Project Case
2023.8.6
雷雲プロジェクト
雷雲プロジェクトと加速キッチンはどちらも宇宙線を研究対象にした活動をしています。
雷雲プロジェクトとは
雷はどうやって発生するの? 未だにそのメカニズムは不明です。
その鍵を握るのが、ガンマ線を生み出している不思議な雲ガンモ! このプロジェクトでは、たくさんの雷雲からガンモを探し出し、雷が生まれる仕組みに迫ろうと考えています。
北陸では、雨も多く、とくに雷が冬によく落ちることが知られています。
しかもじつは、冬の日本の雷は世界的にもかなり強力! 世界のどこでもめったに観測できない格好の雷のスポット、それが冬の北陸なのです。
加速キッチンとは
全国の中高生の素粒子・宇宙分野などの放射線計測を伴う探究活動をサポートしています。
中高生でも組み立てられる検出器を配布し、オンラインでメンターが探究を伴走することで、自宅で本格的な探究活動を行える環境を実現しています。
まずは雷雲プロジェクトの3人がお話しました。
一人目は、雷雲プロジェクトのリーダーの榎戸輝揚さん(京都大学)。ガンマ線を出す雲を追跡するシチズンサイエンス「雷雲プロジェクト」の紹介や、雷雲が天然の粒子加速器として働き、ガンマ線を降り注ぐメカニズム、プロジェクトのこれまでの経緯を紹介しました。科学と文化の接点を深め、石川で科学を楽しもうというメッセージでした。
二人目は鶴見美和さん(青山学院大学)。雷雲プロジェクトの主力メンバーです。雷雲プロジェクトでの詳しい活動内容や、実際に観測された雷雲ガンマ線の解析の結果を紹介しました。この結果は、長年の謎である雷の発生メカニズムを解く鍵にも繋がるもので、7月に学術論文として成果が出版されました。衛星設計コンテストや月の研究の話もあり、大学院での研究生活の広がりを感じさせるものでした。
三人目は一方井祐子さん(金沢大学)。理系進学とジェンダーバイアスの関係について紹介しました。雷雲プロジェクトとも関わりが深い理系分野に女性が少ないのはなぜでしょう。理系、文系に関わらず、思い込みにとらわれない、自由な進路選択を呼びかけました。
最後は加速キッチンの田中香津生(早稲田大学)さん。加速キッチンでの取り組みや放射線探究の魅力を紹介し、中高生も放射線計測を伴う宇宙・素粒子分野の研究ができることを熱く呼びかけました。トーク終了後には、自分も放射線検出器を使って研究してみたい!という生徒さんが集まっていました。
雷雲プロジェクトや雷の研究は北陸でしかできない、ここだけのもの!
一人でも多くの方に興味をもっていただけたら嬉しいです。
北陸の冬の雷シーズンまであと少し。
雷雲プロジェクトは2023年度も続きます!
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雷雲プロジェクト
雷雲プロジェクトでは、市民サポーターの皆さんと一緒にたくさんの雷雲からガンモを探し出し、雷が生まれる仕組みに迫ろうと考えています。
雷雲プロジェクトでは、市民サポーターの皆さんと一緒にたくさんの雷雲からガンモを探し出し、雷が生まれる仕組みに迫ろうと考えています。