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2021.11.23
FabCafe編集部
FabCafe Global と株式会社ロフトワークは、循環型経済をデザインするプロジェクトやアイデアを世界から募集するアワード「crQlr Awards (サーキュラー・アワード)」の受賞プロジェクト63点を発表しました。
本アワードでは、循環型経済をデザインするグローバル・アワードとして「名声ではなく、行動のためのアワード」「直線型ではなく循環型の評価を行う」「グローバル視点を獲得する機会」の3つを掲げ、循環型経済の実現を目指す⼤規模なプロジェクトから計画中のアイデアまで幅広く募集。約2ヶ月半の募集では、企業や団体、スタートアップ、デザイナーなど世界24カ国から204点のプロジェクトが集まりました。(応募期間:2021年8月4日〜10月22日)
審査は、「SPACE10」の共同創業者のGuillaume Charny Brunetや森美術館特別顧問の南條史生、Circular Initiatives&Partners代表の安居昭博ら国内外のクリエイターやプロフェッショナル19名を審査員に迎え、生活、環境、経済に寄与するサーキュラーなアイデア・プロジェクトを選出。選ばれたプロジェクトは、優劣を定めず、審査員が設定した賞をはじめ事務局が発行する認定証とブランドキットが授与されます。
また、2021年12月1日と12月2日に開催されるオンラインイベント「crQlr Summit 2021」では、受賞者、審査員によるクロストークを展開します。
crQlr Awardsでは19名の各審査員が、 応募総数204点のなかから、複数プロジェクトを選出し、各プロジェクトへの期待をこめたネーミングの賞を与えました。
受賞プロジェクト詳細一覧
審査員 | 選出された企業・団体・クリエイター名 |
Ana Laura Cantera | Green Road(Thailand)、Malai Biomaterials(Slovakia, India)、NISHINAKA YUKITO(Japan)、Sea2See(Barcelona)、REnato lab(Taiwan) |
Anita de Wit | Shogo Minemura(Japan)、REKROW(Japan)、SOLIT(Japan)、amphibio(UK) |
Cecilia Tham | Lukas Schertel(Switzerland)、maosheng(Taiwan)、Cheuk Laam Wong(UK)、Fujitsu(Belgium)、Cinzia Ferrari(UK) |
David Benjamin | Zenzhou Social Enterprise(Taiwan)、INOW(Japan)、Malai Biomaterials(Slovakia, India)、Souji(Spain)、会宝産業株式会社(Japan) |
Enrique Lomnitz | Sorawut Kittibanthorn(Thailand)、Lukas Schertel (Switzerland)、naifactoryLab(Spain)、AMPHIBIO LTDチーム(UK) |
Guillaume Charny-Brunet | GREEN ROAD(Thailand)、Nophol Techaphangam(Thailand)、積水ハウス株式会社(Japan)、Zenzhou Social Enterprise(Taiwan)、 Ayumi Matsuzaka(Germany)、Noryawati Mulyono(Indonesia) |
Mariko McTier | Nophol Techaphangam(Thailand)、Sustainable Materials Library(Taiwan)、株式会社クラダシ(Japan)、BAGASSE UPCYCLE(Japan)、会宝産業株式会社(Japan) |
Mohamed Muse Hassan | GREEN ROAD(Thailand)、Nophol Techaphangam(Thailand)、Natacha P(Spain)、ニッコー株式会社(Japan)、Bio-architecture Formosana(Taiwan) |
Richard Ekkebus | Sea2See(Spain)、Noryawati Mulyono(Indonesia)、greenYng(Spain)、Anna Gras Brugulat(Spain) |
Singh Intrachooto, PhD | Sorawut Kittibanthorn(Thailand)、ISLANDAP ADVANCED PROJECT(Spain)、TômTex Inc(USA)、株式会社LIFULL(Japan)、Sergio Fernández Fernández(Spain) |
Willemijn de Iongh | 積水ハウス株式会社(Japan)、 ISLANDAP ADVANCED PROJECT(Spain)、SAWADEE&NPO法人活エネルギーアカデミー(Japan)、 Zenzhou Social Enterprise(Taiwan)、黒川温泉観光旅館協同組合(Japan)、AKIRA OKURA(Japan) |
安居 昭博 | Bio-architecture Formosana(Taiwan)、 株式会社LIFULL(Japan)、Ayumi Matsuzaka(Germany)、株式会社クラダシ(Japan)、株式会社BAGASSE UPCYCLE(Japan)、株式会社スマイルズ(Japan) |
加藤 佑 | Shogo Minemura(Japan)、BAGASSE UPCYCLE(Japan)、Liu Tsai-Chieh(Taiwan)、Margot massenet(France)、Bio-architecture Formosana(Taiwan) |
南條 史生 | Bio-architecture Formosana(Taiwan)、matt.simms@whitegrey.com.au(Australia)、HEY SHENG Creative Inc.(Taiwan) |
竹田 達哉 | ニッコー株式会社(Japan)、カリモク家具株式会社(Japan)、株式会社LIFULL(Japan)、株式会社GEN Japan(Italy)、BAGASSE UPCYCLE(Japan) |
Tim Wong | CRUST Group(Singapore)、鴨志田農園(Japan)、Sorawut Kittibanthorn(Thailand)、株式会社クラダシ(Japan)、 REnato lab(Taiwan) |
