ときめく産地の工芸品。 少し手に取ってみると、嬉しそうに話しかけてくれたお店の人とした会話が心地よくて、つい買いすぎてしま ったり。 こんな些細な思い出が、私たちの心に残る地域の色であり、ものづくりであり、その旅を彩ってくれるものなのかもしれません。

しかし新型コロナウイルスという大きな波が、こういった従来の「地域のものづくりとつながるための時間」 を大きく変えていくことになりました。離れていても、世界中のどこからでも、地域のものづくりとつながることができる。 一方で、これまでの暖かさを失わないように紡いでいくにはどうすればいいのだろうか。

2020 年 6 月 18 日、9 月に新規オープン予定の Fabcafe Nagoya が、オンラインイベント「Local Fab, Global Fab」を開催しました。 名古屋という Fabcafe にとっての新たな地から、今の時代にこそ必要な「地域と世界を繋ぐ Fab のあり方」 を探りました。

イベント概要
https://fabcafe.com/jp/events/global/local-fab-global-fab-vol-1/

当日アーカイブ映像はこちら

ゲストプレゼンター

  • 澤田 哲也

    ミテモ株式会社 代表取締役

    ミテモ株式会社代表取締役。 クリエイティブ×テクノロジー×教育を軸に、多種多様な教育事業を立ち上げ、2018年には「JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL」設立。2020年、全国各地の作り手・産地と生活者を繋げるオンライン・クラフト・マルシェ 「Local Craft Market」を立ち上げ実施。

    https://www.localcraftmarket.co

    ミテモ株式会社代表取締役。 クリエイティブ×テクノロジー×教育を軸に、多種多様な教育事業を立ち上げ、2018年には「JAPAN BRAND PRODUCE SCHOOL」設立。2020年、全国各地の作り手・産地と生活者を繋げるオンライン・クラフト・マルシェ 「Local Craft Market」を立ち上げ実施。

    https://www.localcraftmarket.co

  • 牧 幸佑

    CONERU nendo shop & space 代表

    愛知県瀬戸市生まれ。70年以上続く粘土製造会社の5代目後継ぎ。大学を東京で過ごし瀬戸市の大手電機メーカーへUターン就職、広報部門の主任を担当。2019年4月より、家業である陣屋丸仙窯業原料株式会社に入社。2020年6月、粘土ショップ&陶芸スペースの『CONERU nendo shop & space』をオープン。

    https://www.coneru.co.jp

    愛知県瀬戸市生まれ。70年以上続く粘土製造会社の5代目後継ぎ。大学を東京で過ごし瀬戸市の大手電機メーカーへUターン就職、広報部門の主任を担当。2019年4月より、家業である陣屋丸仙窯業原料株式会社に入社。2020年6月、粘土ショップ&陶芸スペースの『CONERU nendo shop & space』をオープン。

    https://www.coneru.co.jp

Opening Talk ‒新しい時代の Fab と Local Craft‒

2014年のFab City宣言で示されたFab City Modelでは、これまでの生産地から製品が⻑い旅路を経て消費者に届くという従来の形から、データが世界中を 飛び交い、それぞれの場所でクリエイターが生産をするという新たなエコシステムの構造が提案されました。

今回は、このFab City Modelから実践の方法へ踏み込み、“local Fab”がこれからどう歩んで行くべきなのかをゲストトークやディスカッションを通して、その可能性を模索しました。

Local craft Market の実践がもたらした、オンラインマーケットの新たな可能性

ゲストトーク一人目は、澤田哲也さん。ミテモ株式会社代表取締役として、2020 年、全国各地の作り手・産地と生活者をつなげるオンライン・クラフト・マルシェ「Local Craft Market」を立ち上げました。Local Craft Marketを開催される中から見えてきた、地域を繋ぐオンラインの新たな可能性についてお話をいただきました。

オンラインマーケットの開催を通して、デジタルの、スピード感が早く低コストで実施できるという特性から、今後は誰でもどこでも繋がれる“多極分散型マーケット”が新たな形で生まれ、実践と知見の共有を往復することで産地と消費者がデジタルを通じて繋がっていく可能性が示唆されました。

また、これからのデジタルなマーケットの傾向として、商品の裏側にあるストーリーを強調した「物語の前面化」が重視され、売り手・買い手以上の信頼関係による購買が生まれることで「使われ続けることで価値を生む」というような潮流が今後生まれてくると示されました。

枯渇する粘土からイノベーションを巻き起こす ‒やきものの街瀬戸を未来へつなぐために‒

二人目のゲストトークは、牧幸佑さん。70 年続く粘土製造会社の5代目として家業を継ぎながら、2020年に「CONERU nendo shop &space」をオープンさせ、粘土からイノベーションを起こす数々の仕掛けを作り出しています。工房の現場における課題から、新たな価値を生み出すスペースとしてのCONERUについてご紹介いただきました。

愛知県瀬戸市における窯業関連事業は急激に減少しており、また粘土はあと数年で枯渇すると言われる中で、焼き物の産地として存続の危機に直面しています。牧さんはこれらの課題を解決するために、瀬戸産粘土の新しい価値を創出し、やきものの街として永続させるための試みとして広く開かれた陶芸スペース「CONERU nendo shop &space」を立ち上げました。“アマチュア層”を育成し、陶芸を身近なものとしてより多くの人に親しんでいただける仕掛けを作っていくとのことです。

‒ Local Fab とデジタルの化学反応が、新たな価値を生み出す‒

最後に、CONERU 副代表の南さんも交え、物理的な障壁を超えて地域が繋がり、新たなエコシステムを構築していく可能性を探るクロストークを行いました。

デジタル起点の視点をもつ澤田さんと、アナログな分野で挑戦をしている牧さん、南さんのそれぞれの視点からの意見を交わす中で、デジタルにおけるアーカイブ性などの特性や、アナログな体験の優位性を再認識し、両者を組み合わせた体験を創出していくことがFab City Modelを社会へ実装するポイントになることが示されました。

詳細はこちらより当日アーカイブ映像をご覧ください!

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