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2021.8.3

10回目を迎えるグローバルクリエイティブアワード 「YouFab Global Creative Awards 2021」

伊藤亜紗を新たな審査員長に迎え、エントリー開始!

FabCafe編集部

FabCafe Globalとロフトワークが主催・運営するグローバルクリエイティブアワード「YouFab Global Creative Awards 2021(以下、YouFab 2021)」は、全世界へ向けて作品募集を開始しました。応募受付期間は、日本時間で2021年10月31日(日)の12:00まで。

YouFabは、「常識に挑む。常識に抗する。常識をHackする。」というスピリットをもとに、「ものづくり(Fab)」の“その先”にある新たな問いを世の中に発信するクリエイターを発掘し、クリエイターと社会が出会うネットワークを育むことを目的とした国際的なアワードです。

記念すべき10回目を迎える今回は、審査員長に東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長の伊藤亜紗氏、審査員に編集者、キュレーターの塚田有那氏、アーティストネットワークCascolandの共同代表Fiona de Bell氏、Roel Schoenmakers氏、DJ 、 Nyege Nyege collectiveメンバーKampire Bahana氏を迎え、民主的なものづくりと私たちの実験を意図する「Democratic experiment(s)」をテーマに世界中から作品を募ります。

また、今回は、同時エントリーが可能なパナソニック株式会社の主催による特別賞「Panasonic賞」を設置。審査員には、パナソニック株式会社 執行役員 CTO小川立夫氏、クリエイティブディレクター Ariane Koek氏、ロフトワークの林千晶が参加し、「YouFab2021」の「Democratic experiment(s)」を踏襲したテーマで、社会やくらしをより良くする作品を募集します。

「YouFab2021」で選ばれた作品は、賞の授与のほか、パナソニックセンター東京で2022年3月に開催されるエキシビションへ出展。特別賞「Panasonic賞」に選ばれた作品は、賞金・副賞のほか、同施設内のパナソニッククリエイティブミュージアムAkeruE(アケルエ)での常設展示のチャンスが与えられます。

デジタル技術によるものづくりが社会に浸透した今、テクノロジーと社会がどのような関係性を結ぶべきなのか、時代の先をみつめる世界中のクリエイターからの視点をお待ちしています。詳細情報は、以下公式サイト をご覧ください。

YouFab Global Creative Awards 2021 Webサイト

日本語サイト 英語サイト

テーマ

Democratic experiment(s)

募集期間

2021年8月1日(日)〜10月31日(日)12:00  (日本時間)

応募条件

カテゴリーは問いません。どのようなジャンルの応募も受け付けます。既に公開済みの作品も応募可能です。現在進行中の作品やプロトタイプも歓迎です。その場合、現在までのプロセスと将来の可能性を評価します。個人、グループ、企業など制作チームの形態も自由です。

審査基準

  • イノベーティブであるかどうか
  • オーディエンスを意識しているか
  • 体験の質
  • テーマの解釈
  • “Fab”の精神を持ち、オープンマインドであるかどうか

部門

  • 一般部門
    年齢、国籍を問わずどなたでもご応募いただけます。法人での応募も可能です。
  • 学生部門
    応募時点で、大学や専門学校など学校に在籍している方に限ります。年齢、国籍は問いません。
  • 特別賞
    メインスポンサーであるパナソニックが審査に関わる賞です。年齢、国籍を問わずどなたでもご応募いただけます。法人での応募も可能です。

グランプリ(1点):トロフィー / 賞金
準グランプリ(1点):トロフィー / 賞金
学生賞(1点):賞状 / 賞金
入賞(数点):賞状

  • 審査員長

    伊藤亜紗
    東京工業大学科学技術創成研究院未来の人類研究センター長、リベラルアーツ研究教育院教授

  • 審査員

    塚田有那
    一般社団法人Whole Universe代表理事、編集者、キュレーター

  • 審査員

    Fiona de Bell(左)Roel Schoenmakers(右)
    CASCOLAND/共同代表

  • 審査員

    Kampire Bahana
    DJ / Nyege Nyege collective

誠実にものをつくろうとすればするほど、私たちは、複数の、いや無数のステークホルダーとの関係に巻き込まれることになる。たとえば椅子をつくることを考えてみよう。その椅子の使い手が年老いたおじいさんであるなら、まずはその椅子はおじいさんにとって使い勝手がよく、かつおじいさんの人生に見合った誇り高いものでなくてはならないだろう。しかしおじいさんが娘さんの介護を受けているなら、椅子は娘さんにとって介護しやすいものでなければならないだろうし、椅子が置かれる応接間がおじいさんの親父さんが使っていた部屋なら、その家を建てるのに親父さんがどれだけ苦労したのか、死んだ者の思いも汲まなくてはなるまい。素材の側にも事情がある。その木材は誰がどのような思いで植えた木で、その木のまわりにはどのような鳥や虫、あるいは菌やウイルスがいて、伐採によって彼らはどのような影響を被るのか。輸送にはどのような手段が使われたのか。さらには椅子が使われなくなったとき、それはどのように解体され、あるいは作りなおされるのか。

