Project Case

2021.7.21

【雷雲プロジェクト:2021】特別な雷雲を捕捉したい! 2021年度の計画発表

今年度の計画を発表。不思議な雷雲ガンモをさがす仲間を募集します!

榎戸 輝揚

理化学研究所 
理研白眉研究チームリーダー

ページ下部に、説明会への申し込みリンクがあります。雷雲ハンターや本プロジェクトに興味がおありのかたは、是非そこからお申し込みください!

雷雲プロジェクトとは

雷はどうやって発生するの? 未だにそのメカニズムは不明です。
その鍵を握るのが、ガンマ線を生み出している不思議な雲ガンモ! このプロジェクトでは、たくさんの雷雲からガンモを探し出し、雷が生まれる仕組みに迫ろうと考えています。

北陸では、雨も多く、とくに雷が冬によく落ちることが知られています。
しかもじつは、冬の日本の雷は世界的にもかなり強力! 世界のどこでもめったに観測できない格好の雷のスポット、それが冬の北陸なのです。
北陸にたくさんの観測装置を設置したい!

今回は、雷を補足するための装置【COGAMO(コガモ)】を、自宅の屋上などに設置をしてくれる雷ハンター仲間を募集します。
あなたも雷をたくさんあつめて、雷が生まれる仕組みを解明する研究に参加しませんか?

雷雲プロジェクト詳細についてはこちら

cogamo

雷雲ハンター大募集!

雷雲をハンティング! 装置【COGAMO】を使って、調査に協力しよう!

  • 依頼内容:調査本部より雷雲の検出装置【COGAMO】を貸し出します。これを屋外に設置!
    ・電源を入れて起動。作業はこれだけ。
    ・期間中、雷雲が通るたびにCOGAMOが測定し、自動的にデータを調査本部に送信。
    ・解析は調査本部にて実施。調査結果は翌年度に発表されます!
  • 募集人数:20人
  • 募集地域:金沢市、野々市市、白山市、川北町、能美市、小松市とその周辺
    ※ 特に雷雲の多い上記の地域にて募集をいたします。
  • 時期:2021/07月〜2022/03月
    ※ 準備期間含む
  • 費用:無料
    ※ 装置の電気代のご負担をお願いします。

【補足】

  • 電源が必要です。屋外にコンセントがあれば最高です。
  • 一度設置した後は特に操作する必要はありません。停電があった際には復旧の時に一度チェックしてもらえるとうれしいです。
  • COGAMOはハンティング期間が終わったら返送をお願いします!(別途ご連絡)

    雷雲観測装置【COGAMO】とは?

    今回のプロジェクト専用の小型ガンマ線のモニター装置です。
    装置を設置してくれる雷ハンターの仲間が増えると、一個一個丁寧に作って発送します。

    電源をいれておくと、雷を検知して、データを調査本部に通信で伝えます。
    サイズは一抱えくらい。
    防水のボックスで、一度設置したら開閉したりといった個別の作業は不要です。

    • 防水ボックス全体のサイズ:23(幅)x 18(奥) x 10(高さ) cm
    • 防水ボックス全体の重量:4 kg
    • 消費電力:4W 以下(見積もり値)。27円/1kWh で計算すると、1ヶ月で77円ていどの計算です。
    • 自然現象や未解明な冬の気象に興味がある方
    • 科学者や科学実験に興味がある方
    • 大学や研究所の先生とシチズンサイエンスをやってみたい方
    • 雷ってなんなの? ということを改めて知りたいとおもった方

    • 2021年07月〜08月:プロジェクト概要発表。メンバー募集
    • 2021年09月〜10月:メンバー確定。順次、機材送付
    • 2021年11月〜2022年03月:観測期間
    • 2022年05月〜06月:2021年度プロジェクト観測結果発表。

    その後、翌年の募集発表が行われます。

    本プロジェクトは1年ごとにその年の計画と発表を行いますが、最大で5年間のプロジェクト計画をしています。
    また、計測機器の設置エリアや、計測機器における雷雲ハンティング以外の計画も今後増えていく予定です。

    まずは説明会をオンラインで開催! 参加をしてみようかな? という方はまず説明会に申し込んでください! 

    【雷雲プロジェクトについて】

    もともと、宇宙物理学の研究者である榎戸先生が、北陸に現れる不思議なガンマ線を出す雲(ガンモ)や、それが雷がなぜ起きるのかに関係するのか?ということに興味を持って始めた研究。

    いわば本業のかたわら始めた「課外活動」研究が実を結び、2017年の観測結果からは「雷から『反粒子』が生成されるメカニズム」も発見。
    その論文はイギリスの学術誌『Nature』に掲載され、一般ニュースサイトなどで広く紹介された。

    2015年の当初から、当時珍しかったクラウドファンディングを用い、市民参加型のプロジェクトとして進行したことも話題を呼び、「市民と科学を進める」研究者の一人としても著名。
    本人は自分で機器を作るのも好きな「面白がりながら」研究するタイプ。

    研究チームでは今、雷雲プロジェクトの市民ハンターと共に新たな発見をするための計画(シチズンサイエンスのプロジェクト)を企画中。
    発表を是非お楽しみに!

    Author

    • 榎戸 輝揚

      理化学研究所 
      理研白眉研究チームリーダー

      理化学研究所の科学者。X線やガンマ線で宇宙を観測する天文学をやっていたが、雷や雷雲からもX線やガンマ線も出ているということを知って、他のチームメンバーとともに2006年頃から日本でも観測を始めた。コガモ箱を使って、金沢の市街地で、ガンマ線を出す雲(ガンモ)がどういった条件で発生するのかや、カミナリの発生に関わるかを明らかにしていくことに興味がある。他にも、宇宙にあるX線で輝く星や、月への人類進出などにも興味がある。

      理化学研究所の科学者。X線やガンマ線で宇宙を観測する天文学をやっていたが、雷や雷雲からもX線やガンマ線も出ているということを知って、他のチームメンバーとともに2006年頃から日本でも観測を始めた。コガモ箱を使って、金沢の市街地で、ガンマ線を出す雲(ガンモ)がどういった条件で発生するのかや、カミナリの発生に関わるかを明らかにしていくことに興味がある。他にも、宇宙にあるX線で輝く星や、月への人類進出などにも興味がある。

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