Column
2016.10.3
FabCafe編集部
こんにちは。MTRL KYOTOを運営するロフトワーク京都のモリウチです。
10/4-7で幕張メッセにて開催されている “IT・エレクトロニクス分野の企業・団体が参加し、最先端の技術や製品を発表する国際展示会 (wikipediaより)”『CEATEC JAPAN 2016』の初日と2日目に参加してきました。
せっかくカメラ片手に行ってきましたのでここでは、関西を中心とするMTRL KYOTOの利用者のみなさん向けに、MTRL KYOTO とご縁のあるプロダクトや企業・チームの出展を中心にレポートいたします。
CEATECでも注目の”特別な”マテリアル
まずは、MTRL KYOTO が「ものづくりのマテリアル」として設置しているセンサー系のデバイスたちです。
Human Vision Components / オムロン
MTRL でも常に私たちを見守ってくれている HVC-C2W(家族目線)は、スピード強化版が出たばかりの基盤型のHVC-Pや、新製品の環境センサーと合わせて「オムロンのIoTデバイス」として展示・紹介されていました。
ロフトワークでは2014年から2015年にかけて Sensing Egg Project としてお手伝いさせていただきました。
また、CEATECのオムロンと言えば卓球ロボ!
昨年よりも一昨年よりもパワーアップして人間さながらのラリーを繰り広げていました。
Listnr / パナソニック
パナソニックブースの中央あたりでは「赤ちゃんの声をきっかけに家族をつなぐIoTサービス」として Listnr が展示・紹介され、音声認識の可能性の提案に多くの人が足を止めていました。
MTRL KYOTOでは8月末に Listnr や HVC-Cを使った「最先端デバイスの “ありえなかった” 使い方を考えるワークショップ」を行いました。
ROHM OPEN HACK CHALLENGE / ローム
さて、HALL2のパナソニックブースとは逆側のHALL6でひときわ目立っていたのはロームのブース。
今年の目玉展示のひとつであり、ロームさんにとって初めての取り組みでもあるのが、個人クリエイターを対象にしたオープンコンテスト ROHM OPEN HACK CHALLENGEです。
ロームの超低電力マイコンや小型モーションセンサ、バッテリーレスの無線通信モジュールなどを使ったアイデアを市井のクリエイターに広く募集。その後厳選なる審査を経てプロトタイピング開発まで行った5作品を体験展示しています。
MTRL KYOTOとFabCafe MTRLを舞台にロフトワークが企画・運営をお手伝いさせていただいたプロジェクトの各受賞作品の詳細はこちらからどうぞ。
結果発表!ROHM OPEN HACK CHALLENGE 受賞作品を紹介します | Device Plus – デバプラ
ところで、ロームブースのもうひとつのキャッチーな目玉が同じパーツ類を駆使して作られた「ORIZURU(折り鶴)」。昨年からバージョンアップして旋回飛行や手旗での操作も可能になって帰ってきました。
卓越した技術はもちろん、ユニークさとインパクトも兼ね備えたORIZURUは今年も大勢の観衆を集めています。僕も思わず「おお〜」と声を出しながら純粋に観衆として楽しませていただきました。
PHANTOM 4 / DJI
さて小型飛行物体と言えばドローン。ドローン最大手のDJIのブースでは先日発表された超小型軽量モデル MAVIC のデモフライトにたくさんの人が集まっていました。
ちなみにロフトワーク京都では先日 PHANTOM4 を導入しました。様々なプロジェクトやイベントで活用していく予定ですのでお楽しみに!
以上、MTRL KYOTOでも体験できるデバイスやモジュールの展示のご紹介でした。
ひときわ異彩を放つロフトワークブース
ところで「家電の祭典CEATEC」になぜかクリエイティブエージェンシーの私たちロフトワークもブースを作って出展しています。
IoTからはじまるデザイン / ロフトワーク
詳しい展示内容は来てのお楽しみ。通りすがる多くの人に声をかけていただいております。
場所は全体のほぼ中央HALL4の IoTタウンです。みなさんのお越しをお待ちしております。
IoTによりオープンイノベーションがいよいよメインストリームに?
