Project Case
2018.8.19
東京と飛騨を拠点に、Fabと伝統技術を学ぶ「教育プログラム」を実施
海外で異文化に身をおきながら学ぶ「スタディー・アブロード・プログラム」を毎年行なっている、米ニューヨーク州立大学バッファロー校建築学科。学部、院双方から学生達が集まり、9週間をかけて日本で各地をまわりながら、建築や都市のリサーチを行い、終了すると単位が与えられます。
FabCafe TokyoとFabCafe Hidaは、広葉樹の森に囲まれ、職人の技が息づく気品ある飛騨古川を舞台に、このプログラムの要となった、5日間の「飛騨滞在教育プログラム」を企画運営しました。
プロジェクト概要
支援内容
- プログラム設計・ディレクション
課題の企画、設計
課題「新しい組木作りの制作」サポート - 飛騨古川を拠点にした、5日間の滞在プログラムの設計&実施
伝統的な木工技術と木工産業を学ぶ見学ツアーの設計&実施
飛騨の職人による木工制作体験設計&実施 - 3Dモデリング技術を用いたツール開発
仕口制作のツール開発 - FabCafe MTRLでのオフィスシェア
日本滞在中(9週間)のリサーチ拠点としてFabCafe MTRLのコワーキングスペースを提供
プロジェクト期間
- 2018年6月〜7月
「日本の伝統工芸」と「最新テクノロジー」の融合を通じて、
学生たちが新しい価値を模索するワーク設計
FabCafe Hidaでの合宿にあたり、学生たちに何を学んでほしいのかを、FabCafe金岡と、プログラム担当のブルシア准教授が企画。5日間の合宿のプログラムを設計しました。
学生に課された課題は、「新しい組木をデザインせよ」。日本の伝統的木工技術である「組木」と、3Dモデリングを用いた新しいデザインプロセスを融合することで、生徒達が、伝統的な工法の新たな可能性を探り、先端技術の新しい使い方を発見しすることを目指します。
3Dモデリング技術を用いたツール開発をサポート
担当のブルシア准教授は、今回のプログラムで3Dモデリング技術とセンサーを用いたジグ(治具)を作り、生徒たちの新しい組木デザインに生かしたいと考えていました。
FabCafeの金岡が、テクニカルサポートメンバーとして建築系プログラマーでデザイナーの堀川淳一郎さんを招待し、合同でセンサーを利用したジグを開発。3Dモデリングデータ上で作られた組木のデータを、センサーを使用して、3次元的な複雑角度でも加工できるツールを設計しました。
飛騨の職人の技術を学び、飛騨の木工産業を知るフィールドワーク
合宿では、飛騨の職人から伝統技術を学び、飛騨の木工産業の現場を肌で感じられるプログラムを実施。飛騨古川の職人さんたちにご協力いただき、組木づくりの実演や、木工道具の使い方を学ぶワークショップを行いました。また、地元の木工産業の企業を訪問したほか、飛騨古川の建物や街を見学するツアーを行いました。
「建築を学ぶことは建物を見ることではない。その土地の人の文化を知りコンテキストを知ること。FabCafe飛騨の滞在中は、暮らすように過ごすことができてよかった」(ブルシア准教授)
最終成果物として、新しい組み木を飛騨古川の職人さんに発表
飛騨滞在の1週間前から、生徒達は3チームにわかれ、3Dモデリングを使い「新しい組木」のデザインを進めていました。FabCafe Hidaでは、デザインを実際にFabCafe Hidaにある木工工作機械で制作。FabCafe Hidaチームが木工機械の使用のサポートを行いました。
最終日には、プログラムに関わってくれた職人さんたちを招き、制作報告会も開催。報告会には、伝統を知る職人さんも参加し、3Dモデリング技術を用いて自由な発想で作られた組木に対してのディスカッションを行いました。
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FabCafe編集部
FabCafe PRチームを中心に作成した記事です。
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