Column

2026.10.16

千葉で見つけた、持ち帰れる好奇心。FabCafe Chibaの「ぢばみやげ」

宮崎 真衣

株式会社ロフトワーク 広報

Chiba

千葉のお土産、と聞いて思い浮かべるものはありますか?

FabCafe Chibaの店内には、ちょっと変わった名前のお土産コーナーがあります。その名も、「ぢばみやげ」。千葉の各地で出会った、地場のモノを紹介・販売する取り組みです。並んでいるのは、千葉県産の落花生からつくられたピーナッツバターや、館山のクラフトジンを使った琥珀糖、縄文時代の食文化に着想を得たどんぐりクッキーなど。千葉のさまざまな地域を訪ねるなかで、FabCafe Chibaのクルーが出会った、気になる食べものやプロダクトを集めています。

千葉には、その土地ならではの素材や、つくり手のアイデアから生まれたものがたくさんあります。「ぢばみやげ」で大切にしているのは、いわゆる「千葉らしい名物」であることだけではありません。素材の組み合わせやつくり方、見た目の美しさなど、思わず手に取りたくなる“つくる工夫”にも注目しています。

おいしい、かわいい、誰かにあげたい。そこから、その商品がどんな場所で生まれたのか、誰がどんな工夫をしてつくっているのかまで気になってくる。そんな、千葉への好奇心まで持ち帰ってもらえたら。「ぢばみやげ」には、そんな思いが込められています。いのはな亭を訪れたら、ぜひ手に取って、その背景にある土地や季節、つくり手のことにも思いを馳せてみてください。

ここからは、FabCafe Chibaのクルーの“推しコメント”と一緒に、現在取り扱っている「ぢばみやげ」を紹介します。

どんぐりクッキー

クルーの推しポイント:縄文の記憶を、ひとくちのクッキーでいただく

世界最大級の貝塚のひとつ、千葉市の「加曽利貝塚(かそりかいづか)」。縄文時代、この土地で人々の大切な食料だった「どんぐり」に着目し、現代の暮らしの中でも楽しめるクッキーとして生まれました。実は、この「クッキーにする」というアイデアにも、縄文文化とのつながりがあります。縄文土器の「伸ばして、かたどる」というつくり方がクッキーづくりと似ていることから、どんぐりをクッキーにすることにしたそうです。はるか昔のものづくりのアイデアや食文化を、今の暮らしの中で楽しめる形に変えていく。そんな、過去と現在をつなぐ、ものづくりの発想に惹かれて選びました。

HAPPY NUTS DAY

クルーの推しポイント:つくる人のハッピーな空気まで、ひとさじに

千葉県における落花生栽培発祥の地とされる山武市。その土地で育った落花生を使ってつくられた、「HAPPY NUTS DAY」のピーナッツバターです。甜菜糖を合わせることで落花生そのものの風味を引き立て、濃厚で香ばしい味わいに。粒ありタイプならではの、カリッとした食感も楽しめます。トーストにたっぷり塗るだけで、いつもの朝ごはんがちょっと特別になります。

そして、私たちが惹かれたのは、味や素材だけではなく「HAPPY NUTS DAY」という名前の通り、つくり手のみなさんから伝わってくる、明るく前向きな空気もこのブランドの魅力です。つくる人の姿勢は、プロダクトにもどこか表れるもの。食べるたびに少し元気をもらえるようなところも含めて選びました。

TATEYAMA GIN

館山の植物と香りを、五感で楽しめる

千葉県館山市にある小さな蒸留所「TATEYAMA GIN」。館山の植物やハーブなどを取り入れてつくられたクラフトジンを使った、きらきらと美しい琥珀糖です。私たちが蒸留所を訪れたとき、まず印象に残ったのが、扉を開けた瞬間にふわっと広がった爽やかな香り。ジンがつくられる場所そのものが、植物の香りに包まれていました。

そんな蒸留所での体験を、ひと粒のお菓子から感じられるのが、この「KOHAKUTO」です。目で楽しんだあとは、しゃりっとした表面と、ゆっくりほどけるような食感。口に含むと、葉や花を思わせる香りがふわりと広がります。つくり手の場所を訪ね、そこで出会った風景や香りまで誰かに伝えたくなる。味だけではなく、見た目や香り、食感まで楽しめるものづくりに惹かれて選びました。

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クルーの推しポイント:季節によって味が変わる、千葉の自然そのもの

千葉県一宮町の海辺で、みつばちたちが晩夏に集めた蜜から生まれた百花蜜。「九十九里はちみつ」では、巣箱を同じ場所に置いて採蜜する「定置養蜂」を行っているため、その土地に咲く花や季節の移ろいが、はちみつの味や香りに映し出されます。百花蜜のおもしろさは、同じ場所で採れたものでも、その時期に咲いている花によって風味が少しずつ変わること。瓶の中には、その季節の一宮の風景が、そのまま詰まっているようです。