さて私がCEATECに訪れるのは オムロンのHVC-Cの登場時の2014年以来2年ぶりだったのですが、今回2016年は「社会」「家」「街」「CPS/IoTを支えるテクノロジ・ソフトウェア」テーマに構成されており、今までの「家電の祭典」から空気が変わりつつあることを感じました。
1.オープンコラボレーションが其処彼処(そこかしこ)に
例えば、パナソニックブースの正面では「オープンイノベーションチャレンジ」のタイトルが掲げられていて、外部プレイヤーとの共同開発の展示が主役になっていました。(MTRL に設置しているListnrもCEREVO社との共同開発です)
例えば、Lenovo ブース内では、FabCafe MTRL で行われたハッカソンの優秀作品をもとにその後プロダクトデザイナーも参加して作られて洗練された作品「Smart Mirror」が展示されていました。
(後編)3Dテクノロジーアプリ開発ハッカソン開催レポート |2016 |株式会社ロフトワーク
システム的には、Windows10が動作するLAVIEとIntel RealSense 3Dカメラをミラーの裏側に。アプリケーションはUnityで構築し、バックエンドはMicrosoft Azureで構築。
このMicrosoft AzureのシステムはLAVIEプリンストールソフト「InfoBoard」のバックエンドサービスと連携して天気やニュースの情報を取得します。
↑ 2016.11.5追記)Smart Mirror のプロトタイプを作ったクリエイターのブログ記事が公開されていました
2.きれいなコンセプトモデルよりも触ってわかるプロトタイプ
未来の◯◯のアイデアをいま提示するとき、出荷レベルのデザインと同等の完成度を求めると、ムービーやスライドを使った説明だったりオシャレだけどハリボテなコンセプトモデルになりがちですが、それでは予算に応じた点数の少ないアイデアしか提示できません。今年のCEATECでは、いい意味で「手垢の付いたプロダクト」と言えば良いでしょうか、コラボレーション手法を使って作られた作品を中心に、見た目の完成度は最高レベルではなくても利用者が実際手にとって動かして体験できるプロトタイプが、堂々と展示されていることも印象的な変化でした。
ハックコンテストと言えば今年でなんと11年目!リクルートの主催する Mashup Award のブースではROHM OPEN HACK CHALLENGEと同じく、手作り感あふれるIoT作品が日替わりで展示されて、訪れるクリエイター達の憩いの場となっていました。(ロフトワークでは2015年にオムロンの Sensing Egg Project でHVC-Cを使ったアイデアソンを共催させていただきました。)
3.想像力が膨らむ”Hack素材(マテリアル)”
CEATECにはさまざまな電子パーツやモジュールメーカーが参加していますが、BtoBつまり企業だけではなく個人やチームのエンジニアやデザイナーを対象にしたパッケージを展示するブースも増えているようです。私たちから見て「これはMTRL KYOTO に集うクリエイターの好物だ!」と思えるプロダクトやパーツも見つかりました。
LED BLOCK と Magic Flex / コーデンシ
コーデンシさんは京都に本社がある半導体・電子機器メーカー。
LEGOのようにブロック状のモジュールを自由に組み立てることができるLED群とシート状に曲がるLEDパネル。色や明るさのパターンはソフトウェアで自由にデザインできるそう。この自由度は完成されたサイネージはもちろんプロトタイピングとの相性もよさそうですね。
ちなみにこちらはロフトワークブースで展示している「接ぎ木」のサンプルです。違う意味で自由度高い!
4.身体的なもの、あるいは身体を拡張するもの
完成品・プロトタイプを問わず平面のディスプレイの中(だけ)で展開される鑑賞型ソリューションではなく、体を使って体感・理解するプロダクトが増えてきました。
また、ロフトワークでは、CEATECに先立ってクリエイターを集めたアイデアソンを行い、イベントの模様や優秀アイデアのスケッチをIoTタウン内に展示しました。
タイトルは「未来をデザインするIdeathon vol.7 拡張する身体/進化するIoT」。技術ドリブンではなくクリエイティブな発想から考え出されたアイデアや独創的なイラストが路行く人の関心を集めていたようです。
・・・以上、MTRL KYOTOのプロデューサーとして2日間会場を回ってみて感じたことをまとめてみました。
あの(ビジネス関係の人が多かった)CEATEC会場に個人やチームのプランナー・デザイナー・エンジニアがワクワクしながらウロウロしていて、彼らの作品が大企業のブースの中の一角で存在感を放っている。もちろん大企業だけではなく中小企業やベンチャー・大学のブースも含め、みんなの新しいネタ(マテリアル・アイデア)探しも捗る。「CEATECはMTRL的にはイケてる展示会になってる(なりつつある?)」というのが率直なうれしい感触でした。
CEATEC JAPAN 2016 は 10/6-7 も10−17時で開催中です。さまざまなマテリアルとそれらを使ったアイデアやプロダクトをぜひご覧ください。またお越しの際はぜひロフトワークブースにも遊びに来てください。
CEATEC JAPAN 2016 ( シーテック ジャパン 公式サイト )
会場マップ | CEATEC JAPAN 2016 ( シーテック ジャパン 公式サイト )
残念ながら関西に住んでいるので幕張メッセまでは行けない!という方は、MTRL KYOTO 2階のマテリアルコーナーでお待ちしております。
また、IoT 製品やサービスに関するコラボレーションやプロジェクトデザイン、クリエイティブを使ったブランディング、Web制作・オンラインマーケティングなどのご相談がある企業の方のお越しも大歓迎です。 MTRL KYOTO のご案内と事例紹介やヒアリングをさせていただきます。
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