Column
2025.3.31
斎藤 健太郎 / Kentaro Saito
FabCafe Nagoyaプログラム・マネジャー、サービス開発 / 東山動物園くらぶ 理事 / Prime numbers syndicate Fiction implementor
みなさんご機嫌いかがでしょうか。FabCafe Nagoya、コミュニティマネージャーの斎藤です。今日はとても大切なお知らせをみなさんにお伝えするために筆をとっています。
2025年4月1日、記念すべきこの日に世界の真理へ踏み込んだ発見を発表いたします。
FabCafe Nagoyaでは環境省が発表したNature Positive宣言へのアンサーとして自然と一体化する人類の進化をアクセラレートする方法を研究しており、急速な進歩をもたらす可能性を秘めた発見をしましたのでここに報告いたします。
今回発見したのは新種の微生物です。私たちの身の回りの特定環境下に生息し、人類の情動へ働きかけることで「少々の郷愁を含んだ情動に訴えかける雰囲気がある(以降”エモい”と表現します)」と強く想起させる可能性を示唆されています。私たちはこの微生物を”Fabulouseria petallumica“と命名しました。 発見の経緯、生態についてご紹介していきます。
きっかけは風景の美しさだった
私たちFabCafe Nagoya人然統合研究チームは日本自然大好きクラブ(通称日好研)との共同研究にて飛行石と針葉樹の光合成の相関性について調査するために名称に「天空の」とつく観光地を巡回していました。2025年の3月、岐阜の揖斐郡にある茶畑を訪れた際にチームメンバーの誰かが言った一言が私たちの研究を大きく進めることとなります。
「めちゃくちゃエモくね」
エモさを共有し合うチームメンバー
この言葉に私たちのチームはある共通項を見出しました。今までの調査でも事あるごとに「エモい」もしくはそれに準ずる言葉を繰り返し使っていたのです。調査後のデスクでの情報整理のために写真を整理する際にでさえです。普段使わない言葉を使ってしまうということに違和感を覚え、私たちは議論の末に生物や植物の寄生による行動変容に酷似しているという仮説に辿り着きました。
よりみちTopic:寄生による行動変容について
寄生による行動変容は、生物界の巧妙な戦略のひとつです。寄生生物は、宿主の行動や生理を操り、自らの繁殖や生存に有利な状況を作り出します。たとえば、トキソプラズマはネズミに感染すると、猫への恐怖心を弱め、捕食されやすくします。これはトキソプラズマが猫の体内でのみ繁殖できるためです。冬虫夏草のような菌類も、昆虫に寄生して高所へ誘導し、胞子の拡散を助けます。動物に限らず、菌類や植物的存在もこの現象に関与しており、自然界の奥深さと不思議を感じさせる興味深いトピックです。このような「行動変容」は、生物の生態系に驚くべき戦略が隠されていることを教えてくれます。科学とサイエンスフィクションの境界線が揺らぐような、魅力的な現象です。
※解説「寄生による行動変容について」は、AIライター・クリエイティブライター(ChatGPTカスタム)による執筆。
仮説を検証するために私たち研究チームのほか地質学を専門とする研究者で構成される集団A、文学を嗜む人たちで構成される集団B、ギャルで構成される集団Cのそれぞれに調査に赴いた土地の風景などの写真や、絶景や夜の喫茶店、写ルンですで撮影した写真、ローファイなミュージックなどを鑑賞させどのような反応を示すか観察しました。
集団への反応の調査はオンラインでも実施された
そうしたところ研究チームに見られた特徴と相似する反応がB、Cの集団で見られたため、追加調査として鼻腔粘膜の細胞を採取し電子走査顕微鏡による構成調査を実施したところAの集団には見られない微生物が研究チームおよびB、Cの集団より検出されました。
同意をとれた何名かから検体を採取し培養を行いマウスへ投与してみると、夜景の写真に見いったりローファイミュージックに耳を傾け近くの個体へ囁くようにチュウチュウと鳴く反応を見せました。その鳴き声は心なしか「エモくね?」「わかる」と会話しているように聞こえました。
「チュウ(エモくね?)」「チュウチュウ(わかる〜)」
Fabulouseria petallumicaの生態
培養されているFabulouseria petallumica
Fabulouseria petallumicaは雰囲気のある風景などに生息する原生生物に分類できる微生物です。気温やpH値などの環境にかかわらず”なんかエモい”雰囲気そのものを媒介に主に哺乳類の鼻腔奥の細胞内に生息しています。彼ら自身がどのように増殖し、移動するのかその詳しいことはまだ解明されていませんが、移動するために宿主に”エモい”と思わせる創作をさせるよう行動変容の働きかけをするのではないかと言われています。
美しい体表を持つフラミンゴやマントヒヒ、求愛のダンスを踊るゴクラクチョウや巣作りで求愛をおこなうバウアーバード、そして人類においては写真家や音楽家をはじめとした様々なクリエイターの創作行動の要因がFabulouseria petallumicaによって引き起こされている可能性があります。
私の創造力は、鼻から
おいしくてクリエイティブになれる魔法のゼリー!
