Event report
2024.12.20
松澤有美子
有限会社ビショップ/ラクダカフェ
東海エリア最大級のコーヒーイベント「珈琲博覧日2024」ご来場ありがとうございました!
マルシェイベントの課題解決になるか!?アルミニウムカップ社会実験
注目された取り組みが株式会社UACJ+ThinkScrap(株式会社東海理化)による「アルミニウムカップ社会実験」。
目的は100%リサイクル可能なアルミニウムカップを使用することで会場でプラカップや紙コップなどゴミの減量と、持ち帰ったアルミニウムカップも資源として回収すれば何度でもリサイクルできることを知ってもらうこと。
来場者に対象8店舗のロゴ入りオリジナルアルミニウムカップ(1,000個)とシートベルト端材スリープ(500個)を無料配布しました。
アルミ缶のリサイクルは周知が進んでいるため、普段から資源として分別していますが、このアルミニウムカップのような製品もリサイクルできることは驚き!アルミニウムはリサイクルすることで原料から作る際と比較してCO2排出量を3%に抑えられることもはじめて知りました。
アルミニウムは冷たい飲み物はより冷たく感じる熱伝導率の高さが特徴ですが、裏を返せば熱い飲み物の場合はカップが熱くて持てなくなってしまう。
だからといってリサイクルを目的としているのに紙のスリーブを使うことには違和感がある。そこで思い浮かんだのが、ThinkScrapが取り組むシートベルト端材のアップサイクルでした。
株式会社UACJ、ThinkScrap(株式会社東海理化)、珈琲博覧日実行委員会で協議を重ね、来場者が記念に持ち帰りたくなるようなものにすることを目指していきました。
アルミニウムカップ1000個に対し、シートベルト端材スリーブが500個だったため、スリーブがない場合はちょっと持つのが熱かったという感想や、お店を限定せずすべてのお店で使える方が良いという意見も寄せられました。
会場で使用する紙コップのすべてをアルミニウムカップにできたら…大きな理想と目標に向かって何ができるのかがこれからの課題となりそうです。
名古屋の喫茶文化を語るトークショー&ハンドドリップ2年連続チャンピオンデモンストレーション
珈琲博覧日はシバフヒロバだけではなくFabCafe Nagoya店内でも開催。すぐ人に話したくなるような名古屋の喫茶文化の小ネタや、日本チャンピオンによる繊細かつ奥深いコーヒー技術に触れ、コーヒーライフの新しい扉が開かれたのではないでしょうか。
▶名古屋ネタ ライター 大竹敏之さん:
名古屋の喫茶文化を語るトークショー「町と喫茶店」
▶新田珈琲 コーヒー鑑定士 新田和雄さん:
JHDC2023・2024(ジャパンハンドドリップチャンピオンシップ)
日本チャンピオンによるデモンストレーション
▶美山加恋さんと体験するHARIO「V60 ドリッパー SUIREN」
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大竹敏之さんの名古屋ネタに興味津々
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2023・2024連続チャンピオンの技に見入る参加者
珈琲博覧日がそれぞれのお店の入口になるように
珈琲博覧日の出店者は東海エリア、しかも実店舗があるお店だけに限定しています。それは会場で見つけたお気に入りのコーヒーのその先にある実店舗に足を運んで欲しいから。
昭和中期に創業した中堅の老舗ロースターをはじめ、店主が焙煎して店に立つ自家焙煎店や最新のお洒落カフェまで27店舗が集結。珈琲博覧日のために用意した希少な豆、アニバーサリー記念ブレンド、自社農園で生産者とともに作るコーヒー、開発を手がけたオリジナルドリッパー、コーヒーの味わいを最大限に引き出すドリップ技術。会場はスペシャルティコーヒー専門店などエリア分けすることなく、いろいろな個性のお店が横並びになっています。
コーヒーを選ぶとき、コーヒー豆や抽出方法などを情報をあらかじめ手に入れてからお目当てのお店に行くこともありますが、何の先入観もなしにお店の雰囲気だけで選ぶことも多いはず。
どのお店も自分のコーヒーに自信を持ち、お客様が手にするその1杯のコーヒーに持てる知識と技術のすべてを注いでいます。珈琲博覧日が掲げる「コーヒーの多様性」というテーマそのままに、選ぶ人も選ばれるお店もコーヒーも多様でありたいと願っています。
コーヒーの視点から見つめ直す、スポンサー企業が掲げた多彩なテーマ
