Event report
2026.3.5
葉山 いつは
株式会社ロフトワーク, マーケティング
電話ボックス、ガソリンスタンド、銭湯、商店街、ショッピングモール…
これらの高度経済成長期に大量につくられた空間インフラの中には、人口減少、法制度、テクノロジーの進化により、社会や都市環境の変化に順応できず、急速にその役割を失うものも少なくありません。その姿は、さながら生物の生存競争のようです。
「RED SPACE」は、そんな“絶滅”の危機に瀕する空間インフラを『絶滅危惧空間』と名付けて再評価することで、それらがどう“変異”し、未来にどう持続してゆけるかという可能性をひらく試みです。ここでは、絶滅危惧空間の一つである自動車工場がルーツであるFabCafe Osakaで開催された2週間の展示の様子をレポートします。
RED SPACEティザーサイト:https://redspace-e59e3.web.app/
RED SPACE Instagram: https://www.instagram.com/redspace_list/
会期:2026年2月5日(木)-2月20日(金)
会場:FabCafe Osaka
詳細:https://fabcafe.com/jp/events/osaka/20260205-0220_red-space_osaka+
FabCafe Osakaの店舗の一部で行われた展示の様子。「RED SPACE」である自動車工場の当時の気配が今も息づく空間で、次の時代に続く空間インフラの可能性をひらく機会となりました。
本展示では、主にRED SPACEのティザーサイトとコンセプトムービーが発表されました。カフェ利用のお客様がサイトを操作したり、コンセプトムービーをじっと眺める光景もしばしば見られました。
展示期間中には、プロジェクトメンバーの竹中、平栗も在廊。展示を実際に見に訪れた方々との交流や意見交換、さらにはこの構想を未来の都市に実装するための具体的な議論が行われていました。
「RED SPACE」は、ロフトワークの竹中遼成と平栗圭が自主的に企画・推進するプロジェクトです。二人は建築をバックグラウンドに持つコレクティブ「垂直中心」として活動。縮退する現代都市に市民の創造性を適用できる余地を開くことを目指しています。WIRED主催「CREATIVE HACK AWARD 2025」にて、Special Prize(特別賞)とFINALIST CLUB PRIZE(ファイナリストクラブ賞)を受賞し、今後の展開に注目が集まっています。
これらの活動を通じて、「RED SPACE」が最終的に見据えるのは、都市に住む誰もが既存の空間資源を再解釈し、自ら変異させ続けられる「Mutationism(突然変異説)」の時代の実現です。大量生産・大量消費の時代を経て、空間そのものだけでなく、その背後にある仕組みやネットワークを含めたドラスティックな社会変容を促すことで、都市の新たな在り方を提示していきます。
その試みの実践として、2026年夏には、公募・共創プラットフォーム「AWRD」にて、コンペティション「RED SPACE MUTATIONS」を始動させます。役割を終えつつある「絶滅危惧空間」を次世代の社会に適応させるための提案や研究、取り組みなどを全国から広く募集し、空間所有者やインフラ企業、エンジニア、法律家といった多様なステークホルダーを巻き込んだコミュニティを通じて、集まったアイデアを実際の社会実装へと繋げていくことを目指しています。
-
葉山 いつは
株式会社ロフトワーク, マーケティング
2001年奈良県生まれ。立命館大学経営学部経営学科を卒業後、2024年よりロフトワークに新卒入社。
社会と個人の「ジレンマ」を解きほぐすため、ロフトワークのマーケティングを通して、領域や業種が異なる人達を巻き込み、繋げ、新たな対話が生まれる場のデザインを日々実践している。京都と大阪を往復し、呼ばれた場所には大概行く。半年に1回、アメリカンなクッキーを大量に焼く。2001年奈良県生まれ。立命館大学経営学部経営学科を卒業後、2024年よりロフトワークに新卒入社。
社会と個人の「ジレンマ」を解きほぐすため、ロフトワークのマーケティングを通して、領域や業種が異なる人達を巻き込み、繋げ、新たな対話が生まれる場のデザインを日々実践している。京都と大阪を往復し、呼ばれた場所には大概行く。半年に1回、アメリカンなクッキーを大量に焼く。





