Column

2020.9.27

FabCafe Kyoto 偏愛探訪 vol.3「Kazuomi Eshima & Masahiko Takeda」

黒帯とターンテーブルと“おりん”で紡ぐ継承と調和

浦野 奈美

SPCS / FabCafe Kyoto

こんにちは。FabCafe Kyotoの浦野です。FabCafe Kyotoでは、個人の偏愛や衝動を全力で応援するレジデンスプログラム「COUNTER POINT by FabCafe Kyoto」が2020年9月にローンチしました。このプログラムに関連してスタートしたインタビューシリーズ「FabCafe Kyoto偏愛探訪」。個人的な衝動や偏愛をさまざまな活動に展開している、FabCafe Kyotoと関係の深い方々を紹介しています。

第3弾は、Laatry武田 真彦さんと、江島 和臣(kafuka)さん。昨年から今年にかけて開発したインスタレーションは、CYCLEEというサイトから配信される、仏具の「おりん」とターンテーブルを用いた独特な表現。コロナ禍の影響下、FabCafe Kyotoでは夜10時から朝7時までという長時間の無観客ライブエキシビジョンも開催されました。今回は、どういう経緯でこのような表現が生まれたのか、また、異なるモチベーションを持つ2人が、どうしてユニットを組んで活動しているのか、それぞれのストーリーと情熱を伺いました。お話を紐解くごとに、身の回りの要素が宝石のように輝き始める、1万字の長編インタビュー。

と、文字だけでは伝わらないと思うので…、まずはこの動画をご覧ください。

── まず、「CYCLEE」についてお聞きしたいです。サウンドインスタレーションをオンラインで鑑賞できるウェブサイトとのこと。ここで配信されるパフォーマンスも、おりんとターンテーブルの組み合わせという独特な表現です。このパフォーマンスを始めたきっかけを教えていただけませんか?

武田 そこには僕のバックグラウンドが関係しています。僕の祖父は喪服用の黒帯の織元ですごく尊敬していて継ぎたかったんですが、産業的な将来性から絶対にやめておけと言われてたんですね。そこで、尊敬する黒帯の伝統やデザインを、自分が続けてきた音という表現を通して継承することができないか、ということを考えはじめ、kafukaさんに相談したんです。それまでお互い音楽イベントで共演したりと長い間面識はあったんですが、何か一緒にやろうって話したことはなくて。お互いに楽曲制作やライブパフォーマンスなどに専念する傍ら、僕は音による伝統継承への取り組み、kafukaさんはメディア表現への新しい取り組みを考えていたので、話がすごく盛り上がって、何か一緒にやろうってなったんです。

実家の黒帯を音表現を通して継承することはできないか?という想いのもと、活動を展開する武田さん

kafuka ちょうどそのタイミングで BnA Alter Museumのオープニングイベントに2人で遊びに行ったら、音楽レーベル「涼音堂茶舗」の星憲一郎さんからおりんを作っている南條和哉さんを紹介してもらって。持っておられたおりんの音を聴いて、2人とも「おおおすごい!」って感動したんですね。ここで物怖じしないのが武田くんの能力だと思うんですが、「工房に遊びに行ってもいいですか?」ってすぐアポとって、翌週には工場見学させてもらったんですよね。それで、工房に行った日におりんを借りてきて実験させてもらったんです。

アイデアを出しながら色々試している中で、このおりんをシンギングボウル(チベット由来の金属製のボウルで、縁を擦り続けることで持続音を鳴らすことができる)のように鳴らし続けることはできないかと考えたときに、「ターンテーブルだ!」となって、試行錯誤を重ねて今の形になったんです。あと、音楽って演奏者に注意が向きやすいんですけど、演奏者が不在の状態で作品を観賞するって、すごく没入感があるんですよね。演奏者の存在を消して何かを伝えたいと思っていたので、ここでできた表現って色々な面で完璧だったんですよね。

手前は、南條工房によっておりんの製造技術を用いて作られた小さなおりんのようなプロダクト「LinNe」、奥が通常のサイズのおりん。LinNeは吊るされた黒檀の玉がランダムに当たることで様々なタイミングで音色が響き、奥のおりんは、シンギングボールのように持続音が鳴る仕掛けになっている。

── ビビッときてからの行動が早いですね!この形ができるまでどのくらい時間かかったんですか?