珈琲博覧日は多彩なスポンサー企業様にご協力いただいています。
アルミ総合メーカーのUACJとシートベルト端材アップサイクルのThinkScrapによる「アルミニウムカップ社会実験」、春日井製菓による世界のスパイスをテーマにしたコーヒーに合う豆菓子の提案。JR東海エージェンシーによる東海エリアの電車ゲーム体験など、コーヒー店をめぐることとはひと味違う、特別な試みがなされました。
コーヒーが社会実験やツーリズム、ものづくりのテーマとなり、珈琲博覧日がその実践の場であることをあらためて実感するとともに、コーヒーを楽しむだけにとどまらない環境問題や社会課題にも着目するきっかけとなっていると感じます。
▶JR東海エージェンシー
名古屋駅デジタルサイネージ協力。名古屋の入口である名古屋駅から名古屋城、栄エリアを回遊する「コーヒーツーリズム」の提案。
▶春日井製菓
名古屋のコーヒー文化を支える豆菓子。コーヒーに合う新感覚豆菓子の提案。
▶山勝染工
名古屋の伝統的産業とコーヒーの融合。珈琲手ぬぐいと珈琲紋入れ体験。
▶ダイヤモンド
コーヒー豆精製時の不要物を利用したエコカップ「Huskee」
▶株式会社タイヨー
コーヒーグラウンズのアップサイクルグッズ
▶金城学院大学
コーヒー麻袋のアップサイクルグッズ
▶UACJ+ThinkScrap
アルミニウムカップ社会実験/シートベルト端材スリーブ
▶エコ建築考房
国産木材の建築端材を使ったスリーブ
シバフヒロバに巨大ドリッパーと似顔絵ユニットが出現!
今年もシバフヒロバに還ってきた「Giantant Coffee DRIPPING」。
巨大なコーヒードリッパーを組み立てるところからすでにパフォーマンスはスタート。たまたまその場に居合わせ目撃する偶然性も「Giantant Coffee DRIPPING」ならでは。うたって踊れる似顔絵ユニット「このよのはる」がギターと歌で飛び入りすると、コーヒーのドリップにもリズムが生まれていきます。
終わる頃にぽつりぽつりと降り出した雨のしずくが自然にコーヒーをドリップ。
そんな雨の日ならではの「Giantant Coffee DRIPPING」はこの日この時だけだったのだと思います。
実は珈琲博覧日は一日だけのイベントではありません
珈琲博覧日は年に一度のイベントですが、これまで16回の「プレ博」と2回の「珈琲物産會(こーひーぶっさんえ)」を開催してきました。
コーヒー栽培やコーヒーの資格、コーヒーを取り巻く環境問題や社会課題にも取り組んできました。コーヒー取引価格の高騰やコーヒーの2050年問題など深刻な話題も多く、欧米に続く消費国である日本にも暗い影を落としています。
コーヒーを楽しむと同時に、生産国で暮らす人々やその環境にも思いを寄せて、想像できる場を作りたいという思いから「プレ博」のテーマを選んできました。
コーヒーが好きですきで堪らないからこそ、コーヒーを飲み続けられるためにできることは何か。
今年は雨のなか、来場者の皆さまにも出店者の皆さまにも大変なご不便と苦労をお掛けいたしました。一時強まった雨が夕方には上がり、シバフヒロバからは見えませんでしたが虹も現れたそうです。
そんななかで優しい言葉をかけてくださった出店者の皆さま、本当にありがとうございました。撤収後のシバフヒロバにはゴミひとつ落ちておらず、来場者や出店者の皆さまのマナーの素晴らしさにも感激いたしました。
心を満たし幸せにしてくれるコーヒーはかけがえのないもの。その一杯にかける想いをコーヒーに携わるひとりとしてしっかりと届けたい。珈琲博覧日ではそんな想いを忘れることなく、皆さまとともに作り上げるイベントを大切にしたいと思います。
2025年秋、またシバフヒロバでお会いしましょう。
2024年11月2日(土)10:00-17:00 曇りのち大雨のち虹
コーヒー&カフェ(自家焙煎店・カフェ・店舗)27店
FabCafe Nagoya
フード&スイーツ 5店
石窯PIZZA屋台boccheno(石窯ピザ)
カフェバーLit(ローストポーク丼)
おにぎりとパン(おにぎり・サンドイッチ)
CafeOne(焼き菓子・お弁当)
cafe & dinning nagi(焼き菓子)
協賛企業 11社
HARIO株式会社
HARIO CAFE
春日井製菓株式会社
株式会社タイヨー
山勝染工株式会社
株式会社エコ建築考房
ダイヤモンド株式会社
株式会社ファースト
株式会社UACJ
株式会社東海理化
株式会社JR東海エージェンシー
TALK SHOW & DEMONSTRATION