実はこのはちみつ、FabCafe Chibaで提供しているパウンドケーキにも使っています。季節ごとに届くはちみつを、商品としてだけでなく、カフェのメニューを通して味わえることも、私たちが楽しみにしていることのひとつです。

MITOSAYA

クルーの推しポイント:大多喜の果実とハーブを、新しい味わいに仕立てる

千葉県大多喜町(おおたきちょう)で育った、さまざまな品種の苺を贅沢に使ったフルーツシロップ。苺の甘酸っぱく華やかな風味に、ローズマリーの清々しい香りを重ねています。炭酸水で割ったり、ヨーグルトやアイスにかけたり、さまざまな楽しみ方ができます。私たちは、「MITOSAYA」で年に数回開催される「OPEN DAY」にも足を運んでいます。

その季節にしか見られない庭の風景を楽しみながら、植物や果実を使ったドリンクづくりを体験。自然の中にあるものを見つけ、組み合わせ、新しい味わいをつくる楽しさに触れました。そんな「自然とものづくりがつながる場所」に惹かれて、このシロップを選びました。大多喜の果実とハーブから生まれた一杯を通して、「MITOSAYA」で感じた季節や、つくる楽しさまで届けられたらと思っています。

MITOSAYA

クルーの推しポイント:庭の風景まで、味わえるように感じる

「MITOSAYA」の庭で咲いた薔薇を一輪ずつ摘み集め、観賞用ではなく、食べることや香りを楽しむことを目的に育てられた大多喜産の食香薔薇(しょっこうばら)とミントをブレンド。薔薇の華やかな香りにミントの清涼感が重なり、初夏の庭を思わせるような、香り豊かなハーブティーです。私たちは、「MITOSAYA」の「OPEN DAY」を訪れた際、季節ごとに表情を変える庭を歩き、植物に触れ、そこにある素材からドリンクをつくる時間を楽しみました。

庭に咲いている植物を、ただ眺めるだけではなく、摘み取り、組み合わせ、味わってみる。そんな体験を通して、庭の風景がそのまま飲みものへとつながっていくような感覚が、とても印象に残っています。このお茶にも、薔薇やミントの香りだけでなく、「MITOSAYA」の庭で過ごした時間や、季節の風景まで重なっているように感じます。植物を育てる場所と、味わうものが地続きになっている。そんなものづくりに惹かれて選びました。

MITOSAYA

クルーの推しポイント:発酵と素材の組み合わせから、新しい味をつくる

自然栽培のりんごを発酵させた「りんごもろみ」に、採りたてのにんにくを合わせた万能ソース。りんごのやさしい甘みと発酵によるコク、にんにくの風味が重なり、肉料理をはじめ、さまざまな料理を引き立てます。「MITOSAYA」の「OPEN DAY」を訪れたときに印象に残ったのは、季節の素材をそのまま味わうだけでなく、ひと手間を加えることで、違う表情を引き出していくものづくりでした。

このソースも、りんごやにんにくという身近な素材に、発酵や組み合わせの工夫を重ねることで、新しい味わいへと変えています。素材そのもののおいしさを生かしながら、手を加えることで別の魅力を見つけていく。そんなものづくりの面白さに惹かれて選びました。

「ぢばみやげ」は、ずっと同じ商品が並ぶ定番のお土産売り場ではなく、FabCafe Chibaのクルーが千葉のまちを歩き、人や場所と出会うなかで、「これは誰かにも教えたい」と思ったものが、新しく仲間入りすることがあります。

「ぢばみやげ」のロゴにも、千葉らしい遊び心が込めています。コンセプトは、「千葉+地場+磁場=ぢば」。土地と土地、人とものが混ざり合いながら、新しい出会いが生まれていくイメージから、文字の境界線が入り混じるようなデザインに。グラフィックには、千葉の地域の境界線もモチーフとして取り入れています。商品を入れて持ち帰れる「ぢばみやげ」の袋も、有料でご用意しています。お土産と一緒に、この土地の風景や出会いまで、ぜひお持ち帰りください。

ぢばみやげバッグ

ロゴ制作:美山有

 

気になるものをひとつ持って帰ったら、次はその商品が生まれた場所へ。「ぢばみやげ」が、そんな千葉の楽しみ方の入口になったらうれしいです。

Author

  • 宮崎 真衣

    株式会社ロフトワーク 広報

    広報の理論と実践を「Mie Institute of Communication」で学んだ後、アートやIT企業の広報・企画職などを経てロフトワークに入社。さまざまな場面でわきおこるコミュニケーションを、組織だけではなく暮らしや地域に還元していくために、cooperative(協同組合)やcollective(拘束力を持たない緩やかなネットワーク)に参画しながら学びを深めている。

    広報の理論と実践を「Mie Institute of Communication」で学んだ後、アートやIT企業の広報・企画職などを経てロフトワークに入社。さまざまな場面でわきおこるコミュニケーションを、組織だけではなく暮らしや地域に還元していくために、cooperative(協同組合)やcollective(拘束力を持たない緩やかなネットワーク)に参画しながら学びを深めている。

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