つまり、ものを作る作業とは、本質的に、人間、動植物、菌類、鉱物、死者などを含む無数のステークホルダーと相談しながら答えを出す作業であり、その意味で毎回が民主主義の実験であると言える。
ところが私たちが慣れ親しんだ大量生産・大量消費の習慣は、こうした無数のステークホルダーとの関係を切断し続け、それが今日の地球規模の環境破壊や富の不均衡につながっている。ならばもう一度、小さなものづくりの現場がもつ、民主主義の可能性を起動させよう。必要なのは単なるテクノロジーの民主化ではない。つくることを通して民主主義をつくりつづけることである。

「民主的」なものづくりと、「私たち」の実験〜審査委員長 伊藤亜紗、 審査員 塚田有那、YouFabオーナー 林千晶による鼎談

今年のYouFabのテーマは、Democratic experiment(s)。「ものづくりだけではない、“実験”のアワード」という意味が込められたテーマの理解を深めるべく審査委員長の伊藤亜紗、 審査員の塚田有那、YouFabオーナーの林千晶の3名が座談会を開催。それぞれが考える「Democratic」、そして「つくる」という行為について語り合いながら、テーマを紐解いていく。

記事はこちら

YouFab2021 特別賞「Panasonic賞」では「Democratic experiment(s)」をテーマに、社会やくらしをより良くする作品を募集。YouFab 2021通常応募と同時にPanasonic賞への応募をすることができます。

テーマ

Democratic experiment(s)

審査基準

  • 多面的且つ未来の変化を捉えた視点で考察されており、社会実装の実現可能性があるか
  • ステークホルダーの感性を刺激し、そのポテンシャルを引き出せているか
  • 社会やくらしをより良くし、世界文化を醸成するアイデアが含まれているか
  • 小川 立夫
    パナソニック株式会社 執行役員 CTO、薬事担当

  • Ariane Koek
    クリエイティブ・ディレクター、戦略コンサルタント、プロデューサー/キュレーター、ライター

  • 林千晶
    株式会社ロフトワーク 共同創業者 取締役会長

パナソニックの創設者である松下幸之助は、今から約100年前の1918年に、事業を通じて人々のくらしや社会をより良くするというビジョンを実現するため、日本において起業しました。

モノがまだ十分に行きわたっていない時代、高品質な家電商品を安価に提供すること、つまり家電の「大衆化・民主化」、創業者の言葉で「水道哲学」の実践を通じて、世界を元気に、くらしを理想にすることを追求してきました。

この企業理念は、モノや情報が溢れている今の時代にも継承されています。先が見通せないVUCAの時代においても、様々なステークホルダーと共に、くらしと社会を理想にするという理念は変わることはありません。

SDGsに代表される複雑な社会課題にも真摯に向き合い、人類のみならず、地球環境を含む森羅万象との関係を見つめ直し、人と自然すべてを対象とする民主的な実験活動であるとするYouFab 2021のテーマ「Democratic experiment(s)」にパナソニックとしても共感し、本賞を設置しました。
これらの背景、考えのもと、パナソニックは「世界を元気に、くらしを理想に」していくクリエイティビティあふれるアイデアや技術を広く応募します。

パナソニックは、「事業を通じて社会の発展に貢献する」という創業以来の経営理念を体現したブランドスローガン「A Better Life, A Better World」のもと、多様な領域でさまざまなパートナーとともに事業を展開しています。事業を通じて、理想的なくらしや社会の実現、地球環境保護といったグローバルでの社会課題の解決に大きな貢献を生み出し続けることを目指しています。

2012年にFabCafeに集まるクリエイター向けのコンテストからスタート。10年の歳月をかけ応募される作品の幅は大きく広がり、バイオテクノロジーからファッション、メディアアートまで、毎年30ヵ国以上、200点を超える多様な作品が応募されるまでに成長。国際的アワードとして成長を続けています。 
https://www.youfab.info/2021/

キービジュアル について

YouFabでは毎年、アルゴリズミックな技術をベースとしたクリエイターを起用しキービジュアルを制作しています。YouFab2021では、ビジュアルプログラマーの北千住デザイン、アルゴリズミック・デザイナーの堀川淳一郎を起用し、グラフィックデザインとプログラミングを融合させた表現を探求するSHA inc.のアートディレクションの元、キービジュアルを作成しました。複数のルールが混在した特殊なセル・オートマトンを作り、それに基づいてブランドカラーである赤と、その補色の関係にある緑の2色を使用したYouFabロゴが多様に変化していく様は、今期のテーマである「Democratic experiment(s)」になぞらえた、変化の多様性と両極性を表現しています。

YouFabロゴのセル・オートマトンのアニメーションは、YouFab2021 特設Webサイトで閲覧が可能です。

Graphic design:SHA inc / Visual programing:Kitasenju Design / Algorithmic design:Junichiro Horikawa 

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  • FabCafe編集部

    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

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