大竹敏之
新田和雄
美山加恋
Live Performance
江坂 大樹 (Giantant Coffee DRIPPING)
このよのはる
photo by
special thanks
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珈琲博覧日
珈琲博覧日は《コーヒーの多様性》をテーマに消費者と自家焙煎店やカフェを結ぶ年1回のイベント。
ものづくりの盛んな東海エリアを軸に、コーヒーからつながる人やものを通じて地域の産業や文化を知るワークショップを企画。遊びごころあふれる体験からコーヒーを知るだけにとどまらない、豊かな暮らしを提案します。会話や飲み比べを愉しみながら自分好みのコーヒーを探すきっかけづくりも。コーヒーを通じて街や人とつながる、コーヒーづくしの一日です。
珈琲博覧日は《コーヒーの多様性》をテーマに消費者と自家焙煎店やカフェを結ぶ年1回のイベント。
ものづくりの盛んな東海エリアを軸に、コーヒーからつながる人やものを通じて地域の産業や文化を知るワークショップを企画。遊びごころあふれる体験からコーヒーを知るだけにとどまらない、豊かな暮らしを提案します。会話や飲み比べを愉しみながら自分好みのコーヒーを探すきっかけづくりも。コーヒーを通じて街や人とつながる、コーヒーづくしの一日です。
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甲斐 慶太 / Keita Kai
FabCafe Nagoya ストア・マネジャー、サービス開発
1991年大分県出身。突発と偶発の機会を求めて。スペシャリティコーヒーのカフェチェーンにて顧客体験を最大化するトータルマネジメントを現場で10年経験。コーヒーの産地特性から抽出方法までの知見を持ち、経験を活かしたサービス・ドリンク・フード開発おこなう。プレーヤーとしてさらなる可能性を追い求めるため、FabCafe Nagoyaに立ち上げより携わり、名古屋における新たなコーヒーストーリーの繋ぎ手として、近郊のカフェや有識者との共創を楽しみながら実践している。また、珈琲博覧日実行委員としてCoffee Loverに東海圏のコーヒーカルチャーを伝える。
1991年大分県出身。突発と偶発の機会を求めて。スペシャリティコーヒーのカフェチェーンにて顧客体験を最大化するトータルマネジメントを現場で10年経験。コーヒーの産地特性から抽出方法までの知見を持ち、経験を活かしたサービス・ドリンク・フード開発おこなう。プレーヤーとしてさらなる可能性を追い求めるため、FabCafe Nagoyaに立ち上げより携わり、名古屋における新たなコーヒーストーリーの繋ぎ手として、近郊のカフェや有識者との共創を楽しみながら実践している。また、珈琲博覧日実行委員としてCoffee Loverに東海圏のコーヒーカルチャーを伝える。
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松澤有美子
有限会社ビショップ/ラクダカフェ
デザイン&編集プロダクション、有限会社ビショップの編集者兼取締役。2007年よりコーヒーの焙煎を始め、SCAJアドバンスドコーヒーマイスターを取得。そのかたわら土づくりアドバイザーとして都市型農業にも関わり、日々、野草や虫と格闘している。
珈琲博覧日の実行委員としてデザイン・コーヒー・農業を暮らしに取り入れ、小さな循環を生み出す活動を開始。日本人が昔から大切にしてきた知恵を蓄え野に生きる人。
SACJ アドバンスド・コーヒーマイスター
SCAJ Jr.スペシャルティコーヒーカッパー
SCAJ Jr.コーヒーブリュワー
日本土壌協会 土づくりアドバイザー
東谷山フルーツパーク公式アンバサダー
神社検定壱級デザイン&編集プロダクション、有限会社ビショップの編集者兼取締役。2007年よりコーヒーの焙煎を始め、SCAJアドバンスドコーヒーマイスターを取得。そのかたわら土づくりアドバイザーとして都市型農業にも関わり、日々、野草や虫と格闘している。
珈琲博覧日の実行委員としてデザイン・コーヒー・農業を暮らしに取り入れ、小さな循環を生み出す活動を開始。日本人が昔から大切にしてきた知恵を蓄え野に生きる人。
SACJ アドバンスド・コーヒーマイスター
SCAJ Jr.スペシャルティコーヒーカッパー
SCAJ Jr.コーヒーブリュワー
日本土壌協会 土づくりアドバイザー
東谷山フルーツパーク公式アンバサダー
神社検定壱級