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2022.12.5

受賞プロジェクト53点を発表!循環型経済をデザインするグローバル・アワード「crQlr(サーキュラー) Awards 2022」結果発表

FabCafe Globalと株式会社ロフトワークは、循環型経済をデザインするプロジェクトやアイデアを世界から募集するアワード「crQlr Awards (サーキュラー・アワード)2022」の受賞プロジェクト53点を発表しました(内訳:審査員賞49点と特別賞4点の計53点)。

2回目の開催となる今回も「直線型ではなく循環型の評価を行う」 「名声ではなく、行動のためのアワード」「グローバル視点を獲得できる」の3つの指標を掲げ、循環型経済の実現を目指す⼤規模なプロジェクトから計画中のアイデアまで幅広く募集しました。さらに、コミュニティのための「ボトムアップな活動」に敬意を表すために特別賞「FabCafe Global Prize」を新設。約2ヶ月半の募集では、企業や団体、スタートアップ、デザイナーなど世界30カ国から131プロジェクトが集まりました。

審査は、産業廃棄物中間処理業で減量化・リサイクル化率98%を達成している石坂産業株式会社 代表取締役 石坂典子や、世界で最も持続可能なフェスティバルとして表彰された「DGTL Festival」を開催しているMitchell van Dooijeweerd、アップサイクル生地に新しい命を吹き込むためのワンストップサービスを提供するmoreloopの共同創業者Amorpol Huvanandanaら、国内外の多様な分野のプロフェッショナル5名が参加。さらに世界に拠点を持つFabCafe Globalから5名が加わり、生活、環境、経済に寄与するサーキュラーなアイデア・プロジェクトを選出しました。

選ばれたプロジェクトには、審査員から贈られる独自の賞と評価コメントをはじめ、事務局が発行する認定ロゴを授与するとともに、2023年2月に開催予定の「crQlr Summit 2022」で受賞者、審査員によるクロストークで紹介予定です。イベント詳細に関しては、2023年1月上旬までに公式ウェブサイトより発表いたします。

※ サーキュラー・デザインとは…循環型経済(サーキュラーエコノミー)を目指す、製品やサービスのデザインのこと。デザインは仕組みの設計も含む。

crQlr Awards 結果発表ページ

https://crqlr.com/2022/ja/announce/

crQlr Awards 2022

応募期間:2022年9月1日〜10月21日
応募総数:131点/世界30カ国
審査員賞:49点
特別賞:4点
公式ウェブサイト:https://crqlr.com/2022/ja/

まず最初に、crQlr Awards 2022にご応募いただいた皆様、そして審査員の皆様の専門知識とサポートに、心から感謝申し上げます。循環型経済の実現に向けて点と点を結んでいくには、創造性と変革を後押しする連携が必要ですが、今年の受賞プロジェクトにはその両方が反映されていました。

今年はボトムアップ思考、トレーサビリティ、透明性をもった様々なプロジェクトを多くみることができました。これらは循環型バリューチェーンにおける機会を見出す重要な役割を果たしています。
受賞プロジェクトには、廃棄物を資源として捉えていくパーパス・ドリブンな活動、モジュール式に統合していく技術、教育やアート体験をさらに豊かにする活動、また、新しい価値創造につながるカッティングエッジな炭素吸収手法などがありました。

crQlr Awards 2022の受賞プロジェクトからは、よりオープンで公平な循環型社会へ向かっていく兆しが感じられます。ぜひ深く掘り下げていただき、成長していく循環型社会における教訓やヒント、新たな機会に繋げていただければと思います。

crQlr Awards 2022の認定ロゴ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

審査員がそれぞれの視点で選出したプロジェクトには、独自の賞と評価コメントが贈られ、事務局が発行する認定ロゴが授与されます。認定ロゴは、企業の取り組みをより広く周知するためのプレスリリースやコーポレートサイトにおいて、広報ツールとして活用いただいています。

 

コミュニティのための「ボトムアップな活動」に敬意を表すために。
カテゴリやコミュニティの大小を問わず、コミュニティが持つ課題を解決するために生まれた活動・プロジェクトを募集し、4点を表彰しました。

審査会を通じて、審査員それぞれが多くの課題と解決策について学ばせてもらいました。まずは応募いただいたすべての人たちに対して感謝を伝えたいと思います。皆さんにも応募された活動を知ってもらうことで、特別賞が掲げた「ボトムアップな活動にスポットライトを当てる」という目的は果たせるのではないかと思います。
全体として、食品や衣服など廃棄物問題に対する取り組みが多かった印象があります。循環型社会への移行の加速が求められる中、未だに大量生産・大量消費社会の構造から脱せてない現状に大きな危機感を覚えました。

特別賞では審査基準「2. コミュニティから始まり、持続される」に焦点が当てられました(逆に言えば「1. 地域資源の活用」「3. 天然資源の再生」はほとんどの活動がクリアしていました)。
開発プロセスを開くことでコミュニティを成長させる「Fair, circular solar panel」、地域の問題を機会創出に変えてコミュニティに還元する「Sargablock」、各地に研究所を置くことで地域ごとのコミュニティと協働する「日本草木研究所」、この3つは異なる象徴的なコミュニティへのアプローチを取っています。