武田 おりんを借りて帰ったその日にはある程度アイデアができましたね。アイデアの元になったのは、kafukaさんが過去にNTT[ICC]で展示した作品で、持続音を干渉させて、その音の揺らぎを感じたり音を変えていくという「ストリングス・フォー・ハーモニー」でした。

kafuka 元々バンドでギターをやってたんですけど、その「ストリングス・フォー・ハーモニー」という作品は、自分が最も愛着のあるギターの音を、1回分解して、再解釈して展示するというものだったんですよね。今回の表現もプロセスは一緒なんですよね。

「分解と再解釈」が活動の根本にあるという、kafukaさん

武田 持続音とデジタルの音を掛け合わせることで空間にゆらぎのあるサウンドインスタレーションというものができないかという提案を彼からもらって、どうコンセプトに落とし込んでいこうかという時に、和楽器のチューニングの音程と、西洋楽器のチューニングの音程が違うという話を思い出して。和楽器のチューニングの音程を日本の伝統の基となる音と見立てられるのだとしたら、おりんの音程をその音程にカスタマイズしていただいて、空間に表現できたらどうだろうと考えたんです。そして、その空間には黒帯の掛け軸を掛けました。黒帯は真っ黒なので、それを観賞するという行為は、視界が遮断されるような感覚があります。だから、掛け軸を観賞することによって、聞こえてくる音の解像度を上げるという効果も得られるなと思ったんです。

kafuka この黒い掛け軸というのも僕に通じることがあって。さっき紹介した「ストリングス・フォー・ハーモニー」も、音だけに集中するために真っ暗な空間をつくって展示したんです。

── なるほど。おふたりが表現したいことや表現手法、そして素材が、それぞれ要素分解することで組み合わさっていくみたいですね。面白いです。

木下(今回はおふたりの活動に関わったFabCafeコミュニティマネージャーの木下も同席) ちょうどその頃ですよね、FabMeetupに参加いただいた時に、突然黒帯見せてくれたのは(笑)。それまでFabCafeとのつながりといったら、SPEKTRAのイベントでDJされている姿しか見たことなかったので、そっちの人だったのか!って(笑)。素材として考えた時に何かできませんかね、って相談してくれたんですよね。

── ああ、それがFabCafeがおふたりの活動に直接関わるきっかけだったんですね。でも最初はパフォーマンスじゃなくて、CDのジャケットを作られたんでしたっけ?

武田 元々僕の音楽をアルバムにしようという話があって、黒帯を使うことで、CDのジャケットに意味を持たせることができるんじゃないかと思ったんですね。

木下 そうですね。アルバムのレーベル元のKen’ichi Itoiさんとは、元々FabCafe Kyotoのイベントに参加いただいてから、一緒になんか作りたいですね〜!ってお互いに言いながら機会がなかったんです。武田さんが黒帯という提案をしてくれたので、一緒にやり方をディスカッションするようになったんですよね。

左からkafukaさん、武田さん、FabCafeのコミュニティマネージャーの木下

武田 最終的に、着物を包む時に使う畳紙(たとうし)をベースのケースにして、レーザーカットし、正方形の枠内に黒帯を覗かせるというデザインになりましたね。結局めっちゃ手作業で大変でしたね(笑)。

木下 レーベルオーナーとアーティストが夜な夜な紙を折ってましたね(笑)でもインディレーベルの原点に立ち返る活動だよねって話してました。世の中配信がメインになっていく中で、物理的にCDを作ることってどういうことなんだろうねって話しながら作ってましたね。それに、普通のCDってCD自体はプレス屋さんに頼んで、ジャケットは印刷してもらっていて、ものにはなっているけど、自分たちの手で作っていないよねって。ちゃんと自分たちの手で作って、商品として流通させるっていうことを、少なくてもいいからやるということがインディレーベルとしての矜持だと、皆で話してたんですよね。

黒帯をジャケットに使用した武田さんのアルバム「Mitate」

── なるほどー。私もCDはほとんどデータ化して捨てちゃってますが、捨てずに大事にしているCDも何枚かあって。共通しているのは、CDジャケットのデザインと音楽が関わりあってひとつの世界を作っているなあと。武田さんのCDもそういう世界観を感じます。それで、CDのプロジェクトの後で、CYCLEEの相談をいただいたってことなんですね。

