Column

2022.3.31

FabCafe Nagoya Fab Magazine No.4 -捨てるはずだった服がエプロンに! いらない服をアップサイクルしたバリスタエプロン製作レポート-

近年、よく耳にするサステイナビリティ。特に大量廃棄が問題視されているファッション業界においては、衣服を廃棄せず循環させていくこと=アップサイクルが強く求められています。
そこで、着なくなり捨てる予定だった服を”資源”と捉え回収し、それらを再構築したサステイナブルなバリスタエプロンを製作しました。


  1. 不要になった衣服の回収・分解
  2. デザインの考案
  3. パッチワーク、縫製

FabCafeスタッフから集まった衣類は全部で約30点!衣服によっては素材上使うことができなかったものもありましたが、まずは使えそうなものをピックアップしていきます。

次に、ピックアップした衣類を縫い目に沿ってなるべく余る部分が出ないように切っていきます。分解していくと、普段何気なく着ている服がどのように組み立てられているかが分かり、楽しく素材を知ることができました。

素材がある程度揃ったら、そこからエプロンのデザインを考えていきます。

 

バリスタは、業務中にスプーンなどの様々な道具を使用するため、バリスタエプロンはスプーンホルダーやポケットなどがついた機能性の高いワークエプロンであることが求められます。そのため、デザイン性にこだわりながらも使いやすいエプロンになるよう、素材の特徴や組み合わせ・エプロンのシルエットや付属するパーツなどの要素を考えながら、大体の完成イメージを決めていきました。

 

服を作るときはディテールなどを細かく描いたデザイン画を元にしますが、今回はデザイン画は描かずに集まった服の柄や色・素材を見て、合いそうな組み合わせを直感で決めてすぐに縫製に取りかかりました。

デザインが決まったら、いよいよ組み立ての作業に入っていきます。

通常、服を作る時は細かい型紙を作成し、それを布に書き写して全てのパーツを裁断してから縫製していきます。しかし今回はパッチワークということで、そういった工程にとらわれず型紙の上に自由に布を乗せていき、フィーリングで裁断と仮留めをしながら徐々に形にしていきました。異素材を縫い合わせることや、たくさんある縫い代を考えながら裁断していくことは難しかったですが、本来の作り方にとらわれず自由に形にしていくのがとても楽しかったです!

以上の工程を経て、2着のバリスタエプロンが完成しました!

捨てられるはずだった服たちをエプロンという形に変え新たな付加価値を持たせることで、価値を保ったまま循環させるという、まさにアップサイクルを体現した作品を作り上げることができました。

古着以外にも、FabCafe Nagoyaの店舗にあるレーザーカッターでアクリルの端材を加工して作ったボタンや、刺繍ミシンで作ったワッペンなども使用しており、FabCafe Nagoyaらしい工夫満載のエプロンとなっています。

今日では、数々の企業で、製品を回収・分解しリサイクルするなどといったサステイナブルな取組が数多く行われています。とはいえ、リサイクル(再資源化)は特別な加工技術や工場を必要とするため、実際に回収されたものがどう変化するのか、なかなか実感がわきにくいと思います。その中で今回は、自らの手で分解し本来の形を最大限保ったまま再構築したため、アップサイクルの仕組みを成果として分かりやすく残すことができました。

この製作を通して、少しでも多くの人にサーキュラーエコノミーについて知ってもらい、環境への意識を高めてもらえたら嬉しいです。

製作したエプロンは、4月からバリスタが店頭で着用開始!FabCafe Nagoyaにお越しの際は、ぜひ、バリスタクルーのエプロンに注目してみてくださいね。

Author

FabCafe Newsletter

新しいTechとクリエイティブのトレンド、
FabCafeで開催されるイベントの情報をお伝えします。

FabCafeのビジネスサービス

企業の枠をこえて商品・サービスをともに作り上げていく
FabCafeのオープンイノベーション