そして、物質的な循環ではなく教育という手段でコミュニティの持続を目指している「Casa Gallina」は、私たちが取り組むべき課題は資源循環だけではないことを示しています。以上4つの活動が持つアプローチに学ぶことで、地域の課題を複合的に解決するボトムアップな活動が生まれるのではないかと考え、特別賞の選出としました。

▼受賞プロジェクト詳細一覧は以下リンクよりご覧ください。

https://crqlr.com/2022/ja/announce/

プロジェクト名:Casa Gallina

プロジェクト概要:Casa Gallinaは、文化、コミュニティ、環境に関連する学習と行動に焦点を当てた、学際的な文化プロジェクトです。このプロジェクトは、メキシコシティのサンタマリア・ラ・リベラに位置し、地域社会における相乗効果を促進することを目的としています。Casa Gallinaは、そのプラットフォームを通じて、レジリンス、環境、会社の創造的モデル、責任ある消費生活、社会的相互作用の代替モデルに関する取り組みと提案を促進、奨励、活性化することを目指しています。

また、地域コミュニティのネットワークを強化し、同じような関心を持つ他の地域の取り組みと連携して、対話、作業、交流のプロセスを確立することを目指しています。

URL:https://awrd.com/creatives/detail/13333230

審査員:小川 敦子

審査員コメント:大人たちが今を生き延びるためにどうするのか、という発想ではなく、子供たちが未来をよりよく生きるためには、という視点に主軸を置き、さらに、教育という観点から、サークル=循環を考え、実装するための構造を組み立てていることに、非常に共感を覚えました。出発点をどこにするのか?によって、描く未来は全く変わって来ますが、私自身、このような愛ある視点こそが、実は、非常に循環というキーワードを考えていく上でも、最重要な視点であると感じます。

ほか選出審査員:
・岩岡 孝太郎(FabCafe創設メンバー、FabCafe Hida)
・木下 浩佑(FabCafe Kyoto)
・Lingchih Yang (FabCafe Toulouse)
・Jeremie Bellot (FabCafe Strousbourg)
・小川 敦子(ロフトワーク京都)

プロジェクト名:Fair, circular solar panel

プロジェクト概要:太陽光発電は未来のエネルギー源ですが、同時に大量の廃棄物を生み出します。バイオスフィアソーラーは、公正で循環型のソーラーパネルを開発するグローバルな集団です。太陽光発電業界に新しいデザインスタンダードを設定し、循環型社会を実現することを目指しています。修理や改修のために分解すること、新しい技術でアップグレードすること、耐用年数終了時に高い価値でリサイクルすることができる、モジュール式のPVモジュール設計を開発しています。
URL:https://awrd.com/creatives/detail/13200057

審査員:石坂 典子

審査員コメント:世界が直面する太陽光発電の廃棄パネル問題に目を向けて、資源循環のあり方を、既にオープンソースで取り組み、グローバルレベルでの体制を持っている。

現状ではガラスが再生不可能であることにも向き合い、モジュールタイプで構成することは、資源延命であり、技術として注目し、期待したい。

プロジェクト名:UP FOOD PROJECT

プロジェクト概要:食の分野における未利用資源(規格外の農水産品・皮・殻・滓など)のアップサイクルを促進することでフードロスを減らし、食を持続可能にUpdateすることを目指す共創プロジェクト。共創パートナー20社(2022.9.23現在)
URL:https://awrd.com/creatives/detail/13274088

審査員:Richie Lin

審査員コメント:フードロスは私たちの社会に常につきまとう問題ですが、このプロジェクトは、廃棄されたり出荷に適合しない食品を再び価値ある新しい製品に転換するという創造的なアプローチでその解決に取り組んでいます。それと同時に、このプロジェクトのように消費者の日常使いに適した実用的な製品を複数開発することも決定的に重要です。廃棄物として扱われていたものを再利用し、新たな価値を与え、消費者に買ってもらい、使ってもらう、まさにサステナブルなシステムですね。

プロジェクト名:AIRBUBBLE

プロジェクト概要:空気浄化のための微細藻類培養を統合した、世界初のバイオテクノロジーの遊び場。

AIRBUBBLEは、ポーランドのワルシャワの中心部に、子どもたちが遊ぶための浄化された微気候、つまり清浄な空気の泡を作り出します。52個のガラス製藻類リアクターを保護するETFE膜に包まれた円筒形の木造構造の都市型藻類温室です。このスペースには、ロープ、フットポンプ、弾力のある球が設置されていて、遊び場としても屋外教室としても機能します。藻類培養システムの白い泡の音は、周囲の都市騒音を隠し、遊びと交流の場として落ち着いた雰囲気を作り出しています。
URL:https://awrd.com/creatives/detail/13335772