Kalaya Kovidvisith | GREEN ROAD(Thailand)、Nophol Techaphangam(Thailand)、Scholars of Sustenance Thailand(Thailand)、Noryawati Mulyono(Indonesia) |
Kelsie Stewart | Scholars of Sustenance Thailand(Thailand)、株式会社グリーンディスプレイ(Japan)、 SHIH KUO HAN(Taiwan)、Sergio Fernández Fernández(Spain)、Guillaume Slizewicz(Belgium) |
棚橋 弘季 | 鴨志田農園(Japan)、Agriforward Co., Ltd.(Taiwan)、株式会社GEN Japan(Italy)、EarthCompany(Japan)、Paula Camiña Eiras(Spain) |
受賞プロジェクトのうち、特に審査員の注目を集めた作品をご紹介します。
プロジェクト名:nornnorn – Circular economy-based mattress subscription platform
プロジェクト概要:消費システムから発生する廃棄物、汚染、温室効果ガスの排出量を削減することを目的とした、マットレスのサブスクリプション・プラットフォーム。リサイクル費用を月額利用料に含めることで、使用済みマットレスのリサイクルを経済的に可能にし、高品質なマットレスを手頃な価格で入手できるプログラムを提供。#Mattress #Productasaservice #Greentechnology
選出審査員:Guillaume Charny-Brunet SPACE 10 / 共同創業者 & ストラテジーディレクター
非常に明確なピッチです。構成がしっかりしており、具体的でポイントをついていて、ビジネスと市場の両方のポテンシャルが説明されています。ビジネスモデルを「模範的なビジネス」としてうまく統合できています。これを真にサーキュラーかつ長期にわたり実用的なものとするには、より効率的な発泡素材のリサイクルが鍵となります。ホスピタリティ産業だけでなく、B2Cにも着目することで、大きな可能性が見えてきます。このアイデアをさらに推し進めるために検討してほしいのが、素材を変える(例えば、リサイクル性の高い発泡素材)ことで古いマットレスを新しいものに再生できるかどうか、別の国における現地の生産サイクルに統合できるかどうか、グリーンボンドによる資金調達、加えてそうした資金調達方法の大規模化が可能かどうかです。
プロジェクト名:Sea2see 100% recycled marine plastic
プロジェクト概要:スペイン、フランス、西アフリカの漁師が回収したリサイクルマリンプラスチックを使用し、アイウェアや時計などのファッションアイテムへリデザインするプロジェクト。海洋プラスチック汚染と持続不可能な光学・ファッション業界への問題提起をはじめ、プラスチック廃棄物を沿岸地域から購入することで、その地域に新たな収入源を生み出すアクションを行っている。#Marinewaste #Upcycled #Plastic
選出審査員:Richard Ekkebus The Landmark Mandarin Oriental, Hong Kong / カリナリーディレクタ
私は過去8年間、活動家として熱心に講演を行い、使い捨てプラスチックの使用や海の汚染の問題を啓蒙してきました。LMOでは、事業活動から使い捨てプラスチックを排除しています。この方針は、世界中のMOHGホテルで実施されており、2021年3月以降、すべてのホテルで使い捨てプラスチックを使用していません。そのため、海洋プラスチックのアップサイクルは私にとって身近なテーマです。プラスチックはリサイクルされるべきであり、可能であればPLAを含まない代替品に完全に切り替えるべきです。そのため、このプロジェクトは私にとって身近なものであり、使い捨てプラスチックが有用なアイテムにリサイクルされることで新たな命を与えられることに興奮しています。
プロジェクト名:TaiSugar Circular Village
プロジェクト概要:建築環境における循環型経済のコンセプトに焦点を当てた、台湾で初めての住宅プロジェクト。13,994.07平方メートルの敷地にリサイクル材料やグリーン材料を活用するなど、解体を前提とした設計で建てられた429戸の賃貸住宅が並ぶ。さらに屋根に約2,500平方メートルのソーラーパネルを設置することで、再生可能エネルギーの利用を増やし、年間電力量を約350kWhにすることを目指している。#Builtenvironment #Community #Farm
選出審査員:安居 昭博 Circular Initiatives&Partners / 代表
建築業は廃材量及び温室効果ガス排出量の観点から、サーキュラーエコノミーへの転換が最重要視される分野の一つです。「TaiSugar Circular Village」は居住区、食糧生産区、居間、台所と生活基盤となる複数のエリアを組み合わせたユニークなコミュニティプロジェクトです。それぞれの建物には解体が考慮された設計、マテリアルパスポート、照明のPaaSモデル、プレキャスト構造システム、アップサイクル素材の活用など、これからの建築において重要な取り組みが多々導入されており大きな評価の対象となりました。木材などの原材料の調達地域に関しては言及が見られなかったのですが、可能な限り近い地域圏の資材が活用されることが望ましいでしょう。現在の構想が具現化され進められる中で、さらに質の高いモデルとなり、世界中の建築分野から注目される存在になることを願っております。
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ロフトワークについて
オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・カンパニー。
グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材と向き合うクリエイティブサービス「MTRL(マテリアル)」、クリエイターとの共創を促進するプラットフォーム「AWRD(アワード)」を運営。世界中のクリエイターコミュニティと共創することで、幅広いクリエイティブサービスを提供します。
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