FabCafe Nagoyaの研究チームではこうした生態を応用した創造力激増ゼリーを開発中です。微生物の力を借りた食品は味噌や納豆、ペンテ、ヨーグルトなど私達の身の回りに溢れています。おいしくて、ひらめき100000倍なゼリーを皆さんの食卓へお届けする日もそう遠くありません。
自己責任にはなりますが、お家でつくるひらめきゼリーの作り方もお伝えしますね。培養方法は意外と簡単で、透明な皿に検体を乗せた市販の寒天ゼリーを置きラップを柔らかくかけ、エモい音楽をかけておいたりエモい写真の上に置いて暗く日光の当たらない冷暗所で1週間ほどそっとしておいたら十分な量の培養が可能となります。
みなさんもFabulouseria petallumicaゼリーを作って、創造的な活動を始めてみませんか。
今日はなんの日?
みなさん今日の日付はご存知ですね。そう、4月1日エイプリルフールです!
今年も無事にエイプリルフール記事をお届けすることができました。最後まで読んでくださりありがとうございました。今後もFabCafe Nagoyaはおいしくて、楽しくて、ファビュラスなことをお届けします。ぜひとも楽しみにして待っていてくださいませ。
※本記事で登場した団体などの名称、ゼリーの作り方は架空のものとなります。ひらめき100000倍ゼリーを作って食べてもクリエイティブ力はアップしません。クリエイティブ力をつけたい方は筋トレをしましょう!
参考にした記事
微生物名ってどうやって決まるの?(生物工学基礎講座 バイオよもやま話)
https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/8906/8906_yomoyama_2.pdf
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斎藤 健太郎 / Kentaro Saito
FabCafe Nagoyaプログラム・マネジャー、サービス開発 / 東山動物園くらぶ 理事 / Prime numbers syndicate Fiction implementor
名古屋における人ベースのクリエイティブの土壌を育むためにコミュニティマネージャーとしてFabCafe Nagoyaに立ち上げから携わる。
電子工学をバックボーンに持ち科学技術への造詣が深い他、デジタルテクノロジー、UXデザインや舞台設計、楽器制作、伝統工芸、果ては動物の生態まで幅広い知見で枠にとらわれない「真面目に遊ぶ」体験づくりを軸とした多様なプロジェクトに携わる。
インドカレーと猫が好き。アンラーニングを大切にして生きています。
「コンピュテーショナル食感デザインプロジェクト」にて第1回 Tech Direction Awards R&D / Prototype Bronze受賞
https://award.tech-director.org/winner01名古屋における人ベースのクリエイティブの土壌を育むためにコミュニティマネージャーとしてFabCafe Nagoyaに立ち上げから携わる。
電子工学をバックボーンに持ち科学技術への造詣が深い他、デジタルテクノロジー、UXデザインや舞台設計、楽器制作、伝統工芸、果ては動物の生態まで幅広い知見で枠にとらわれない「真面目に遊ぶ」体験づくりを軸とした多様なプロジェクトに携わる。
インドカレーと猫が好き。アンラーニングを大切にして生きています。
「コンピュテーショナル食感デザインプロジェクト」にて第1回 Tech Direction Awards R&D / Prototype Bronze受賞
https://award.tech-director.org/winner01