Column

2022.3.24

あなたとまちの”ズレ”を整えるプロジェクト、進行中!【COUNTER POINT】

FabCafe編集部

#調律 #都市への介入 #していい #tuned #untuned

生活の中に潜む違和感を見つけ、既存の仕組みや価値観に対するアプローチをしたり、新たな捉え方を広げたりする活動を行なっている「していいシティ」。都市に生かされる人々が「していいんだ!」と新たな発見をすることで、自分が好きな手段で都市に介入して生きていける社会を目指しています。


この活動のきっかけ。それは、私たちが京都のまちを歩いていた時に感じた、些細な違和感からでした。
とある老舗のお店で、「観光客」である私たちと店員さんとの間になんとも言えない距離感を感じたのです。きっとそのお店の持つ雰囲気に僕たちが馴染んでいないだけだったかもしれないし、ただ単なる思い違いかもしれない。
じゃあ、商店街を歩いていた時はどうだろう?そこは、観光客も地元の人も混ざり合って賑やかな雰囲気でした。この差はどこから感じるんだろう?

この3ヶ月間、こんな違和感を感じたり、逆に心地よいと思う場所を見つけてはその原因を可視化していき、「心地よい社会」の実現を目指していきます。一人ひとりが心地よく過ごせる社会。それがいつか、みんなにとっての「していいシティ」になっていて欲しいな。

あなたにとっての「落ち着かない場所」ってどこでしょう?私たちと一緒にあなたなりの「調律の兆し」を見つけてみませんか?
noteやFacebookでは活動の記録を更新しています。あなたにとっての違和感の募集も随時行っているので、ぜひチェックしてみてくださいね!

苦手な人や一緒にいて落ち着く人など、人の得意・不得意があるのは仕方のないこと。よく、「気が合う・合わない」と言ったりします。これは、場所に対しても言えることかもしれません。

「まるで地元に帰ってきた気分!」初めてやってきたのに、妙に落ち着くような場所ってあったりしませんか?逆に、何度も通っているはずなのに心がざわつく場所があったり。きっとその場所は、私たちと干渉しあう場所。私たち自身の持つ”リズム”とその場所が持つ”リズム”が合わさったりズレていたりすることで、こんな風に感じるのかもしれません。

この”ズレ”を整え、あなたとまちの関係をほどよく、そして心地よく保つためのきっかけを作る。これが、私たちしていいシティのプロジェクト「Tuning Box」です。

あなたとまちのズレを整えるには?私たちは、3つのステップに分けてズレを整えていきます。

①「場所を見つける」

まちに潜む、あなたにとって何か違和感を感じる場所。道や公園、オブジェクトなど、大きさや形式もバラバラ。感じ方も人それぞれ。まずは、一人ひとりの違和感を感じる場所を見つけます。

②「ズレを可視化する」

場所が決まったら、次は「なぜ違和感を感じるのか?」を探ります。ここで登場するのが、今回のプロジェクトのメイン、「Turing Box」。これは、場所に対するあなたの接点を可視化し、記録するボックス。違和感を感じる点を記録していきます。同じように、一人ひとりの接点が記録されていき、次のステップのための大事なポイントになります。

③「擦り合わせる」

自分なりの接点を記録したら、他の人の接点と比べてみましょう。自分にはなかった、様々な接点が記録されているかも?比べていくことで自分自身の接点を振り返り、また他の人の接点を知ることができます。こうしてあなたとまちの接点を整え、また新しい接点を獲得することで、場所とのズレを整えていきます。

上記の空間をかたちにするために、私たちはFabCafe滞在中、様々なゆるい取り組みに挑戦してみました。

具体的なプロダクト設計に移る前に①設置場所の議論とマッピング②プロトタイプイメージの意見交換を目的とした意見交換会を行いました。FabCafe Kyoto一階の入り口前スペースにて、2m弱のホワイトボード(大)をお借りして壁に立てかけながらオープンスタイルで議論を進めました。打ち合わせで来ていた方やLoftworkのスタッフの方々にもご意見を頂くことができて、充実した時間となりました。

プロトタイプとして「行動を促すチップ(仮)」を作成しました。これらの透明な円状のプラ板に、「見て」「触って」「名付けて」など、行動指示のジェスチャーアイコンが描かれています。これらのチップを活用することで、人々の行動の制限や視点の拡張を狙います。自分だけだと踏み出せなかったはずの行為にあえて挑戦させることで、新たな生活視点でまち歩きができるのではないか、と考えています。

今後はさらにまち歩きを重ねて、tuned-untunedな瞬間を切り取っていくために様々な仕掛けを行っていきます。ぜひ興味を持ってくれた方は、違和感を感じる場所について一緒に議論しましょう!…と言われても、よく分からないかもしれません。

そこで、もし良ければ、あなたにとっての「落ち着く・落ち着かない場所」を教えて下さい。そこから、あなたなりの「調律の兆し」を見つけてみませんか?もしかすると、Tuning Boxを置いてみる候補地になるかも?

みんなの生活体験と違和感を感じる場所、募集中!

していいシティ Facebook

メール sitecite.ii@gmail.com

私たちが活動していく中で重ねたディスカッション、リサーチトリップの様子などを記録していきます。活動の記録も随時更新していく予定なので、ぜひチェックしてみてください。

Note記事はこちら>>

  • 名称
    Tuning Box / 人々の調律を可視化するクリアボックス
  • 概要
    他の人が持つまちとの”接点”を知り、あなたが持つまちとの接点を増やしていく。接点が増えることで、あなたとまちの関係性の選択肢が広がり、豊かになっていきます。この行為を”調律”と捉えたTuning Boxは、人それぞれが持つまちとの接点が現れ、交わる空間。あなたとまちの関係をアップデートできるきっかけ作りを行うプロジェクトです。
  • 記録
    note

ちひろ:はなす担当。好きなものはご当地らーめん。

1996年、福島県出身。学部で都市開発を専攻し、卒業後は大学職員や地域シンクタンクにて特別研究員(デザインリサーチ)、東京大学発イノベーション教育プログラムi.school通年生を経て独立。「生活圏や公共空間で“していい“の解釈をアップデートすることで、都市の制限を打破する」を掲げ、2021年10月に“していいシティ“を立ち上げる。

わたる:つむぐ担当。好きなものは自転車。

1995年、埼玉県出身。大学・大学院で歴史学を専攻した。大学院時代に東京大学発イノベーション教育プログラムi.schoolで学ぶ。2021年10月に“していいシティ“に参画。観察すること・企画すること・人と話すことが好き。新たな社会像の中にある、自己実現のあり方や働き方に関心がある。趣味は雑食系で、その時々で面白いと感じたことにハマっている。

こうき:つなぐ担当。好きなものはお茶。

1999年神奈川県生まれ。色々なプロジェクトに首をつっこむのが楽しい。学部時代は、地域特産物のブランディングや商品開発プロジェクトに取り組んでいた。学生が地域で活動することで得られる学びについて興味がある。部屋から夕陽を眺めることが趣味。北海道に住んでいたことがあり、休日はよく雄大な自然を満喫するためにドライブへ出かけていた。次の目標は、世界中を車で巡ること。

もとき:つくる担当。好きなものは梅水晶。

1996年東京都出身。アパレル勤務の傍らデザインを勉強中。気ままに”作品”まがいの物をInstagramに投稿。自身の経験値を上げるため”していいシティ”のデザイン担当として活動を開始。趣味はKドラマ・K-POP鑑賞。

Author

  • FabCafe編集部

    FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。

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