Event report
2016.1.13
FabCafe Kyoto編集部
2015年12月19日、MTRL KYOTOでは、ワークショップ『プロトタイピング・アンセンスド』#0 [theme:自分というマテリアル] を開催しました。( ▶︎ 開催概要:https://mtrl.com/kyoto/events/151219_prototyping-unsensed/ )
ひとりひとりが見ている世界は実は違う、だけど共通言語を持ったせいで、それらは曖昧になっている。
マテリアルという場所が生まれたからこそ、人は世界をどういうふうに認識しているのか、そういった所を言語化して、自分をマテリアルとしてみてみた時、日常はどのように見えるのか?そんなギモンから今回のワークショップがうまれました。
主宰は辻勇樹さん。アートメディアに関わっていたり、アーティストインレジデンスに関わっていたりしているフリーのデザイナーの方です。
今回は自分というものを表現していく上で、まず外部化するために、様々な道具や材料を用意しました。
最初は、『観察』をテーマにペアを作ってワークを行いました。
相手の顔のパーツを1箇所ずつ合計3箇所観察してスケッチするワークです。
私も参加したのですが、絵は苦手だから「うわ、スケッチかぁ」と思ったんですが、時間をかけてひとつのパーツを描くと意外や意外、自分でも「割りとうまい」と思えるくらいのものが描けました。
次はこのMTRL KYOTOが出来た時に出た木っ端を使って、自分の内面と外面を表現するワークです。
直感で、自分らしい、内面と画面の木っ端を選んでいきます。
その後は、その木っ端のどこが自分らしいのか、普段感覚でしか捉えていなかった所を丁寧に時間をかけて言語化していきます。
印象的だったのが、
「自己紹介の時にするのは内面的な事がほとんどだけど、見ている人からすると外見で判断する事がほとんど。だからこちらが伝えることは5%も伝わっていないんじゃないか?」
という言葉。
木を自分に置き換えて話すことで「普段と違った自己紹介になった!」という方がたくさんいらっしゃいました。自分を木に投影して喋るからいつもより客観的に自分を見ることができるんですよね。
その後は、内面と外面を表した木っ端を使って、1枚のダンボールをフィールドとして、内面と外面の関係性を工作するワークショップを行います。
思い思いのモノを約1時間かけて制作したのですが、やはりそれぞれ個性がありますね。大きかったり、小さかったり、派手だったりシンプルだったり、装飾をどんどん重ねたり。それぞれが考える、”自分の内面と外面の関係性”を作っていきました。
割りと無心で取り組むことができ、なんだか不思議な感覚でした。作っている最中に、外面だと思って選んだものが実は内面の方がしっくりくることに気づいたり。考えれば考えるほど、この木っ端を選んだのが当たり前だなと思えるようになったり。
それは、そのように思おうとした結果、そうなっているだけなのかもしれませんが、その思考の流れを体験できたのは面白い経験でした。
みなさん楽しそうに制作されていました。
そして、最後に一人ひとり発表を行いました。
全てが、自分の選んだ内面と外面の木っ端の関係性を表したものなのですが、当然ではありますが全てのものがあまりに違っていて、また、説明を聞くことでなんでそれがそこにあるのか?なぜその角度か?など、ひとつひとつを丁寧に考えて工作していたので、それぞれに語れるものがありました。
あまり体験したことないだけど居心地の良い、とても不思議な空間でした。
シェアが終わったあと一旦今回のワークショップは終了。その後休憩を挟んで、辻さんが今回のワークショップを開催する為に調べた中で面白かった事などの共有をしてもらい、イベントは終了。濃厚で濃密な約3時間のワークショップでした。
日々の生活の中で、自分はいつでもココにいます。日常に自分というマテリアルをどう掛けあわせていくのか、ちょっと気にして考えてみたいなと思いました。
このワークショップは今後シリーズ開催する予定ですので、興味有る方は次の開催時にぜひお越しください。(文:ロフトワーク 牧)
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