Column

2021.12.13

旋盤でつくるエンジュのペーパーウェイト

製作:tek.to studio

志田 岳弥

Hidakuma 森のプロデューサー

Hida

岐阜県高山市国府に新しく開設した、会員制木工アトリエ「tek.to studio(テクトスタジオ)」。その工房でエンジュを使ったペーパーウェイトが製作されました。製作に要した機械加工の中でも、木工旋盤は初挑戦だったとのこと。旋盤とUVレジンを使った加工により、エンジュの年輪が際立つ不思議な作品ができあがりました。

暗褐色の色味と光沢が特徴のエンジュ。心材と辺材の色味の違いが独特で、高級な床柱に使われてきたほか、指物や木彫の材料としても人気です。中央に流し込んだレジンの鮮やかな青色と、エンジュの木肌のコントラストが目を引きます。

オイル塗装により、木目と艶が一層際立っています。手で持つとずっしりと重みを感じる、高級感のある作品。

<仕様>

材料:エンジュの切り株・UVレジン
サイズ:φ86㎜ H56㎜
仕上げ:オイル塗装

  • ①コンパスを使って円を描く

  • ②ボール盤で旋盤に取り付けるための穴を5㎜程度掘り、コンパスで書いた線に合わせてバンドソーで丸く切り抜く

  • ③旋盤を使って形を整えながら、直感的に削っていく

  • ④ボール盤で空けた穴に、UVレジンを入れてライトを当て固める

  • ⑤完成

これまで何度か「蔵出し広葉樹」を利用してもらっていたテクトスタジオの高谷さん。今回もカフェで一息しつつ、アトリエに導入したばかりの木工旋盤を使った作品づくりの材料として、FabCafe Hida/ヒダクマスタッフおすすめのエンジュの輪切りを購入し、使ってくれました。飛騨の広葉樹の可能性を広げるために何ができるか。それを考えながらとにかく手を手を動かしたそう。

木を削る中、前々から試したかった木とレジンの組み合わせをこの作品で実践することに。ブルーとエメラルドグリーンの発色を際立だせるために、中には白い厚紙が入っています。初めての加工のため、刃物の切れ方と切削方向に気を付けながら安全第一で製作しました。

tek.to studio(テクトスタジオ)

高山市国府町にある会員制木工アトリエ。木工作業を気軽に楽しめる場所として2021年8月にオープン。
木工旋盤をはじめ、各種木工機械が揃っている。
木工に携わる人が多い飛騨圏内で、ワンランク上の作品づくりを楽しむことができる。月額会員と一般会員あり。(ともに中級者向け)

Instagram:https://www.instagram.com/tek.to.studio/

初めて木工旋盤を使って作品作りをしてみましたが楽しく作品づくりができました。槐の木、重さと木肌が高級感があるいい木材で勧めてもらって良かったです。レジンの利用も初めてでインスピレーションで作った作品となりました。今後は飛騨の広葉樹を使って、木工の楽しさを伝えていきたいです。

tek.to studio

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  • 志田 岳弥

    Hidakuma 森のプロデューサー

    1991年東京生まれ。琉球大学農学部を卒業後、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊としてペルー共和国に赴任し、国家自然保護区管理事務局(SERNANP)ピウラ事務所にて環境教育に従事。流通業界紙記者、チリ共和国でのサーモン養殖産業についての取材活動を経て、2020年6月よりヒダクマに所属。マーケティングや滞在型プログラムの企画・運営などを担当している。地元漁業組合でも活動中。北アルプスや周辺エリアを源流とする高原川流域にて、渓流魚を対象としたフィールドワークを展開している。

    1991年東京生まれ。琉球大学農学部を卒業後、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊としてペルー共和国に赴任し、国家自然保護区管理事務局(SERNANP)ピウラ事務所にて環境教育に従事。流通業界紙記者、チリ共和国でのサーモン養殖産業についての取材活動を経て、2020年6月よりヒダクマに所属。マーケティングや滞在型プログラムの企画・運営などを担当している。地元漁業組合でも活動中。北アルプスや周辺エリアを源流とする高原川流域にて、渓流魚を対象としたフィールドワークを展開している。

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