Event report

2021.3.27

バーコードリーダーでデザイン思考のアイデアソン? FabCafe香港で新しい音を発見するワークを実施

FabCafe編集部

FabCafe香港は、2021年2月にエレクトロニコスファンタスティコスとのコラボレーションで、バーコードを使って新しい音を生み出す方法を探る2日間のワークショップを開催しました。

BODW CityProgの認定イベントとして実施したのは、「Design Thinking Ideathon: “Hacking the Barcoder and Exploring New Sounds!”」。 このアイデアソンは、古い電子機器をリサイクルする新しい方法を発見すること、そしてこれらの使われなくなった電子機器をハッキングすることでどのように音楽を再発明できるかが目的でした。

関連リンク:京都 Orchest-Lab

エレクトロニコスファンタスティコスは、役割を終えた電化製品を「楽器」として改造・再生・演奏する活動を各地で展開中。複数拠点で活動するプロジェクトのうち、京都ラボはFabCafe Kyotoをベースにして活動しています。(エンジニア&演奏者は常に募集中)

1日目:知識習得とコンセプト開発

今回のワークショップには10名の参加者があり、3つのグループに分かれて作業を行いました。1日目の朝は、参加者同士がお互いをよく知るためのアイスブレーキングゲーム「Meshi Mashup」でワークショップを開始しました。

“Meshi mashup” セッションの様子

その後、オンラインでエレクトロニコスファンタスティコスの創設者である和田永さんが登場。和田さんは、グループ結成の経緯や、さまざまな電化製品のリサイクル方法などを詳しく説明。さらに、実際にブラウン管テレビや扇風機、バーコードリーダーを使ったライブパフォーマンスを披露したり、和田さんがストライプのTシャツをカメラでスキャンして電気音を出すというパフォーマンスには参加者も加わったことで、会場は興奮に包まれました。その後、日本から香港に送られてきた8台のバーコーダー(バーコードリーダーを改造した楽器。さまざまなストライプを読み取ることで様々な音を奏でられる)を用いて、参加者は身の回りのいろいろな物や線をスキャンして音を出してみました。

  • どのようにエアコンを楽器にトランスフォームさせたのか説明している和田さん。

  • 和田さんはオンラインで演奏も披露してくれた。こちらは、扇風琴で演奏する和田さん。

1日目の午後からチームに分かれてワークスタート。まず、さまざまな電子機器を使ってユニークな音を生み出すアイデアを自由にスケッチしました。これは、既成概念にとらわれず、電子機器がどのように楽器に変化するかを想像するために行ったセッションで、わずか30分たらずでたくさんの面白いアイデアが生まれました。

コンセプトスケッチを参加者同士で共有している様子.

その上で、1日目の残りの時間は、バーコーダーから新しい音を出す方法を考えます。グループ1は、色のついた水をスキャンして音を出せるかどうかを調べることに。これはニコスチームも試したことがなかったそうで、彼らも興味津々。グループ2は、さまざまな布や素材の上でバーコードをスキャンしたときの音を調べました。グループ3は、友達や家族で遊べるボードゲームを開発するためにバーコードを使うことを考えました。どのアイデアも独創的で楽しいものばかり。2日目にはこれらのアイデアが一体どのように現実のものとなるのか、皆わくわくしていました。

バーコーダーで縞模様の紙をスキャンしながらどんな拡張表現ができるか模索する.

2日目:試作品作成とプレゼンテーション

2日目は終日プロトタイピング。皆、午後のプレゼンに向けて、さまざまな素材を使ったり、レーザーカッターなどのファブリケーションツールを使って試作品制作を進めました。

水で音を奏でる

グループ1は、黒い水を通す穴の開いた容器を使って噴水のようにし、その水をバーコードでスキャンして音を出しました。和田さんは「水で音を出すというのは、とてもいいアイデアだと思う。水に色をつけたり、水の流れの速さをコントロールしたりすれば、もっと魅力的なパフォーマンスになると思う」とコメントしました。

  • 色のついた水の入った透明のコンテナを用いてプレゼンを行っているグループ1のメンバーたち

  • バーコーダーで着色した水をスキャンする

異素材のコラージュで複雑な表現を探求

グループ2は、香港の伝統的なスタイルである「赤白青の袋」のような生地や素材を集め、さまざまな形やパターンを組み合わせてコラージュしました。和田さんは、このプロトタイプにはデザインや音の可能性がたくさん詰まっていて、とても”ハードコアなパフォーマンス”だとコメント。

  • グループ2のチームは、さまざまな素材でコラージュをつくり、バーコーダーでスキャンするプロトタイプを作成した。

  • コラージュの層構造について説明するグループ2のメンバー

バーコードリーダーがボードゲームに!

グループ3は、プロセッシングプログラムを使ってソングシートを制作し、それをバーコードでスキャンして音が出る仕掛けを制作。ソングシートをスキャンすることで、プレイヤーは何の曲かを当てるという、楽しいゲームになっています。和田さんは、「バーコードからゲームを作るのは面白いし、いろいろなルールを加えてゲームを楽しくすることもできそうですね」と語りました。

  • グループ3のチームは、プロセッシングを用いてソングシートをプログラムした。

  • できたソングシートを小さなカードに分割し、音楽当てゲームをつくる

刺激的でわくわくの詰まったこの2日間のアイデアソン。エレクトロニコスファンタスティコスのチームとの国を超えたコラボレーションが実現したことはもちろん、なにより、参加者のみなさんの自由で独創的なアイデアや完成度の高いプロトタイプが実現した濃厚な2日間となりました。

これをきっかけに、香港でもより多くの人々が古い家電に新たな命を吹き込んでいきますように!2日間にわたるアイデアソンのハイライトはこちらからどうぞ。

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  • FabCafe編集部

    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

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