Column

2018.9.20

飛騨古川の郷土の味を食べに行こう –「おかず屋 山本」

お昼ごはん編

伊藤 優子

FabCafe Hida/Hidakuma 森のコミュニケーター

Hida

こんにちは。飛騨市にある FabCafe Hida 宿泊担当の優子です。

FabCafe Hidaに来ていただくお客さまに、「飛騨の郷土料理を食べていただきたい」と考えた時、スタッフが口を揃えてオススメするお店があります。

そこには、『朴葉味噌』、『飛騨牛』など所謂名物ではない、地元で暮らす人たちが日常的に食べている本当の郷土の味があるのです。
ちょっとだけ飛騨に住むような感覚を味わえるそんなお店をご紹介します。

おかず屋・山本

お母さんと息子さんお二人で営む創業49年の老舗お惣菜屋さん。49年も何しとったんやろうなあ。なんて、謙虚な一言をこぼし、次々に入ってくるお客さんに、『いらっしゃい、いらっしゃい。なんかうんまいもんあるかな』と、お母さんの威勢のいい合言葉が飛ぶ。

定番の焼きそばや、煮卵に薇(ぜんまい)の煮物

ふき、姫竹、ころ芋の煮っ転がし

滞在制作に東京から来られたお客様。珍しくってみんな写真撮っちゃうし、なんだかテンション上がってしまうんですよね。

そしてつい盛りすぎてしまう。これだけ盛ってもワンコインでお釣りがきちゃうことも。

近づかないとやっているのかわからないほどひっそり。
昼のランチタイム。夕方の夜食タイム。

そのひっそりを目指す。
たどり着けば扉を開けずとも目に飛び込んでくるたくさんの “ 茶色いおかず ” たち。
エプロンを着けた主婦。仕事帰りのひとたち。制服姿の学生さん。

温かいわけでもないのに一瞬で 「 ほっ 」 を与えられる。

“ おかず屋やまもと ” は、夜は20:00までやっているはかり売りの総菜屋。 いつ行っても誰かと言葉を交わせれるコミュニティの場なのです。

ことりちゃんおまけしとくよ。(ことりちゃんとは、人気商品からあげのことである)

お母さんの一番好きなおかずは、みんな辛くてよう食べんけど、ひとつかじるだけで白飯がたくさん食べれるという、南蛮(胡椒)だそう。シュークリームもありますね。

近くの河川敷で食べるののもオススメです。
FabCafe Hidaからは、徒歩5分もかからないほど近くついつい足が向いてしまう場所。
心からの「うまい」を求めに行くわけではない。それでも求めてしまうのは何故だろう。

食べ物を売ること。料理を提供することは、おいしい以外の何かがないと 誰かの好きに繋がらない。 誰かの好きがいっぱいで、今日もやまもとは、わたしを。そして誰かも満たし、誰かが決めるおわりまでつづいていく。この営みが地域の宝なんだと思う。

かなわんなぁ。と思いながらも、私たちFabCafeが提供するカヌレや一杯のコーヒーも、誰かの心を満たすもののひとつで、ありますように。と、
ひとつひとつに気持ちを込めてご提供させていただいています。

その一杯のコーヒーで、おかずや山本や、周りにある沢山の先輩商店さんの仲間入りできるよう長く息をしていきたい。
こんな風に思えるのは、飛騨古川の人たちが暮しの中でそれを当たり前として生きているから。

100年先の為に今できることをと、飛騨の森の新しい価値を生み出していくヒダクマとして、その拠点となるこのFabCafe Hidaを飛騨古川の町の中で、守っていく術を教えられています。お腹を満たして街と繋がっていく。なんてしあわせなことだろう。

是非、飛騨古川にいらしてください。おかず屋山本へ行ってみてください。そして、夜は美味しいお酒を飲みに出かけましょう。

次回は、そんな夜の楽しみをお届けしますね。

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Author

  • 伊藤 優子

    FabCafe Hida/Hidakuma 森のコミュニケーター

    1986年生まれ。東濃ヒノキの産地・加子母出身。インテリア科の高校・専門学校卒業後、下呂温泉の仲居として9年間働く。2017年にFabCafe Hidaにジョインし、飛騨のまちで永く愛されるお店づくりをモットーに、cafeでのメニュー開発やイベント企画運営・宿泊を担当。定番メニューのカヌレなどを考案。地元の針葉樹の森と飛騨の広葉樹の森を繋げる架け橋になるのが夢。朝が好き。

    1986年生まれ。東濃ヒノキの産地・加子母出身。インテリア科の高校・専門学校卒業後、下呂温泉の仲居として9年間働く。2017年にFabCafe Hidaにジョインし、飛騨のまちで永く愛されるお店づくりをモットーに、cafeでのメニュー開発やイベント企画運営・宿泊を担当。定番メニューのカヌレなどを考案。地元の針葉樹の森と飛騨の広葉樹の森を繋げる架け橋になるのが夢。朝が好き。

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