Event Report

Global Goals Jam 2018レポート(第一部)過去に学んで前進しよう!

こんにちは。私はケルシー・ステュワートです。 ロフトワークが運営するFabCafeでグローバルチームのコミュニケーションコーディネイトや、バリスタをしています。

私がFabCafeに入って初めて参加したプロジェクトは、2017年のGlobal Goals Jam Tokyoでした。それから一年、今年は私自身がGlobal Goals Jam Tokyo 2018 の運営を担当することになりました。

大学生や社会起業家、アーティストなどをはじめとする約60名のクリエイターが集まったGlobal Goals Jam2018をレポートします。

執筆:ケルシー・ステュワート
日本語編集 : 鈴木真理子
撮影: FabCafe & 100BANCH

 

Global Goals Jam とは?

世界の指導者たちは、2015年の国連総会で、2030年までの達成を前提とする17の目標に合意しました。これらの目標は、持続可能な開発目標(SDGs)と呼ばれています。SDGsが目指す貧困のない世界では、経済およびジェンダーの不平等は消滅し、気候変動は「信じるか」どうかの問題ではなく、実在する環境危機として真剣な取り組みがなされます。

Global Goals Jam (以下GGJ)は、2日間にわたり、グローバルで開催されるアイデアソン/ハッカソンで、SDGsによって提示された課題の解決策を考えるイベントです。2018年のGGJは、世界70箇所以上で開催され、2,500名以上が参加しました。GGJは、UNDPと、デジタル・ソサエティ・スクールとして知られているMedia LAB Amsterdam の協力で生まれました。

Global Goals Jam 2018 Tokyo をレポート!

今年、株式会社ロフトワークとFabCafe Tokyoは、100BANCHとAdobeよりご支援をいただき、GGJ2018東京を開催しました。今年のGGJをちょっと数字でみてみましょう!

GGJ Tokyo 2018:

  • 参加者:45名 (約半分が大学生で、残りの半分が社会人でした。その多くがSGDsと関係のある研究や仕事をする人たちでした)
  • 多様な才能を持つファシリテーター:7名
  • 10名くらいの熱意のあるボランティア
  • プロトタイプ制作がずば抜けているFabCafe テクニカル・ディレクターの金岡大輝:1名
  • プロジェクト・マネージャーのケルシー・ステュワート(私):1名

刺激に満ちた2日間のスケジュールは?

Time Table day1

Time Table day2

1日目。SDGsのスピーチと、緊張を和らげるアイスブレイクからスタート

GGJの幕を切ったのは、UNDPのディレクターであるテツ・コンドウとユウコ・ヤスダによるSDGsについてのスピーチでした。今回の東京イベントで私たちがテーマとした3つのSDGsは、「ジェンダー平等」、「質の高い教育」、「持続可能な都市及びコミュニティー」でした。ユウコは、これらの領域について深く掘り下げ、私たちが直面している課題について、皆が明確に把握できるように説明をしました。

参加者は、デザインスプリントに突然取り掛かるのではなく、ペアになってお互いにインタビューを行いました。インタビューは、(1) スキル、専門知識、強み (2) 趣味や夢中になっているものについて相手に話を聞くもので、Tプロフィールと呼ばれるフォーマットで行われました。

Tプロフィールのインタビュー後に、壁にTプロフィールを貼り、参加者同士の共通点を線で結びました。出来上がったのは、参加者がお互いに結びついている関係性を視覚的に示したものでした。

チームが決定、そしていよいよデザインスプリントに

Tプロフィールに続いて、5W2Hの雛形を利用したブレインストーミングを行い、チームわけを行いました。ボードに各自のアイデアを貼り、参加者が自分が好きなアイデア上位3つに投票し、それに基づき、5~6人の最終グループに分かれました。