木下 CYCLEEとFabCafeのつながりは、実はもうひとつ変なフックがあって、おりんのパフォーマンスに使われているNX-2というスピーカーですね。Tony Tamという香港のスピーカーデザイナーがFabCafeで展示をした時に、そのあと、そのままスピーカーを置いてってくれたんです。カフェには既にオーディオシステムがあるからうまく使えず置物みたいになってたんですが、SPEKTRAのイベントで使われるようになって。それで、CYCLEEのプロジェクトの時にこれ使えないですか?って声かけてくれたんですよね。

kafuka そうでしたね。僕もSPEKTRAのイベントの写真で武田くんがDJしてる写真見てて、すごく気になってて、相談してみようってなったんですよね。たしかに、それが最初でしたね(笑)

SPEKTRAのライブでNX-2を使って演奏している武田さん

木下 もっというと、彼のスピーカーって、真っ黒のアルミの削り出しで、職人技へのリスペクトが根底にあるんですよ。それを現代のプロダクトにどのようにアップデートするかという視点があって、さらにこの断面が広い形は、この余白でコラボレーションしたいという想いの現れだったようです。なので、その意図を説明せずに汲み取ってくれたのがすごくうれしかったみたいですよ。自分がやりたかったことができたって。

── おりんと、ターンテーブルと、黒帯とスピーカー(笑)一見関連のなさそうな要素もおふたりが感じるそれぞれの面白さや魅力を分解することで、独自の意味を与えて表現として繋げてしまっているのですね〜。その中にFabCafeの要素も散りばめられているのが嬉しいし。そう考えると身近にあるものもすべて宝石のように思えてきます。

── CDジャケット制作やスピーカーとの出会いなどを経て、おりんのサウンドインスタレーションの形ができていったということなんですね。

kafuka はい。そしてさらに表現をアップデートしようと、小さなおりんをたくさんターンテーブルに載せようと考えたんです。それでどうやったらくっつくかなってまた木下さんに相談にきたんですよね(笑)

木下 で結局、「ひっつき虫」(注:コクヨ社製ソフト粘着剤)」がよかったんですよね(笑)

武田 いやめっちゃ助かりました(笑)それに、最初は普通にアクリルの加工依頼として相談にいったんですよ。でも木下さんの答えが、どこででも買えるひっつき虫をつけろだったから、ああ、この人信用できるなって思ったんですよね(笑)

  • 配信前におりんを確認する南條工房の南條さん。

  • テクニカルメンバーは、映画制作プロダクションbelly roll film。1階のカフェスペースでブースを設置。一晩中撮影と配信を行った。

── レーザーカッターを使えって言わなかったってことですね(笑)そして、CYCLEEの最初の生配信をFabCafe Kyotoで行われたと。配信は22:00から7:00という長時間かつ完全無観客だったんですよね。どうしてこの配信を行おうと思ったんですか?

kafuka コロナという現象が起こって、自分たちが計画していた展示やパフォーマンスが全部中止になったんです。世の中もみんな配信始めてたんですよね。でも配信のフォーマットってみんな一緒で、音楽を生で配信して、みんなで見るという。配信自体は良いと思うのですが、リアルタイムで鑑賞することの価値に少し疑問があったんですよね。それで、自分たちはどうやって表現するべきなのかをひとつひとつ考えました。作品そのものはもちろんですが、インスタレーション作品が置かれている空間とその空気感が重要だと考えていて、それでFabCafe Kyotoの2階の和室が絶対いいなって思ったんです。窓があって。

── 和室の窓ですか?

武田 大きな窓って外の環境が見えるじゃないですか。外の環境や、観賞している人、そして作品自体をどう調和させるかはコンセプトのひとつだったので、イメージに合ってたんですよね。配信環境もとてもよかったですし。あと、あの作品のコンセプトに「使われてない時間、使われてない場所」という要素を入れていて、営業していない夜の時間がいいなと思ったんですよね。あと朝4時、5時くらいの雰囲気を見せたかった。

深夜の無観客ライブエキシビジョンを行ったFabCafe Kyoto2階の和室。

木下 あの時、弊社内でも、いつもイベントに反応しないようなメンバーからメッセージきたりして、結構反応があったのが面白かったですね。ずっと見てられる感じとか、じわじわコンセプトを味わえる感じとか。すごくフィジカルな体験だったと思うんですよね。作品制作のプロセスからパフォーマンスまで、その場で体験する必然性やその身体感を取り戻すような活動なのだなあと思ったんですよね。