審査員:Mitchell van Dooijeweerd

審査員コメント:私は、技術革新、教育、遊びが一体となったときが大好きです。特に、AIRBUBBLEのような文脈で見ることができるときは、なおさらです。

私たちは皆、互いにつながった生命の網の目の一部でしかなく、すべての行動には結果が伴うことを認識しています。ポジティブな痕跡を残すようにしたいものです。AIRBUBBLEで遊んでいる間、環境を再生することができるのです。それは自然にとっても人にとってもWin-Winの関係であり、これからの時代に必要なことです。人と自然の距離を縮めることで、再びつながることができるでしょう。

審査員 プロジェクト
石坂 典子
(石坂産業株式会社 代表取締役)
・Fair, circular solar panel (Netherlands)・地球にやさしい「歯みがきペーパー」と「竹製歯ブラシ」(Japan)
・The Fossilizator (France)
・Mikafi Roasting Platform (Switzerland)
・True Circulation; death connects birth (Japan)
Mitchell van Dooijeweerd
(DGTL Festival / Revolution Foundation サステナビリティ・マネージャー)
・Landless Food (United Kingdom)
・AIRBUBBLE (United Kingdom)
・ネオクロマト加工 (Japan)
・Trash Encyclopedia “Trashpedia” (Malaysia)
・まちのクローゼット(まちクロッ)(Japan)
Yeliz Mert
(Global Landscapes Forum ナレッジシェアリングコーディネーター)
・UP FOOD PROJECT (Japan)
・Fair, circular solar panel (Netherlands)
・アップサイクルスピーカー (Japan)
・Mineralloop (Netherlands / Taiwan)
・まなびのもと (Japan)
Amorpol Huvanandana
(moreloop 共同創業者)
・Sargablock (Mexico)
・PACKBAGS (Netherlands)
・Ecofemme Organic Reusable Cloth Pads (India)
・ニューノス (Japan)
・みらい楽器ラボ (Japan)
Richie Lin
(MUME Hospitality Group 創業者&CEO / MUME 料理長)
・Leap (Denmark)
・UP FOOD PROJECT (Japan)
・The Purhyphae Project (Spain)
・Fair, circular solar panel (Netherlands)
・Sargablock (Mexico)
Lingchih Yang
(FabCafe Toulouse 共同創業者)
・Leap (Denmark)
・Fair, circular solar panel (Netherlands)
・The Fossilizator (France)
・Plant-Based Fiber Products (Taiwan)
・Stible (Japan)
Jérémie Bellot
(Duc at Château de Beaugency オーナー & クリエイティブディレクター/ FabCafe Strasbourg 創業者)
・Leap (Denmark)
・The Purhyphae Project (Spain)
・Sargablock (Mexico)
・Another Moon (South Korea)
・The Fossilizator (France)
小川 敦子
(ロフトワーク京都 アートディレクター)
・Aquaterrestrial Recolonization (United States)
・ぐるぐるRadish (Japan)
・Casa Gallina (Mexico)
・Dayra (Palestine)
岩岡 孝太郎
(株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 CEO)
・Fair, circular solar panel (Netherlands)
・MYCL Composite Project (Indonesia)
・GOOD CYCLE BUILDING 001 (Japan)
・ASO-DEKASUGI GUARDRAIL Project (Japan)
・日本草木研究所 (Japan)
木下 浩佑
(MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング & プロデュース)
・A drop in the Ocean (France)
・Beer the First (Japan)
・Aquaterrestrial Recolonization (United States)
・The Fossilizator (France)
・Open Material (Japan)
審査員 プロジェクト
・岩岡 孝太郎(株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役 CEO)

・Lingchih Yang (FabCafe Toulouse 共同創業者)

・Jérémie Bellot (Duc at Château de Beaugency オーナー & クリエイティブディレクター/ FabCafe Strasbourg 創業者)

・小川 敦子 (ロフトワーク京都 アートディレクター)

・木下 浩佑 (MTRL / FabCafe Kyoto マーケティング & プロデュース)

・Sargablock (Mexico)
・日本草木研究所 (Japan)
・Fair, circular solar panel (Netherlands)
・Casa Gallina (Mexico)

2023年2月に、受賞者と審査員による特別セッションを中心とした、多彩なゲストとのクロストークを展開します。サーキュラー・エコノミーに関わる第一線のゲストや参加者と繋がる機会として、ぜひご視聴・ご参加ください。詳細に関しては、2023年1月上旬までに公式ウェブサイトより発表いたします。

公式ウェブサイト:https://crqlr.com/2022/ja/

循環型経済の実現に欠かせない「サーキュラー・デザイン」を実践するため、既存の産業における実践的なノウハウだけでなく、国内外の事例に触れて視野を広げ、起業家やアーティストなど幅広い分野のクリエイティビティを活用するための国内初「サーキュラー・デザイン」分野のアワードです。
昨年のアワードでは、企業や団体、スタートアップ、デザイナーなど世界24カ国から204点のプロジェクトが集まり、63のプロジェクトが受賞。受賞プロジェクトには、循環経済の取り組みを周知・PRしていく活動の後押しとなるcrQlr Awards 2022の認定ロゴが授与されました。

FabCafe Global

株式会社ロフトワーク

 

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  • FabCafe編集部

    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

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