そして、いよいよ本編がスタート。まずアクターズ・マップを使って、各課題が影響を与える利害関係者を割り出しました。チームのアイデアを一つにする最初の一歩として、共感マップと作成中のペルソナとを照らし合わせます。対象とするペルソナに名前をつけ、自分たちが支援したい人たちが具体的にどのような人であるかをチームで話し合いました。多くのチームにとって、共感マップ上のペルソナは、自分たちがチームとして成長し、共感し続ける基盤となる重要なポイントとなっていました。

昼食後に、ファシリテーターの一人から面白いアイデアが出ました。ダニッシュ・ハンズと呼ばれるウォーミングアップ活動をしようというものです。皆の昼食後の眠気を吹き飛ばすために、体を動かして楽しいことをするのは大歓迎でした。初日の半分を終えてたくさんの笑顔を見ることができて、すがすがしくもありました。

午後からは、KJ法を用いて、課題解決のブレインストーミングを始めました。様々なコンセプト・スケッチとドット投票を行った後、多くのグループが自分たちのダーティー・プロトタイプに取り掛かり始め、1日目を終えました。

2日目。最終発表に向けて急ピッチで準備

2日目の始まりは穏やかで、チームはプロトタイプ作りに取り組みました。 前日に選ばれたコンセプト・スケッチを、ストーリーボードを使ってわかりやすくしようと時間をかけるグループもあれば、対象とする利用者や、アイデアの実行可能性のさらなる調査に向けて、インタビューの計画をしているチームもありました。

そして、午前の最後には、3Pテンプレートとビジネスモデル・キャンバスでデザインスプリントの3番目に立ち返りました。

ビジネスモデル・キャンバスは、私たちのアイデアが経済的に持続可能かどうかを確定するのに特に役立ちます。各チームでは、支援の出所がどこであるべきか(または絶対に避けるべきなのはどこか)とディスカッションが行われました。

各チームは、視覚的プロトタイプや資料の最終的な手直しをし、いよいよ最終発表に挑みました。最終発表は、質疑応答を入れて15分間。各チームのプロトタイプについては、長くなるので、レポート第2部でお知らせします。

Global Goals Jamの2日間に隠された魔法

GGJは「Action(行動)」を求める活動です。チームを形成し、共感を大切にして組織をつくり、再編成し、最終的にはプロトタイプを作ります。GGJを通じて、参加者たちは積極的に力を合わせ、集中して何かを作り上げる刺激を受けます。そして、自らを現実に行動している「変革者」として思い描くことで、参加者の視点は「私はこれを信じる」から「私はこれができる、この状況を動かすことができる」へと変化します。この考え方の変化は、SDGsの達成を築き上げるために欠かすことができないことです。

GGJのもう一つの素晴らしい点は、初対面の人たちとの共同作業によって、予想を超える素晴らしい友情が育まれることです。デザインスプリントでは、より効果的な方法を見つけた場合に、引き返したり、全く別の方法を選択したり、自信を持って大きく飛躍することができるようになります。

このような過程は、チーム活動の経験を積んでいる人たちにとってさえ、難題と言えます。今回のGGJでは、うれしいことに、社会的利益のための共同の取り組みや、ベストを尽くそうという精神により、一人一人が真の意味でのチーム・メンバーとなる様子を目の当たりにしました。

ファシリテーターや、参加者からのコメントをご紹介

「GGJのすばらしい点は、多様な背景を持つ人たちを集め、だからこそ、より複雑で多様な視点を持った議論が生まれ、それが現実生活の中での実際の社会の動きを反映していることです。」

— ユキ・グズマン、GGJ東京 進行役(質の高い教育)、沖縄科学技術大学院大学

「私はこのイベントが本物の国際的な多文化経験であると感じました。このワークショップは、日本にいながらにして、1週間の海外留学をするよりも有意義だと思いました。」

— アヤ・コズカ、GGJ東京2018参加者(持続可能な都市及びコミュニティー)

東京以外でも京都、香港でGGJ を開催!

また、今回のGlobal Goals Jamは東京だけではなく、MTRL Hongkong (香港)、FabCafe Kyoto (京都)でも、開催されました。FabCafeやロフトワークのネットワークによって、今後もGGJがどんどん広げていきたいと考えています。

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