武田 たしかにそうですね。一番最初の展示が2019年夏の法然院の「電子音楽の夕べ」だったんですが、真っ暗な場所に黒帯を展示したんですよ。最初どうやって黒帯を見せようかライティングを色々試したんですが、黒を一番美しく観賞するのは真っ暗な場所だって気付いたんですよ。

kafuka 人間の目って、暗いところにいるとだんだん目が慣れてきてだんだん見えるようになるじゃないですか。耳も一緒で、小さな音をずっと聴いているとどんどん聞こえるようになっていくんですよ。それは、感覚を研ぎ澄ませていると、感覚をフォーカスする場所をチューニングできるようになっていくということで、面白いなと思っているところですね。僕たちのインスタレーションも、最初は部屋に入ったときは全然わからないんだけど、しばらくいると、いろんな情報が入ってくるっていう体験だったんです。

木下 いや〜すごかったですよ!人の動きとかいる場所でも音が変わるという、そのゆらぎも。

── なるほど〜〜〜。なんかこのお話を聞いて、おふたりが「リアルタイム」である意味を考えて作られていると言っていたのが理解できた気がします。人間の動物性を取り戻すような感覚や、その場でパフォーマンスに自分自身も関わることで成立するというのは、リアルタイムじゃないとできないことですね。

kafuka メディアアートって最初の印象が強いのが多いんですが、その分体に残るものが少ないことも多いなって思ってて。メディアの本来の意味に立ち返り、もっと人と人やものと何かの間にあるものを表現したくて、生で配信することや、場所、伝える媒体など、ひとつひとつの理由や意味を考えているというのはありますね。

武田 CYCLEEのwebサイトは、配信している時のみアクティブにして、情報や時間を制限するということを意図的にやっているんです。そのことで、オンラインでの体験の解像度を高めることができるのではないかと考えています。

法然院で開催された「電子音楽の夕べ」にて。photo by Genta Hisada

── ここまでのお話を聞いていて思ったんですが、一見関連のなさそうな黒帯やターンテーブル、おりんなどの要素を、分解と再解釈によって独自の意味を与え、ひとつの世界として表現するという、非常にコンセプチュアルな作品をかなり短期間で、しかもたくさんの方を巻き込んで作られているのがすごいなと思っていて。

FabCafe Kyotoも、情熱や偏愛といった想いを外に開いて、とにかく形にしていくことができる場所でありたいと思っていますが、部活だと止まってしまったり、一方で仕事にすると遊び心がなくなってしまったりと、簡単なことではありません。おふたりの間にどんな化学反応が起きて、このプロジェクトが進んだのかすごく気になります。意気投合した一番のポイントってなんだったんですか??

kafuka 多分、全然違うからじゃないですかね。お互いに違う方向に得意分野や知識があるからぶつかることないんですよね。これ一緒にやったら面白いことになるんじゃないかって思いましたね。

── でも、お互いに方向性も目的も違っていたら、一緒にやろうってならなそうじゃないですか。なんで相性いいのかやっぱり不思議。

kafuka (笑)。多分、音楽とか表現したいこととかすべて削ぎ落としたところで相性がいいんだと思います。たとえば、僕は一つのことを突き詰めることが好きなんですけど、それだけだと視野が狭いなというか、広げていっていろんな人と関わりたいという思いが強くて。その点で武田くんも共通点があるんですよね。開拓していきたいっていう気持ちですかね。

昔バンドをやってたんですが、表現が限られてしまう気がして、解散してからずっとひとりで表現を模索していて。IAMAS(情報科学芸術大学院大学)に20代後半で行ったんですが、音楽だけでやっていると色々なことを巻き込んでいけないなと思って勉強しに行ったんです。

武田 僕も元々バンドをやっていましたが、解散した後は個人での作家活動を始めました。制作や表現の幅を広げて行きたいという想いもあり、様々なアーティストやものづくりの方々と一緒に制作を行うようになっていきましたね。

kafuka 武田くんもずっとクラブでDJやライブパフォーマンスをしてたんですが、抽象的な表現とかを積極的にしてたりして、周囲の音楽家の中でも武田くんは異質な存在でしたね。いつもいろんな人となんかしてる感じで、音楽業界の人が割とスタイルが固まりやすい中で珍しいなと。

武田 自分だけで完結させずに、違うフィールドの人と一つのコンセプトに向かって動いていくということにすごく興味があったんですよね。

── なるほどー。でも別領域の人たちと接点を持つこと自体が難しそうじゃないですか。どうやったらできるんですかね。面白い人見つけたらメールめっちゃ打つとか?

武田 (笑)。ひとつは、僕が働いてたクラブっていう場所の特性と、地域性があるんじゃないかなと。クラブはいろんな人が集まって体験を共有する場で、いろんなアーティストが集まってくるんですよね。あと、京都って学生が多いし、滞在制作をしている若い外国人アーティストとかも常にいるので、人の循環は多くて、声をかけやすかったんだろうなあと思いますねえ。

── ふむー。でも、FabCafeでの活動もそうですけど、いろんな人を巻き込みまくる人と、そうじゃない人っていて。環境だけじゃないよなあと感じるんですよね。おふたりは確実に前者だと思うんですが、それがなんなのかすごく気になりますね、なんなんだろう。何度もしつこくてすみません(笑)

kafuka いや、わかりますよ(笑) なんでしょうね、こだわりを捨てるっていうのはめっちゃ大事だと思ってますね。僕も武田くんも音楽に関しては誰にも負けないって気持ちで活動しているけど、その姿勢で他の人に話してもわかんないと思うんですよね。それを取っ払えるかが大事だと思ってて。媒体を変えることで共通言語が生まれていくというのはあるので、そういう環境を意識的に作っているという点で、武田くんと共通してたんですよね。

── なるほど。こだわりを捨てて、多領域の人と関わるために表現の媒体を変えるというのはとても面白いです。Laatryはこれからもいろんな人を巻き込んでいくんでしょうか?

武田 今は僕たち2人が主に活動してますが、もっといろんな人に関わってくれたら嬉しいなとはずっと思っています。今はプロジェクトに応じてWebデザインができる方やグラフィックができる方に入ってもらうこともありますが、これから、そういうメンバーたちが、それぞれ企画やアイデアを持ち寄ってひとつのものをみんなで作っていくというのが柔軟にできるような場所にしていけたらいいなと思っています。

kafuka 昔は何かしら作り続けなければというのが苦しい時もあったったんですが、これからは、何かしらやりたいことがあるメンバーが入ってくるといいなあと思っています。

── というと?

kafuka やっぱり、仕事しながらでもやりたいことがある!というマインドの人がいないと、無理やりでも目標作って続けなきゃいけないっていう感じになっていって苦しくなっていくんですよね。

武田 僕は、普段は空間づくりのプランナーをしているのですが、この活動と仕事の両方があることでバランスを保てている部分がありますね。音楽活動があるおかげで、時間的にも金銭的にもメインになっている昼間の仕事に対しても、心の余裕を持って取り組めています。Laatryで使っている脳を仕事に還元することもできるし、仕事と活動を行き来することで良い影響を与え合っているなと感じていますね。会社も僕の活動を歓迎して頼ってくれることもあったりして嬉しいですね。

kafuka ほんとすごいと思うよ。僕はフリーランスだから。でも武田くんもフリーランスだったらぶつかることもあるかもね。それぞれ仕事の仕方もやりたいことも違うからうまくいってるんだと思う。助け合えるポイントが多くなるし、譲り合うし、助け合う!!

木下 関わる人もきっとメインメンバー的にコミットする人ばかりじゃなくてもいいんですよねきっと。コンセプトから作っていくかというか、「どうやったらおりんが立つか」みたいなところだけ考えるメンバーがいてもいいと思うし(笑)

左から、武田さんのご実家の黒帯、南條工房のおりん、武田さんのアルバム「Mitate」、南條工房のLinNe。

好奇心と創造性に突き動かされた不可思議なプロジェクトのためのプロジェクト・イン・レジデンス、COUNTER POINT by FabCafe Kyoto。今までに誰かと意気投合して「いつか一緒に何か作りたいですね!」と話しながら、機会に恵まれなかった方はいませんか?まずは私たちとシェアしてください。興味のある方は、ぜひこちらからお申し込みください。

Author

  • 浦野 奈美

    SPCS / FabCafe Kyoto

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

    大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

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